設備資金の使い道とは?設備資金の調達に適した方法を解説します

 

金融機関からお金を借りるときにどういった目的でその資金を使うのかは融資の審査においてもポイントの一つになっています。

設備資金を調達するときにはどういった点に気を付ければよいのか、運転資金との調達方法や調達難易度の違い、などについて説明します。

1.設備資金とは何か

資金調達をするときに金融機関から必ず資金使途(資金の使い道)を問われます。

(資金使途が自由なフリーローンもありますが、一般的に金利が高く設定されています。)

その際に、会社にとって必要な機械や設備を購入するための資金(設備資金)なのか、商品の仕入れ代金や従業員の給与・賞与資金(運転資金)なのか、を明確にすることにより、返済条件や審査基準が異なっています。

設備資金とは、企業において、土地や建物、機械などの長期の利用に提供される生産設備の購入に使われる資金のことを言います。

ほかには、店舗、工場または営業所などの建物の賃借に係る敷金・保証金・権利金(ただし、賃料・礼金は運転資金とされます)も設備資金の対象となります。

なお、事業用車両などの購入については、事業内容として、配達や荷物の運送を主に事業とすることを前提としていて、対象となる事業用車両は、4ナンバーのバンやバス、タクシー、営業車のトラック、ダンプ、クレーン車などの特殊自動車、などに限定されていて、乗用車は認められていません。

また、車両の一部には社名を記載すること、登録は法人名義であること、が必須となっています。

設備資金は生産設備のために投下される長期的、固定的な資金であるため、生産設備の操業による消耗や減価に応じて、毎年の収益の中から長期間にわたって一部分ずつ回収されるものです。

設備資金を運転資金として利用することはできません。

例えば機械購入のためにメーカーから見積書を取り寄せ、その額で設備資金の融資を受けたとしても、値引き等で実際の購入額が減額されたとした場合、差額の返金を求められたり、金融機関によっては購入する会社に直接振り込む場合もありますのでご注意ください。

 

2.設備資金の調達方法とは

設備資金の調達は、企業の内部留保や株式の発行による自己資本の調達と社債の発行や長期借入金による長期他人資本の調達によって行われることが一般的です。

企業経営の安定性の観点からは、設備資金は原則的には自己資本による調達が望ましいとされていますが、日本の企業では長期他人資本、中でも特に長期借入金による調達の比重が大きいとされています。

設備資金の申し込みは、その設備を購入するのにいくら必要なのか、が記入されていますので、金融機関の立場からは、設備資金の対象となっている設備がいくらなのか、を把握することから審査が始まります。

この申し込み金額には付帯費用が含まれているのかどうか(例えば不動産購入の場合には不動産取得税などがかかることもありますので、網羅的に設備購入に必要な金額が検討されているかどうか)、なども重要なポイントです。

 

(1)金融機関からの設備資金の借入

それでは、最も資金調達の比重の大きい銀行(長期他人資本)からの設備資金の借入について説明します。

民間金融機関である銀行などからの資金調達のメリットとしては、借入金で購入した設備を自社の資産とすることで新たに担保力が発生すること、銀行借入はリース契約や割賦購入による資金調達よりも一般的にはトータルコスト(総費用)が少ないこと、が挙げられます。

銀行などからの借入によって購入した資産は購入した企業のもの(自社資産)です。

したがって、この購入した資産を担保として、新たな借入をすることもできます。

また、借入を行なっている期間内であっても、より良い条件で借り換えが可能な金融機関が見つかった場合には、その金融機関から代わりの新たな融資を利用することで金利負担を軽減することも可能です。

リース料金にはリース会社の利益なども加味されているので、設備を購入するよりも割高な料金設定となっていることが多く、また、割賦購入の場合も一括で購入するよりも割高な価格設定になっていることが一般的です。

このリース料金や割賦購入に対する支出額は、通常、金融機関からの借入を行なった場合の返済金額よりも多くなる場合が多いと思われます。

(ただし、金融機関からの借入利息は、資金使途、借入期間、担保・保証の有無、企業の信用力、などによって異なります。)

このように銀行などからの借入にはメリットがありますが、借入金で設備などの資産を購入することにより、不動産取得税などの納付や減価償却手続など、資産の維持や保守のための煩雑な事務が発生してしまいます。

また、企業の業績が悪化して赤字が発生するような状態になってしまうと、貸付金の安全を確保する立場から、金融機関が企業の経営に関して干渉する場合があります。

これらのメリットやデメリットと他の資金調達方法を比較して、資金調達方法として金融機関からの借入を選択するかどうかを決定することになります。

ただし、銀行などからの借入のための審査基準は厳しく、容易に借入の承認が下りるわけではありません。

したがって、最初に金融機関の担当者に設備投資の計画と借入希望額について相談をして、借入の条件を確認する必要があります。

 

(2)社債発行による設備資金の調達

金融機関からの借入と並ぶ他人資本の調達方法としては社債の発行が考えられます。

社債発行は、金融機関だけではなく、一般企業や個人からも資金を調達する手段です。

社債は、会社の債務で、株式とは異なり、調達した資金を一定期間経過後に返済しなければならず、毎年一定の利息の支払いが必要となります。

社債には、支払い利息が固定なので、調達コストが社債を発行した時点で計算できること、満期で一括償還することが可能であること、といったメリットがあります。

社債の利率は償還期まで一定で変わらないため、発行時に償還までのトータルコストを把握することができます。

また、市場金利が上昇したとしても、その影響を受けることはありません。

しかし、発行時に設定した利率が悪ければ(同じような格付けの企業が発行する社債よりも見劣りするよう条件であれば)、社債市場で募集しても買い手がつかないことがあります。

このような場合には、割引発行(額面よりも低い価額で発行すること)を実施して、投資家側が資金を金融機関などに預けた場合と同じようなメリットがあるように条件を調整する必要があります。

社債は通常5年から15年後の償還期限に一括償還(元本の返済)を行ないます

したがって、償還するまでの期間はあらかじめ決まっている一定の利息だけを負担すればよいことになります。

また、社債の借換発行をして償還期限を延長することも可能です。

もし資金的に余裕があるのであれば、買入償却や抽選償還により、償還期限が到来する前に償還することもできます。

このように、社債発行による資金調達をすることで企業は長期間安定した資金を設備資金として調達することが可能です。

社債発行による設備資金調達のデメリットとしては、社債を発行するには日数と手間がかかるため、実際に資金が調達できるまでには時間がかかることがあげられます。

また、社債の発行に関しては財務省(公募債:不特定多数の一般投資家を対象として債務証券を発行するもの)や受託金融機関(私募債:特定少数(縁故者、機関投資家、金融機関、生命保険会社などの投資家を対象として債務証券を発行するもの)が定めた適債基準を満たさなければならないので、すべての企業が利用できる方法ではありません。

ただし、社債を発行した企業は適債基準や発行ルールを充足しているので、企業のイメージアップにつながるというメリットもあります。

 

まとめ

このように設備資金を調達するためには、目的に沿って、銀行借入や社債発行などの他人資本による調達方法が最も適していると考えられます。

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