株式会社レクリエ財務改善コーチング

高コストから高利益へと企業体質を変えるために必要なこととは

業務改善

企業にとっては無駄なコストをかけていて収益力が低いよりも高い利益を獲得できる体質へと変革させることは極めて重要な経営課題です。しかし高収益体質に変わることは簡単ではありません。本稿では、高コスト体質の原因、高コスト企業の問題点、コストリーダーシップ戦略とは、高コスト体質を改善させる方法、高利益体質となるために必要な施策、高利益体質企業のメリット、高利益体質を維持するためには、などについて詳しく解説します。

1.高コスト体質の原因

高コスト体質とは、企業経営において人件費・事務管理費・設備投資費などの費用負担が日常的に重いため、売上が高い場合でも営業利益・収益が低い、若しくは赤字に陥っているような企業体質をいいます。

つまり、費用負担の割合が高く売上高に占めるコストの割合が高く、せっかく稼いだ利益を食い潰してしまっているような状態にある企業のことを高コスト体質の企業と呼ぶことができます。ただし、特定の時期・期間のみに過大な費用計上をして赤字になっているような企業は高コスト体質とはいいません。恒常的に費用負担が重く収益を確保できないような企業のことを「高コスト体質」の企業と呼んでいます。

(1)間接部門の人件費が高い

高コスト体質になってしまっている理由には複数の原因が考えられますが、多くの企業における高コスト体質の原因として考えられるものが、間接部門における人件費負担の重さです。新興ベンチャー企業などの間接部門は非常にすっきりしていて業務内容もコンパクトにまとめられています。創業して間もないため間接部門として管理すべき項目が少ないということも理由のひとつではありますが、多くの新興ベンチャー企業では最新のIT機器や最先端のITテクノロジーを駆使して効率的に業務を進めているといえます。

具体的な事例をご紹介すると、新興ベンチャー企業における記帳の業務は経理部門が会計ソフトに直接入力して、経理部門の上長や社長は会計ソフトにアクセスすることで会社の業績や資金の金の動向を確認することが可能です。しかし、高コスト体質の会社は、最初に紙の振替伝票を作成して、その伝票を上司が確認して、それから会計ソフトに入力する、といった重複作業が発生している可能性が高いと考えられます。厳密性や過度の正確性を求める、という部分においては正しいかもしれませんが、高コストによる損失とのバランスを考慮すべきです。

(2)相場よりも高い費用を支払っている

次いで、世間の一般的な相場よりも高額な費用を支払っているケースも高コスト体質の原因となります。具体的には、自社で開発した管理ソフトの保守・管理費用が異常に高額なケースをあげることができます。現在では販売管理ソフトや会計ソフトなどは高性能でありながらも低価格な製品が多く販売されています。「経理業務のワークフローやオペレーション内容を変更することは負担である」という理由のみで高額ながらも性能が劣後している自社で開発したソフトを使用し続けるのには問題があります。

(3)いつも同じ購買先を利用している

次に、いつも同じ会社から物品を購入しており購買先が硬直化していることも高コストの原因として考えられます。購買先が硬直化している状態では相場よりも高額な料金を支払っているケースがよく見受けられます。具体的には印刷費を例にあげることができます。例年製作しているチラシ・パンフレットなどを昔から付き合いがある企業に依頼しているような場合に、全く疑問を感じずにいつものように発注しているかもしれませんが、実際には印刷費は最近大きく低下しています。企画やデザインに関する費用はなかなか簡単には下がらないのですが、印刷費そのものは大規模な設備投資などによって費用の低下が顕著になっています。

こうした費用の低下に成功した業者を新たに利用することで余計なコストを削減することが可能になります。取引先を大切にすることは大切ではありますが、単に馴れ合っているような関係のままでは経営を圧迫してしまうリスクがあることを自覚しておくべきです。

2.高コスト企業の問題点・デメリット

単純に考えると、高いコストは企業収益を低下させて競争力を削いでしまうと言われています。昨今のエネルギー価格や小麦などの価格上昇は簡単に販売価格に転嫁して消費者の負担を重くすることが難しくなっています。言い換えると原材料価格やエネルギー価格の上昇が販売価格の上昇に追いつかない状況になっている、ともいえます。

会社に内在している原因による高いコストのみならず、上述したような対外的な要因によるコストの上昇に対しても企業としては対策を考えておく必要があります。高コスト企業の主な問題点としては、以下をあげることができます。

  1. 顧客離れを引き起こしてしまう可能性
  2. 収益力の低下が金融機関などからの評価を厳しくする
  3. 従業員のモチベーション低下
  4. 採用市場における存在感の低迷

(1)顧客離れを引き起こしてしまう可能性

高コスト体質の企業だからといって即座に顧客が離れてしまうようなことはないかもしれませんが、「高コストが引き起こすさまざまな事象が、顧客離れの原因になってしまう可能性がある」という表現が正確かもしれません。上述したように高コスト体質の企業は間接部門の人件費が高い、無駄な経費を支払っている、いつも同じ会社から物品・サービスを購入している、などの状態が続いています。これは本来コストをかけるべき部分に適正な費用が分配されていない、ということです。例えば直接接客を担当している販売部門に対して奨励金を設定できないため顧客サービスの水準が他社に比べて著しく劣っているような状況が生まれかねません。他にも製造部門に品質向上の貢献に対する報奨金制度を取り入れることができないような高コスト体質の場合には、同様に、品質向上に対するモチベーションが上がらず競合他社に比べると品質水準が低い製品しか生産することができず結果的に顧客が離れてしまうケースが想定できます。

(2)収益力の低下が金融機関などからの評価を厳しくする

銀行などの金融機関から融資を受けている場合には会社の業績や財務資料について説明を求められることが一般的です。金融機関はお金を貸していても問題がないかどうか、業績に大きな変化はないか、などについて確認をして融資の継続有無の判断材料にしています。しかし、継続的に高コストの状態が続いている企業に対しては将来的な業績や成長に対する不安・懸念を感じる可能性が高いため、評価が厳しくなってしまうことが予想されます。金融機関としては高コスト体質を改善するためにどのような対策を検討・実施しているのか、実現可能性はどの程度あるのか、といったことも加味して企業を評価します。高コスト体質の状態を放置している場合には評価が大きく低下してしまうかもしれません。

(3)従業員のモチベーション低下

無駄なコストを支払っているために従業員の待遇(給与・賞与・福利厚生など)が一向に上がらない状態が続けば大部分の従業員は仕事に一生懸命に取り組む意欲をなくしてしまうでしょう。高コスト体質が従業員の労働環境・生活環境に悪影響を与えてしまうことは十分に考えられるので、従業員のモチベーション低下という企業経営にとっては致命的なダメージを生じさせてしまうおそれがあります。

(4)採用市場における存在感の低迷

高コスト体質の企業では採用市場における他社との競争に競り負けてしまう可能性があります例えば、新卒採用における初任給の金額設定において高コスト体質の会社は他社ほどの水準の初任給を設定できない可能性があります。また、働いている期間に昇給幅が低ければ採用市場において、そうした情報は広く流布されることになるので、応募者の減少・内定辞退者の増加、といったことも発生します。つまり高コスト体質である限り採用市場におけるプレゼンスは低いままだと考えられるのです。

3.コストリーダーシップ戦略とは

高コスト体質の企業には上述したような問題やデメリットがありますが、こうした点に対応する目的で「コストリーダーシップ戦略」というビジネス戦略が提唱されています。コストリーダーシップ戦略とは、世界的に著名なハーバード大学の経済学者であるマイケル・ポーターによって唱えられました。

(1)コストリーダーシップ戦略の概要

コストリーダーシップ戦略とは、競合する他の企業と比べて安い価格帯で商品・サービスを提供する、もしくは原価を抑制して利益率を大きくさせることによって競争の優位性を確立する戦略のことをいいます。ボリュームディスカウント(大量に生産して単価を安くすること)」や生産工程の効率化(原材料の原価低減・直接仕入れ・人件費や固定費の削減)などの様々なコスト削減を実行することによって他社と同程度の品質の商品・サービスを安く提供できることが可能になります。価格を下げない場合でも原価を下げることによって利益率は向上します。

(2)コストリーダーシップ戦略と単なる安売りとの相違点

コストリーダーシップ戦略 単なる安売り
「コストリーダーシップ戦略」は原価を抑制可能な仕組みを構築・導入したうえで販売価格を下げる、利益率を向上させる、という戦略です。 「単なる安売り」とは、あくまで売価を下げることです。在庫処分のためにセールを実施して一時的に販売価格を下げたり、オープン記念・閉店セールなどで一時的に集客するために利益を度外視して販売価格を下げたり、などの施策は「安売り」です。

(3)コストリーダーシップ戦略と他の戦略の違い

マイケル・ポーターはコストリーダーシップ戦略の他にも差別化戦略・集中戦略という戦略を唱えていますが、これらの戦略のどれかをチョイスすることによって企業は他社に対して競争優位性を確保できる、としています。

概要 市場の規模 原価 販売価格
コストリーダーシップ戦略 競合他社と比べて低価格な商品・サービスを提供する戦略
差別化戦略 高価格で高い付加価値を有する商品・サービスを提供する戦略
集中戦略 ニッチなニーズを充足させる商品・サービスを提供する戦略 低~高 低~高

差別化戦略とは、コストリーダーシップ戦略とは反対の戦略です。高価格でクオリティが高い、希少性が高い商品・サービスを提供する戦略です。高級ブランド・高級レストランなどにおいて差別化戦略を採用しているといえます。

集中戦略とは、小規模のマーケットをターゲットとして集中的に商品・サービスを展開・投下する戦略のことです。多くの人に受けるものを提供するのではなくこと、ニッチなニーズを満足させるものを提供することで独自性の高いマーケットを開拓・確保する戦略です。

(4)コストリーダーシップ戦略に必要な要素

  • 生産規模の大きさ
  • 経験値の優位性
  • 技術の優位性
  • シンプルな組織構造
  • コストリーダーシップ戦略の社内共有

低コストを実現するために必要な要素としては、生産の規模を大きくすること、があります。生産規模を拡大することで生産量を増大させれば、単位あたりコストの低減を企図することが可能になります。そして、工場・機械設備などのビジネス全体に関連している固定費を効率化することも狙うことができます。

次いで、経験値の優位性があることも重要なポイントになります。生産の規模を拡大することで従業員の作業を分担することが可能になります。加えて、従業員の専門化が可能になれば作業の効率アップにもつながるでしょう。作業プロセスを効率化することによって生産性も向上してコスト面での優位性を確保できるのです。

次に、生産規模を拡大する場合には、設備投資・組織改善などに費用がかかってしまいます。生産規模の拡大にあまり費用をかけることができない中小企業のようなケースでも、高品質・良質なサービス・製品をつくることが可能な卓越した技術力を保有していれば低コストを実現することは可能でしょう。

次いで、組織構造がシンプルな企業であれば、指示命令系統が非常にわかりやすくなっているはずです。本社のスタッフは数人程度にとどめておいて、少ないレイヤー(階層)でのレポート・システム(報告構造)を構築することを推奨します。

最後に、コストリーダーシップ戦略を実施するためには社内における情報の共有・連携が必要になります。経営層のみならず会社全体でどういった取り組みを実行するのか、目的・方針を共有して推進することが大切です。

5.コストリーダーシップ戦略のメリットと注意点

コストリーダーシップ戦略の実行には、顧客に選好されやすくなる、利益率がアップする、というメリットが考えられます。

販売価格が安いという点は顧客にとっては大きな魅力です。良質な商品・サービスを安く購入したい、とは誰しもが考えることなので、安い販売価格は重要な判断材料となるはずです。コストリーダーシップ戦略を実施して販売価格を競合他社よりも抑制することができれば、集客のアップも見込むことができます。

また、利益率のアップを期待することも可能です。例えば、原価90円の商品を100円で販売しているようなケースでは利益率は10%になります。この商品を現在よりも安価な材料に変更して原価を80円に抑えることが可能になれば、利益率は20%と今よりも10%増大させることが可能になります。

一方で、コストリーダーシップ戦略を推進する場合にはリスクもあることは理解しておく必要があります。販売価格を引き下げることによって競合他社が追随して値下げを実施することで、価格競争・過当競争の状態にまで発展してしまう可能性が考えられます。販売価格を下げ過ぎたため利益を確保することができなくなってしまい、値上げすることもできない、という状況に陥ってしまうケースも想定できるのです。

そして、過度にコストリーダーシップ戦略を推進することで極端に価格を抑制したり品質を悪化させてしまったりすることによって、安っぽい、安かろう・悪かろう、などというあまりよくない企業イメージが定着してしまうおそれも考えられるでしょう。行き過ぎたコストリーダーシップ戦略は自社の首を絞めることにもなりかねない、ということは肝に銘じておくべきです。

6.高コスト体質を改善させる方法

高コスト体質の企業はどのような施策を実行して体質改善を図ればよいのでしょうか。高コスト体質の改善は言い換えれば財務体質の改善ともいえます。企業が財務体質を改善して筋肉質の企業に生まれ変わるためには、現在の自社の財務体質の課題を客観的に把握して、効果的な改善手法の導入・実施が可能であることが必要になります。

【財務体質改善のポイント】

  1. 活動基準原価計算(ABC)を用いてコストを把握する
  2. 「ダラリの法則」でコスト削減対象を発見する
  3. コスト削減による従業員のモチベーションや士気の低下には十分注意する

(1)活動基準原価計算(ABC)を用いてコストを把握する

企業がコスト削減を検討する場合には、その前提条件として「どの業務にどのくらいのコストが必要になっているのか、そうしたコストは適正なのか」などを明確にすることが必要です。コストに関しては、直接コストは管理できていたとしても間接コストまで可視化できていない企業が多いと考えられます。間接コストの把握・管理を実施するための方法としては活動基準原価計算(ABC、Activity Based Costing)があります。

間接コストは、売上高・生産数量などに基づいて製品・サービスに按分する場合が多いと考えられます。しかしこうした按分方法では製品・サービス別の正確な間接コストを把握することができません。こうした方法に対して活動基準原価計算では製品・サービスごとに間接コストを可能な限り正確に計算することが可能です。

具体的には、活動基準原価計算においては間接コストをアクティビティ(活動)単位に分割します。それぞれのアクティビティがどれくらいの資源(リソース)を消費するのかを、「資源ドライバー」において設定します。これでアクティビティ単位のコストを計算することが可能になります。加えて、製品・サービスがアクティビティをどのくらい使用するのか、を、「アクティビティ・ドライバー」において設定します。こうした手法によって製品・サービス単位におけるそれぞれの間接コストをより正確に算出することが可能になるのです。

実際の事業活動は、営業・製造・販売など広範な領域にわたっています。すべての活動に対して活動基準原価計算を導入すると、各業務を細分化してコストを算出するためには非常に手間と時間が必要なので、途中で導入を諦めてしまう(頓挫してしまう)可能性もあります。

したがって、目標を達成するためには必要な分野から着手することが重要です。活動基準原価計算の導入・推進の際には、現場だけでなく、総務部・経理部・人事部などの間接部門から人選して、リーダーや分析担当者などで構成されるプロジェクトチームを編成して臨むことも大切になります。

(2)「ダラリの法則」でコスト削減対象を発見する

現場でコスト改善を実行するためにはムダ・ムラ・ムリを発見して改善していくことが重要なポイントになります。このムダ・ムラ・ムリ」は下表のように定義することが可能です。

ムダ 時間・労力・経費などを本来は必要ないものに利用している状態のことです。
以前から習慣として行っている作業などは、本当に意味があるのかどうかを検証すると、現在では必要なかったりIT対応することによって改善できる余地があったり、する可能性があります。
ムラ ムダとムリがばらつきながら生じているような状態のことです。
気分・体調などによるムラも存在しますが、マニュアル化や標準化などが実行されていないために、同じような作業であっても人によってアウトプットの質や量にバラツキがないかどうか、を確認します。
ムリ 目標の達成に必要となる時間・労力・経費などが足りていない状態のことです。
ムリが発生している場合には、生産性の低下などのデメリットにつながってしまう可能性があります。

上記のムダ・ムラ・ムリの語尾を取って、コスト改善のポイントのことを「ダラリの法則」と呼んでいます。「ダラリの法則」の視点を意識したうえで現場を見直すことによって改善すべきポイントが見えてくるはずです。

顕在化したムダ・ムラ・ムリを解消するためには、止める・減らす・変えるという視点で考えることが必要になります。例えば、販売管理費のコスト削減について説明します。止める、とは、改善対象となっている事業活動における費用の発生要因となる活動そのものを中止することです。具体的には、新聞図書費の場合には雑誌購入を中止することなどを検討します。

減らす、とは止めることが難しい事業活動などについては回数など減らすです。例えば、会議の実施はは重要な事業活動なのでゼロにすることはできません。しかし、毎週開催している会議を隔週に減らすことによって会議の開催に必要な支出費用を削減することは可能です。そして、変えるは、よりコストを要しない方法などに変更することです。具体的には、地代家賃であれば、より安い物件に借り換えを行う実行する方法などが考えられます。

(3)コスト削減による従業員のモチベーションや士気の低下には十分注意する

現状を改善するためのコスト削減を推進するためには、多かれ少なかれ痛みが伴います。したがって、現場において不平不満の声があがることは容易に想像することができます。従業員の勤労意欲やモチベーションが低下してしまうことも起きるかもしれません。

したがって、強権的・強制的に一律のコスト削減を実行することは得策ではありません。それぞれの部門におけるコスト削減で発生する負担が均一化できるように配慮する必要があります。自分が所属している部門だけが無理を強制されている、という不満を生じさせないためです。

コスト削減の際には、財務諸表(中でも、損益計算書)や事業計画における定量的な目標値を細分化・事業部単位化・月次単位化することで、実績数値を算出して従業員にも自社の実態を把握・認識してもらう方法も有用かつ有効な手段です。上記のような目標値の裏付けを踏まえることでコスト削減を一緒に推進することが可能になるでしょう。

経営者は従業員に対して、設定目標がフェアであり、設定された目標値には根拠がきちんとあることを数値で示したうえで、得するまで説明することが必要になると考えられます。

7.高コスト体質を改善させる手順

高コスト体質を改善させる手順は下表の通りです。

(1)手順1:コストを「見える化」する

高コストの改善に取り組む場合に最初に実施すべきことは「コストの「見える化」」になります。コストを様々な考え方に則って整理していくことによって、どこに・どのくらいのコスト削減の余地があるのかをみえる化(可視化)します。

一般的には「見える化」する場合の推奨法は、何を・どこから・誰のために調達しているのかを把握・認識するものです。企業内におけるコストの種類やサプライヤー・支出元の部門・部署を特定することによって、それぞれのコストの内訳や、どこの部分で無駄なコストが生じているのか、といったことを特定することが可能になります。

(2)手順2:目標を設定する

自社のコストの内訳が判明したら、次はコスト削減を実行するあたって目標を設定します。明確な目標を設定して、達成に至るまでのプロセスの進捗を管理することによって、目標に対する現在の立ち位置(現状)をモニタリングすることが可能になります。モニタリングの実行によって目標に対する進捗の度合いに応じたコスト削減の施策を実行することができるようになるのです。

目標設定をする場合には最初に、コスト(費目)別に、取り組みやすさ・削減の余地などを試算しておき、総合的に判断します。そして、取り組むことが容易で削減の余地が大きいものから優先的にリストアップをします。

リストアップの結果から、コストを削減・軽減することで得られる具体的な削減額を目標として設定することが可能になります。その結果、自社内のリソースを利用して最大限の効果を生み出せる具体的な目標値を設定することができるはずです。

(3)手順3:改善施策を実行する

手順1と手順2で取り組むべき対象の費目と削減の具体的な目標値が決定したら、いよいよ施策を実行します。コストの削減策は、大別すると、サプライヤー・マネジメントとユーザー・マネジメントに分類することが可能です。サプライヤー・マネジメントとは、取引企業に働きかけて契約の状況を見直す手法のことです。具体的には、価格交渉などが該当します。

ユーザー・マネジメントとは、社内に働きかけて、コストの使いすぎを是正・依頼する方法のことです。具体的には、自社コストの支払い状況の無駄を取り除くことや分散している発注の状態を是正することなどが該当します。

(4)手順4:モニタリングと評価の実施

コスト削減の施策を実行するのみでは削減の効果が発揮できているかどうかがよくわかりません。削減策の実施をスタートさせたら定期的にコスト状況をモニタリング(監視)して、進捗の状況を確認することが必要です。モニタリングの実施により、万が一問題が発生したような場合でも早急に対応することが可能になり、リバウンドを防止することもできます。

また、コストの削減効果に対してちゃんと評価することが可能な社内システムを構築することも大切です。コストの削減プロジェクトに対しては社内に評価基準のイメージを持っていないような人もいる可能性があります。したがって、コスト削減の担当者に対して評価基準を伝達し、目標を達成した場合には正しく公正に評価・表彰することで会社全体でのコスト削減に対する取り組み方が大きく変わるでしょう。評価システムの構築。導入・運用によって継続的かつ最適なコストの状態を作り出すことが可能になるでしょう。

まとめ

高コスト体質の企業は高コストのせいで競合他社との競争に敗れてしまう可能性が非常に高くなります。単純にコストが低ければよいというものではありませんが、コストを抑制して収益力を強化することで筋肉質な財務体質へと会社を生まれ変わらせることができます。必要なコストまで削減してしまうようなコストの見直しはかえって会社の体力を奪ってしまうことがあります。この記事でご紹介した「ダラリの法則」を踏まえて改善対象を見つけて、コスト改善の手順に則って施策を実行することが重要です。

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監修
株式会社レクリエ / 公認会計士・税理士
沢田慎次郎

お金の流れを変えて、未来を創造する専門家。決算書や申告書から企業のお金に関する問題を洗い出し、財務改善・利益改善に活かすことを得意とする。
様々な規模・業種のクラアントをサポートしてきた経験と豊富な知識を活かし、調達再編スキームの構築や融資交渉サポートなども手掛ける。

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