従業員を雇うときに知っておくべき社会保険や年金の知識

 

事業経営者が従業員を新たに雇うときには、その従業員を厚生年金や健康保険といった社会保険に加入させる義務があります。

もし社会保険に加入させる義務のある従業員の加入手続きをおこたってしまった場合、ペナルティが課せられてしまう可能性がありますから注意が必要です。

ここでは社会保険に加入させなくてはならない従業員の種類や、保険料の計算方法、加入手続きの進め方について具体的に解説させていただきます。

 

従業員を雇う場合の社会保険加入の条件

従業員を雇うときに社会保険に加入させないといけないのは、個人事業主の場合で常時5人以上の従業員を雇用している事業者、法人企業の場合は1人でも従業員を雇う場合には必ず社会保険に加入させなくてはなりません。

加入義務があるのに加入させない場合のペナルティ

年金事務所が調査を行うことによって社会保険加入義務のある従業員が未加入となっていたことが発覚した場合、追徴金や罰金といった形でペナルティが課せられてしまうことがあります。

追徴は2年間までさかのぼって行われる可能性がありますから、場合によっては非常に大きな支払いを課せられてしまう場合がありますので注意が必要です。

追徴金は基本的に事業者と被保険者(従業員本人)が折半して支払いをすることになりますが、もし従業員がすでに退職していて連絡が取れない状態になっている場合には、事業所が元従業員に代わって支払いをもとめられるケースもあります。

 

社会保険と企業経営者の関係

企業経営者の場合、個人事業主として活動する場合には国民健康保険と国民年金、法人企業の役員として活動する場合には健康保険と厚生年金に加入することになります。

一般的には健康保険と厚生年金に加入した方があつい保障を受けることができますが、個人事業主のときよりも保険料の負担は大きくなるのが普通です。

健康保険、厚生年金の保険料は「役員報酬の金額×保険料率」で計算します(従業員の場合と計算方法は同じです)

健康保険の保険料率は9.91%、厚生年金の保険料率は18.182%です。

例えば、社長の役員報酬が毎月100万円という場合には、健康保険料と厚生年金保険料を合わせて毎月20万円を超える社会保険料が発生することになります(会社負担の保険料と合わせた金額です)

社会保険料は労使折半(つまり会社と従業員が50%ずつ負担するということです)となりますから、上の金額の半分を従業員や役員の給与から天引きし、会社がまとめて納めるのが一般的です。

 

厚生年金に加入していたらどういうメリットがある?

厚生年金は、自分の老後の年金や、万が一加入者がなくなったときにその遺族が受けとることができる年金を確保するための保険です。

厚生年金に加入していなかったとしても、国民年金に加入しているのが普通ですが、国民年金だけでは老後の生活費としては不十分です(国民年金の場合、保険料を満額支払ったとしても老後にもらえる金額は年間で80万円程度となります)

厚生年金に加入した場合には現役世代のときに支払う保険料負担は大きくなりますが、その分老後にもらえるお金も大きくなります。

現在、個人事業主として活動している経営者の方は、法人化などの方法によって厚生年金に加入することが可能になりますから、検討してみると良いでしょう。

 

社会保険料を安くするには?

社会保険料の金額は4月〜6月に従業員や役員に対して支払った賃金額を元に計算します。

この期間中の賃金が高い人ほど社会保険料の金額も高くなりますから、昇給などの制度を考える際には7月以降のタイミングで行うことで社会保険料の負担額を抑えることが可能になります。

また、4月〜6月の期間中は残業を抑えて賃金支給額を小さくしておくのも社会保険料負担を抑えるために有効な手段となります。

非常勤役員は社会保険加入の義務はない

家族を役員などにしているオーナー社長は多いと思いますが、常勤役員となっている場合には実質的にあまり仕事をしていない人であっても社会保険料を負担しなくてはならず非効率です。

このような場合には役員を常勤から非常勤にして社会保険の加入対象から外してしまうのも一つの手です。

社長の奥さんが役員になっているような場合には非常勤役員に切り替え、役員報酬額を調整することで社長の扶養に入れた方がトータルでの負担が小さくなることがあります。

 

まとめ

今回は、中小企業経営者の方が押さえておくべき社会保険の知識について解説させてただきました。

本文で解説させていただいたように、健康保険や厚生年金といった社会保険は「自由に加入できるもの」というよりは「加入が義務付けられるもの」であることを理解しておく必要があります。

加入させる義務がある従業員や役員を加入させていなかった場合には2年間までさかのぼって追徴をうける可能性があるほか、働いてもらっている従業員側の不信をまねいていしまうなどの不利益を受ける可能性があります。

従業員に安心して職務に専念してもらえるようにするためにも、社会保険に関するルールを理解して必要な手続きを行うことは、中小企業経営者の責務と言えるでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る