PR

【理解して得しよう!信用保証協会の保証付き融資とは?】

融資知恵袋

●はじめに

中小企業や小規模企業が資金調達する際、銀行から信用保証協会の「保証付き融資」を勧められることがほとんどです。初めて銀行からの融資を検討しているのであれば、ほぼ間違いなく保証付き融資を勧められると思います。近年は、保証付き融資の仕組みやメリットをインターネット上でも検索・閲覧することができるようになりました。しかし、実際どのような条件で利用できるのか、分かりやすく解説しているものはそれほど多くありません。

そこで今回は、いざ保証付き融資を利用するにあたり、事前に理解しておくとお得な情報をまとめてみました。そもそも信用保証協会とは何なのか、利用する際に準備が必要なものなど、順を追って解説していきます。

 

 

●信用保証協会の保証付き融資とは?

ここは詳しく理解するべき内容ではないのでサラっと説明しておきますね。中小企業や小規模事業者は、銀行からの融資を受ける際に貸し倒れのリスクが大きいと判断されやすいです。そこで借入を保証し、銀行の融資審査を通りやすくするために設立された公的な機関が信用保証協会です。保証付き融資とは、具体的には「もし企業が倒産しても、借入残金の一部は、信用保証協会が代わりに返済します」という制度です。銀行も貸し倒れで失うお金が少ない方がいいですから、安心して貸してくれるというわけです。

この制度を利用したい場合、企業の本社が所在する地区の信用保証協会に申込書などを提出し、審査を受けることになります。審査内容は、概ね銀行の融資審査と変わりません。収支計画や資金繰りなどを、資金提供元となる銀行を通して説明することになります。保証協会は原則どのような業種でも利用できますが、企業に税金の滞納や倒産履歴がある場合は利用できないこともあるので注意が必要です。

 

●保証付き融資のメリットとデメリット

では、この保証付き融資を利用することのメリットとデメリットをご紹介しましょう。1番のメリットは、担保となる資産がなくても資金調達が可能になることです。先に述べたように、借入を完済する前に企業が倒産しても、融資残高の一部は信用保証協会が銀行へ代位弁済してくれます。銀行側の手間としても、担保とされた不動産を売却するより手っ取り早く債権を回収できます。このおかげで、たとえ業績が悪くて無担保では厳しいという企業でも、保証付き融資であれば対応する銀行も多いのです。

次に、保証付き融資のデメリットです。他の融資との大きな違いは、借入の金利の他に保証協会へ保証料を支払わなければならないことです。保証料の金額は、企業の収益力や今後の見通しなど総合的に勘案して決定されるので、毎期の決算内容によって上下します。実際の保証料は最低でも0.4~0.5%、高くて1.0%超と幅広いです。昨今は低金利傾向なので、その上保証料まで払うとなると不利な条件には変わりありません。利用は慎重に検討する必要があるでしょう。また、保証付き融資の申込みでは、他の融資制度に比べて提出書類が多いです。銀行へは通常の融資と同様の資料を提出し、保証協会へは銀行と同様の資料に加えて保証申込書や印鑑証明などの提出が必要です。保証申込書は記載内容も多く、書き方が厳格に定められているため手間と感じる方も多いようです。

保証協会付き融資についてもっと詳しく知りたい方は、「保証協会って何?保証協会付きの融資ってどんな融資?」の記事もチェックしてみることをおすすめします。

 

●保証付き融資を上手に利用するポイント

次に、保証付き融資を前向きに検討したい場合、不安なくスムーズに利用するためのポイントを3つご説明します。

① まずはプロパー融資の依頼をする

融資をお願いする銀行へは、最初に必ずプロパー融資を検討してもらってください。保証付き融資は、プロパー融資を受けられない際の方法です。融資元の支援姿勢を知る意味でも、まずはプロパー融資で依頼をかけましょう。そして、どのような対応をされたかを、今後のその銀行との取引指針にしてください。また、例えば2,000万円のプロパー融資を依頼したとします。しかし、プロパー融資では1,000万円が限界だと判断された場合、残り1,000万円を保証付き融資で借入れるという方法もあります。併用することで、保証料を節約することができるのでオススメです。

② 取引銀行のバランスを見て活用する

メガバンクやメインバンクが保証協会の利用を勧めてきた場合、安易に乗らないようにしましょう。なぜかというと、1つの企業が利用できる保証付き融資の金額には上限があるからです。保証付き融資を安易に利用すると、さらに緊急な場合の資金調達幅を狭めることにもなってしまいます。ですから、今後さらに業績が悪くなった場合に、プロパー融資を含めて支援してくれる可能性がある銀行はどこか見極めてください。その銀行を融資元に選び、保証付き融資を利用してみるといいでしょう。

③ 市町村や国の制度融資と併用する

大抵の自治体で、「創業支援」や「雇用創出」など一定の要件を満たせば、保証料を低減または全額負担する制度があります。このような制度を利用できないか、必ず調べてみましょう。また、このような地域性の強い制度融資は大きな銀行よりも地域金融機関の方が情報を持っている場合が多いです。保証付き融資を検討するのに合わせて、一度相談してみると良いかもしれません。

 

●まとめ

いかがでしたか?保証付き融資には大きなメリットがあります。そして、事前に得ている知識があれば、さらに有効活用できる制度だとご理解いただけたかと思います。

最後に、必ず頭のどこかに置いておいていただきたい言葉があります。それは、「保証付き融資を利用するのは、最終手段」ということです。融資がなければ企業そのものの存続も危うくなる場合も、もちろんあります。しかし、融資を依頼する際の基本的な姿勢として、融資元には企業の事業性を評価してもらえるよう努力しなければなりません。融資が必要なタイミングというのは経費が嵩む時期でもあるので、保証料についても削減する方向で考えるべきです。どうしても、保証付き融資でないと借りられない状況の時に初めて保証付き融資を検討するようにしてください。その際は、私が解説した3つのポイントも忘れずに。

長文となりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも御社の経営の力となれましたら幸いです。

融資審査についてもっと詳しく知りたい方には、「銀行融資の審査期間はどのくらい?種類別に見る傾向と対策」の記事もおすすめです。