こんな時でも利用できるの?短期融資を利用する方法!

融資知恵袋

 

●はじめに

銀行からの融資には、短期融資と長期融資の2種類があります。原則1年以上かけて返済する場合を長期融資、1年未満の返済期間の場合は短期融資と呼んでいます。設備資金などは長期融資を利用しますが、一定の期間だけ必要になる資金は短期融資を利用することになるでしょう。特に、突発的な理由で必要になる資金は短期融資を利用することが多いですね。しかし、短期融資は長期融資より金利が高くなりやすく、また融資を受けるまでの時間や気持ちに余裕ないことが多いかと思います。そこで今回は、短期融資の利用方法についてまとめてみました。どんな時にどんな仕組みの融資を利用すればいいか理解しておくだけで、融資交渉がぐっとスムーズに進められるようになります。では、早速解説していきましょう!

●どんな時に短期融資が利用できるの?

まずは、短期融資として利用される事案を説明していきます。「こんな場合も短期融資を検討できるのか!」と新しい発見もあるかもしれませんので、今まで利用してなかったものがないか確認してみてください。

① 季節性資金

例えば葉物野菜の卸業の場合、初夏から秋口にかけて商品を仕入れて販売しています。1年の内で繁忙期が決まっていて、一時的に大きな資金が必要となるので短期融資で賄うことがあります。このように季節によって売上や仕入の変動が大きいほど、季節毎の資金のギャップが大きくなるため、資金調達が必要になるのです。季節性資金は銀行側も融資が必要な理由を理解しやすいので、融資交渉がスムーズに進むことが多いです。

② つなぎ資金

つなぎ資金と一言で言っても様々な種類があります。代表例としては、建築業で利用される「工事つなぎ資金」です。建築業では、工事を受注してすぐに人件費や材料費が発生しますが、代金は中間時や竣工時など後払いになることがほとんどです。特に事業規模に比べて高額な受注品の場合、先行する費用を工面する必要があります。これが、工事つなぎ資金です。このように、支払と回収のサイトのギャップがある場合、つなぎ資金と呼んでいいでしょう。費用の発生時期と代金の回収時期を明確にした上で融資交渉を進めると、銀行側も状況を判断しやすいです。資金繰り表など、収支が1つにまとまった資料を活用して交渉すると良いでしょう。

③ 納税資金

企業は1年間の業績に応じて国に税金を支払いますね。通常なら利益が出ているはずなので、税金の支払いも容易に捉えがちです。しかし、納税は年間分をまとめて支払わなければならず、また日々の利益を運転資金として利用してしまっている場合もあります。そこで、納税のための資金を融資で賄う場合があります。納税のための資金を融資してもらえることに、疑いを感じる方も多いでしょう。しかし、実は納税のための短期融資は融資依頼として比較的多い案件です。イメージとしては「銀行の助けを借りて、税金を分割払いする」といった利用方法です。このような納税資金の融資は期限一括返済ではなく、半年毎の約定返済付融資の場合が多いのが特徴です。これは中間納税の仕組みに沿ったもので、次の税金の支払いまでに銀行への返済を終えておくためです。

ここで1点注意したいのが、納税と言っても消費税の納税には短期融資を受けられないということです。消費税は本来、取引先が払うはずのものを売り先が預かっているという性質の税金です。そのため、消費税の納税資金がないということはその分のお金を流用していると見なされてしまうのです。

④ 賞与資金

納税資金と同様に、賞与資金も短期融資が利用できると聞いて驚く方は多いと思います。賞与は一定期間分をまとめて支払わなければならないため、資金繰り上は大きな負担になります。賞与のための資金を毎月積み立てている企業もありますが、中小企業では短期融資に頼る場合もごく普通のことだと言えます。

この賞与資金を利用する場合も注意点があります。一般的に、賞与は夏・冬と年2回支給することが多いです。そのため、賞与資金の返済期間も半年以内になります。また、賞与は利益を社員へ還元するものなので、原則として黒字の企業にしか利用できません。

 

●短期融資を利用するための手段は?

どんな場合に短期融資が利用できるか理解できたでしょうか。次は、短期融資の利用方法を説明します。ここでは、一般的に利用されている2つの方法を簡単に紹介します。

① 当座貸越

当座貸越とは、予め決められた限度枠内であれば好きな時に借入したり返済したりできる仕組みです。短期融資の利用方法では、1番利便性が高い方法と言えます。1度限度枠を決める契約をすると銀行側から解約することが難しく、企業にとって優位性が高い方法です。そのため、業績が良い企業でなければ銀行も安易には対応してくれません。この仕組みを利用するためには、企業の業績をある程度まで安定化させる必要があるでしょう。逆に言えば、安定した利益を出している企業であれば、短期融資には当座貸越の利用が1番お得になるはずです。

② 手形貸付

短期融資といえば手形貸付を思い浮かべる方は多いと思います。これは、借入日や返済期日を記載した約束手形を銀行に差し入れることで受ける融資方法ですね。契約書などが必要なく、手形1枚で手続きが完了するという点で利便性が高く利用しやすい方法です。従来は現物の約束手形を利用していましたが、電子記録債権の普及によってさらに便利になっています。融資の手続きのために銀行へ出向く手間も省けますし、収入印紙が不要なので出費も減らすことができます。

 

●まとめ

いかがでしたか?今回は、短期融資の利用方法について説明してきました。実際、長期融資の方が資金繰り上の負担は少ないですが、短期的な事情の場合は短期融資の利用をオススメします。必要な事情毎に借入を清算していくことが、企業の財務内容を正常に保つ秘訣でもあるからです。それぞれの事情、それぞれの会社に合った融資方法を検討して、よりよい企業経営を進めていってくださいね。