コロナ禍でも利益を残し続ける中小企業の秘訣

資金ショートがなぜ起きてしまうのか?

財務改善

資金ショートと言う言葉をご存知でしょうか。会社では、事業の状況、業績によってどうしてもお金が不足する時期がります。お金が不足する理由には、「製品開発に費用がかかり回収に時間がかかる」「商品の業績不振」「新規事業の失敗」、「花形商品が代替商品の発生により売れない」「仕入価格の高騰」などいろいろな理由により発生します

今回は、製品ライフサイクルとキャッシュフローの関係から、資金ショートが起こりやすい時期について考えてみましょう。

 

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■製品ライフサイクルとは?

製品ライフサイクルとは、製品が市場に投入され、廃棄するまでの生命周期になります。それでは、その生命周期を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」で比較してみましょう。

 

■「導入期」

製品が開発されて、初めて市場に導入された時期になります。もちろん、導入されたばかりで売上高がもっとも低く、大量生産もできず販売単価も高い状況です。そのために、最初に投資したお金を回収することもできず、資金繰りは厳しく、最も資金ショートを起こしやすい時期となります。

 

■「成長期」

製品が消費者に認知され、市場に浸透してくる時期になります。売上が伸び始めてくる時期であり、それに伴い競合に勝つための、多くの広告宣伝費、営業費が必要となりますが、売上が増えるために、徐々に利益も伸びて行きます。キッシュフローは、広告宣伝費、初期投資費用の返済にもお金が必要であり、資金に余裕のある状況ではなく、売上が伸びなければ、資金ショートを起こしてしまう時期になります。

 

■「成熟期」

製品がある程度市場に浸透し、需要が一段落する時期です。上昇していた売上も止まり、高い状況で推移します。競合状況も緩和され、広告宣伝費もそれほど必要ではなくなり、利益が最大となる時期になります。キャシュフローも成熟期で初期投資費用も回収でき、資金繰りにも余裕ができてきます。資金も増え、もっとも安定しており、一番資金ショートが起きずらい時期となります。

 

■「衰退期」

製品の魅力が薄れ、需要が減少していく時期になります。売上は減少していきますが、固定費は必要であるために、利益は減少をしていきます。コスト、製品価格も低くなります。売上も低くなりますが、それに伴い広告宣伝費も減少をしていくために、資金繰りはマイナスとはなりませんが、入ってくるお金が減少していきます。

この時期に、事業を「撤退するのか」、「他の商品に力を入れて開発するのか」を決断する重要な時期となります。

4つの時期で製品と資金ショートの関係を説明させて頂きました。しかし、花形であった事業もいずれは衰退期に入ってしまいます。その際に、どのようにお金を投資していくのかを、ボストン・コンサルティング・グループによって開発されたPPMを利用し説明をさせて頂きます。

 

■PPMPPM(Product Portfolio Management)とは?

ボストン・コンサルティング・グループによって開発された「戦略策定支援ツール」になります。企業が多角化により複数の事業を展開するときの総合効果を分析し、各事業への資源配分を決定したりするときに利用します。PPMでは、各事業を「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」に分類して、資金原である「金のなる木」から得られた資金で「問題児」の市場占有率を上げたり、「花形」の市場優先率を維持するように資金を効率よく利用していく方法になります。

事業を、「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」に分析することにより、今後の企業の戦略を明確にすることができ、効率的に資金を使うことができ資金ショートを防ぐことができます。

「花形」とはどのような状況でしょうか。

成長期の中期、後期であり資金流入も資金流出も多く、キャッシュフローの源とはならない状況

「金のなる木」とはどのような状況でしょうか。

成熟期であり資金流入が多く、資金流出が少ないことから、キャッシュフローの源となることができる状況

「問題児」とはどのような状況でしょうか。

成長期ではあるが資金流出が多く、資金流入が少ないために、キャッシュフローがマイナスである状況

「負け犬」とはどのような状況でしょうか。

衰退期で資金流入、資金流出ともに少ない状況

 

■PPM(Product Portfolio Management)のデメリット

但し、PPMもメリットばかりではありません、下記のようなデメリットもありますので、是非、覚えておきましょう。

  1. 企業の経営資源を財務資源という観点のみしか考えていない。
  2. 各SBU間のシナジーといった質的な面での評価が軽視されやすい。
  3. PPM理論はすでに展開したSBUの分析であり、新しい事業分野への展開の手掛かりになりにくい。
  4. 負け犬に配置されたSBUでは、モラールが低下する可能性がある
  5. 金のなる金への投資が行われないために、その衰退が早まってしまう

 

まとめ

今回は、製品ライフサイクルとキャッシュフローの視点から資金ショートについてお話をさせて頂きました。せっかく売れる商品、サービスを開発しても資金ショートのために商品が販売できなければ意味がなくなってしまいます。是非、どの時期にお金が必要なのを理解するだけでも、資金ショートを事前に防ぐことができます。また、事業は必ず衰退期がやってきます。その際には、どのようにお金を投資していくのかをPPMの視点で考えるともっとも効率のよい投資方法が考えられ、資金ショートを防ぐことができるかもしれません。是非一度は自社の事業をPPMで分析してみてはいかがでしょうか。