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こんな場合はこの方法!企業融資の種類

融資知恵袋

●はじめに

会社を経営していく上で、融資を受けるという手段は必ず通る道です。創業時、新規事業の立ち上げ、運転資金の補充など融資を受ける理由も数えきれないほどありますね。ところで、企業が融資を受ける方法にはいくつか種類があるのはご存知でしょうか。ご存知の方でも、それぞれどんな特性がありどんな時に利用すべきか理解されている方は、実は少数だったりします。

そこで今回は、企業融資の種類について説明していきます。まず、中小企業向けの融資の種類は大きく分けると4種類です。この4種類について知っていれば、必要な時に1番お得な融資方法をパッとひらめくことが出来るはずです。これから、それぞれのメリットや利用する際の注意点を分かりやすく解説するので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

① 手形割引

手形割引とは、企業が商品やサービスの販売先から代金として受け取った手形を担保に、銀行から融資を受ける方法です。手形には支払期日がありますが、その期日前に手形を現金に換えることができます。その分、銀行側へ手数料を支払わなければならないので、入金されるのは手数料を差し引いた金額になります。

この手段のメリットは、融資を依頼してから現金化するまでの期間が短いということです。銀行側は手形の期日にはお金を回収できることから、比較的リスクが低い手段と判断しています。そのため、手形割引では容易に融資を受けられることが多いです。しかし、手形の振出人の業績が悪かったりする場合は融資を断られる可能性があります。言い換えれば、割引を依頼した企業の業績が悪くても、業績がいい企業が振出人の手形があれば、融資を受けられるということです。振出人である企業の信用力に依存する融資方法なので、銀行側の審査期間が短いことも、依頼から入金までの短期化の理由です。

デメリットは、振出人の業績が悪化して手形が不渡りになった場合、割引を依頼した会社にも支払責任が発生するということです。また、手持ちの手形の金額分しか融資を受けられないので、一時的な融資ということになります。

② 手形貸付

手形貸付とは、融資を受ける企業が振出人として約束手形を発行し、銀行に差し入れる融資方法です。返済までの期間が1年以内の場合に利用できます。

この手段のメリットは、証書貸付とは違って面倒なサインや書類の用意をする必要がないということです。また、証書貸付と同じ金額であっても収入印紙の金額が安くて済みます。最近は電子記録債権も普及してきたので、約束手形を電子記録債権にて差し入れすることも可能になりました。電子記録債権では印紙代がかかりません。日頃の取引で電子記録債権を利用している方であれば、手形貸付での融資依頼が1番お得な方法と言えるでしょう。ただし、最長1年間の融資なので長期の融資には対応できないという点がデメリットとなります。

③ 証書貸付

証書貸付とは、「金銭消費貸借契約証書」という書面を作成し、記載された条件で銀行と企業が融資契約を行う方法です。上記の2種類には不可能な1年を越える期間の融資や、金額の大きい融資が必要な際に利用されます。もちろん、1年以内の返済期間の融資であっても証書貸付を利用できます。

この融資方法を選んだ場合、「金銭消費貸借証書」の他に印鑑証明書や登記簿謄本を提出する必要があるため、手間がかかることがデメリットです。そのため、短い返済期間での利用はあまりされません。1年以内の返済期間でも利用できるのですが、証書貸付での融資が条件とされる制度融資を利用する場合など、限定的な利用が多いです。

④ 当座貸越

当座貸越とは、限度額を決めてその金額の範囲内であればいつでも借入れたり返済したりするのが自由な融資方法です。また、この際に当座預金を利用し、限度額分までマイナスにできるという方法を取ることもあります。

企業が自由なタイミングで資金調達ができるので、とても便利な融資方法と言えます。しかし、企業に借入と返済の主導権を握られているため、銀行にとっては貸し倒れリスクの高い融資方法です。そのため業績や財務状況の良い企業しか審査が通らないことが多いので、利用するためのハードルが高いことがデメリットです。ただし、ここまでに紹介した融資方法の中で最も条件が良いのはこの当座貸越です。もし、自身の企業の財務状況に自信があれば、銀行と取引を始める時に当座貸越の利用をお願いすると良いでしょう。

 

●最後に

いかがでしたか?企業が利用できる融資の方法は様々です。融資が必要な理由、返済までの期間、現在の財務状況や手持ちの債権など考慮するべき事項もたくさんあるでしょう。ここで紹介した融資方法のそれぞれのメリットや特徴を把握しているだけで、どの融資方法を選べば良いのかスムーズに判断がつくようになります。ベストな選択をするためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。