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意外と簡単?!制度融資の仕組みを理解しよう!

融資知恵袋

 

● はじめに

制度融資、という単語はご存知でしょうか。聞いたことがないという方もいるかもしれませんし、これから起業を考えている方であれば聞き覚えのある言葉かもしれませんね。制度融資とは、地方自治体が設けている融資制度のことです。とは言っても、地方自治体がお金を貸してくれるわけではなく貸すのは金融機関です。おっと、ここでもう複雑な仕組みだと思われた貴方!安心してください、実はそんなに難解な仕組みではありません。

というわけで、今回は制度融資について分かりやすく説明していきます。聞いたこともない融資方法だからといって、知らないままだと損をしてしまうかも?!ぜひ最後までお付き合いください。

 

 

● 制度融資とは?

まずは、どういう仕組みの融資方法なのかサクッと説明しましょう。制度融資とは、都道府県や市町村といった自治体が、その地域に所在地を置く中小企業に対して行う融資の斡旋のことを指します。自治体側では、融資の資金源となる預託金を金融機関に預けます。それにより、本来は金融機関で融資を受けにくいような起業間もない会社でも融資が可能になる仕組みです。また、この制度では自治体と金融機関の他に、信用保証協会が連携しています。自治体からの預託金に加えて、信用保証協会が融資の保証人の役割をしてくれるため、融資のハードルがより低くなっているのです。

 

● 制度融資のメリット

制度融資の仕組みを把握した上で、ここからは融資制度を利用するメリットとデメリットを紹介していきます。まずは、メリットを3つ紹介しましょう。

① 融資審査のハードルが低い

起業したばかりの企業や業績に不安のある企業に対しては、金融機関が貸倒れリスクを懸念して融資をしてくれないことが多いです。しかし、先述した通り自治体からの預託金や信用保証協会の保証があることで、そのような企業でも融資を提供してくれやすくなっています。

② 利息(または保証料)が安い

元々、金融機関では融資が受けられないような企業の支援を目的としているので、制度融資の利息はそんなに高くなりません。しかし、自治体によっては利息の一部を負担してくれたり、信用保証協会へ支払う保証料を負担してくれたりする場合もあります。本来、その融資金額を借りると金利が3%程度であるところを、実質1%台で借りることもできます。利息や保証料の補てんがあるかは自治体によって異なります。しかし、金利が低いとされる日本政策金融公庫の融資よりも金銭的負担が少なく借りられることは間違いないでしょう。

③ 据置期間がある

据置期間とは、融資の元本の支払はせず利息のみ支払う期間のことです。制度融資には必ずといっていいほどこの期間が設定されており、その期間は概ね1年間です。融資を受けてから事業が軌道に乗るまでは資金繰りが厳しい状態が続くでしょうから、据置期間があることは大きなメリットと言えます。

 

● 制度融資のデメリット

続いて、制度融資を利用する際のデメリットをご紹介します。デメリットとされるのは、主に2点です。

① 融資実行までの期間が長い

金融機関で融資を受けると、大体申し込みから1カ月後には融資が実行されます。しかし、制度融資を利用した場合は2~3ヵ月かかると見積もっておくといいでしょう。長期間かかる理由は、申し込みから実行までの流れにあります。おおよその流れは次の通りです。

  1. まずは自治体へ斡旋の申し込みをする→【自治体の審査】
  2. 自治体の審査を通ると、金融機関宛ての紹介状を貰い提出→【金融機関の審査】
  3. 金融機関から信用保証協会へ保証申し込みがされ、申し込んだ人は後に信用保証協会と面談→【信用保証協会の審査】
  4. 面談の結果、保証の許可が下りれば金融機関から融資が実行される

このように、自治体、信用保証協会、金融機関と3者の審査を経なければならないことが、融資実行までの長期化の理由です。また、融資を受ける側も3者に対する必要書類の準備があるため、手間と時間がかかります。

② 自治体ごとに制度の内容が異なる

制度融資が利用できるのは、会社の所在地がある自治体の設けているものだけです。例えば大阪府大阪市に所在地のある会社は、「大阪府」もしくは「大阪市」の制度融資しか利用できません。そのため、希望する条件というよりは予め定められた条件に拘束されるということになります。

この2点の他にも、税金の滞納歴がないことや、申し込む自治体内での事業活動が一定期間ある等の利用条件は設けられています。その内容も自治体によって異なるので、利用の際はまず商工会議所などで相談するといいでしょう。

 

● 最後に

いかがでしたか?制度融資は、様々な機関が連携することで小さな企業でも融資を受けやすくしてくれています。しかし、自治体によって条件が異なったり、申し込みから実行までの手間と期間がかかったりといったデメリットもあります。もし利用に不安がある場合は専門家である税理士に相談したり、事前に商工会議所に出向いて情報収集するのもお勧めです。メリットが大きい融資方法ではあるので、一般的な金融機関からの融資が難しい方は一度検討されてみてはいかがでしょうか。