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労働保険料とは?加入条件や保険料の決め方を徹底解剖

労働保険の加入条件と保険料をイメージする画像 社会保険

労働保険とはどのような保険なのでしょうか。労働保険について説明をしたうえで、労働保険への加入条件、労働保険料の決め方、などについても詳しく解説します。

 

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1.労働保険とは

労働保険とは、社会保険に含まれている保険の種類で、具体的には、雇用保険と労災保険の2種類があります。両方とも厚生労働省が窓口になっていますが、担当窓口はそれぞれ異なっています。

(1)雇用保険

雇用保険とは、仕事を失ってしまった人に対して失業保険金を給付したり、再就職の支援を行ったりする(教育給付金など)公的な保険のことです。窓口はハローワークになります。雇用保険は正社員やアルバイトなどの雇用形態に関係なく、一定の条件にあてはまれば必ず加入しなければなりません。

また、雇用保険料は、事業所と従業員がそれぞれの比率で応分負担をすることになっています。給付を受ける条件や、給付を受けるまでの日数は、年齢や離職理由などによって異なっており、具体的には下表を参照してください。

 

特定受給資格者*及び一部の特定理由離職者*の所定給付日数>

被保険者

 であった

   期間

区分

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上

35歳未満

120日

180日

210日

240日

35歳以上

45歳未満

150日

 

240日

270日

 

45歳以上

60歳未満

180日

240日間

270日間

330日間

60歳以上

65歳未満

150日間

180日間

210日

240日

 

特定受給資格者とは、勤務していた会社の倒産、リストラ、解雇、などにより職を失った人のことです。また、特定理由離職者とは、期間を定めた労働契約の期間満了後に更新されなかった人や健康上の問題、妊娠、育児、住所変更、などの理由で働き続けることが難しくなり離職した人を言います。

 

<就職困難者の所定給付日数>

被保険者

 であった

   期間

区分

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

45歳未満

150日

300日

45歳以上

65歳未満

360日

 

<上記2つ以外の離職者の所定給付日数>

被保険者

 であった

   期間

区分

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

全ての年齢

90日

120日

150日間

(2)労災保険

労災保険とは、通勤途中や仕事中に怪我をしたり病気になってしまった時に医療費などを補償する公的保険のことです。つまり、労働災害によって働けない場合に、生活費や治療費に困ることがないように保険給付を行う保険なのです。

労災保険の保険給付金には以下のようなものがあります。

・療養補償給付 :怪我や病気の治療を行った際に支払われる

・休業補償給付 :怪我や病気の療養のために休業した場合に支払われる

・傷病補償年金 :療養しても治癒しない場合に給付される

・障害補償給付 :障がいが残った場合に給付される

・介護補償給付 :介護が必要になった際に給付される

・遺族補償給付、遺族補償年金、葬祭料 :穂保険者が死亡した際に給付される

:二次健康診断等給付 :脳や心臓に異常が生じた場合に給付される

 

2.労働保険への加入

(1)雇用保険

①事業所の加入条件

従業員を一人でも雇用している事業所は、雇用保険法により、雇用保険適用事業所となります。事業主は、加入条件を満たす従業員を、従業員の生活を守るために、雇用保険に加入させる必要があります。

②正社員の加入条件

雇用保険の適用事業所で働く正規雇用の従業員(役員などを除く一般社員)は、全員が雇用保険に加入する必要があります。また、一般社員の場合は、雇用保険の加入と雇用契約書の有無は関係ありません(雇用契約書がなくても加入は必須)。

もし試用期間中であったとしても、報酬を支払っていれば雇用保険の加入対象です。ただし、個人経営の農林水産業の場合で、従業員が常時5人未満であれば、「暫定任意適用事業」という例外にあたるので、雇用保険への加入は任意となっています。

③パート、アルバイト従業員、派遣社員、(非正規雇用者)の加入条件

雇用保険に加入することが可能な非正規雇用者は、1週間あたりの所定労働時間が20時間以上で、31日以上継続して雇用される見込みがある者、とされています。また、雇用期間が特に決定していないケースや、雇用契約を更新して31日以上継続して働くことが可能な場合は、(当初の雇用契約では31日未満だった雇用契約が期間延長で31日以上になった場合なども含めて)、雇用保険への加入が必要となります。

④季節労働者の加入条件

季節によって左右されるような仕事に従事する人で、1年のうち4ヵ月以上の雇用契約を締結していて、1週間あたりの所定労働時間が30時間以上の人は雇用保険の、短期雇用特例被保険者、となります。短期雇用特例被保険者が失業した場合は基本手当(失業手当)ではなく、特例一時金、という給付金が受け取ることができます。

⑤日雇労働者の加入条件

1日単位の単発の仕事に従事する人や、雇用期間が30日以内の人が、雇用保険の適用事業所に雇われた場合は、自動的に加入条件が満たされることになるので、加入手続きを行うと、日雇労働被保険者、となります。

なお、日雇でも同じ事業主の下で31日以上継続して勤務している場合や、2ヵ月継続して18日以上働いているような場合は、一般社員と同様に、一般被保険者として雇用保険に加入することになります(ただし、公共職業安定所長の認可があれば、日雇労働被保険者としての立場を継続することもできます)。

(2)労災保険

労災保険に加入することができるのは、正社員、パート、アルバイト、日雇、など労働や雇用の形態に関わらず、全ての労働者が加入可能となっています。また、派遣労働者にも労災保険が適用されますし、派遣労働者の場合には派遣元の事業所が加入労災保険に加入しなければいけません。

その一方で、請負契約で仕事をしている人や取締役などの役員は労災保険に加入することができません。ただし、役員だったとしても、代表者の下で仕事に従事してその賃金を受け取っているような場合(実態としては他の一般従業員と同じ)は労災保険の対象となります。

 

3.労働保険料 

(1)雇用保険料

雇用保険料は、「雇用保険料=雇用保険対象従業員の賃金総額×雇用保険料率」という計算式で算出されます。また、雇用保険の保険料率は事業によって異なっています。下表を参照して下さい。

<平成31年度の雇用保険料率>

    負担者

 

 

事業

①労働者

負担(失業等給付の保険料率のみ)

②事業主負担

 

 

①+②

雇用

保険料率

 

 

失業給付の保険料率

雇用保険

二事業の保険料率

一般の事業

3/1,000

6/1,000

3/1,000

3/1,000

9/1,000

農林水産・

清酒製造の事業*

4/1,000

7/1,000

4/1,000

3/1,000

11/1,000

建設の事業

4/1,000

8/1,000

4/1,000

4/1,000

12/1,000

*園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖および特定の船員を雇用する

事業については一般の事業の率が適用されます。

 

(出典:厚生労働省HPより「平成31年度の雇用保険料率について」https://www.mhlw.go.jp/content/000484772.pdf

(2)労災保険料

労災保険料は、「労災保険料=労災保険対象従業員の賃金総額×労災保険料率」という計算式で算出されます。また、労災保険の保険料率も事業によって異なっています。下表を参照して下さい。

<平成31年度の労災保険料率(抜粋)>

業種

労災保険料率

林業

60

原油又は天然ガス鉱業

2.5

採石業

49

金融業、保険業又は不動産業

2.5

交通運輸事業

4

建築事業

9.5

卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業

3

ビルメンテナンス業

5.5

農業又は海面漁業以外の漁業

13

 

(出典:厚生労働省HPより「労災保険率及び第1種特別加入保険料率」https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11401000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Rousaikanrika/0000188912.pdf

 

まとめ

労働保険は、通勤途中や業務上の怪我や病気で働けなくなった時に生活費や医療費を給付してくれる、いざという時に助けになる公的保険制度の一つです。事業主として従業員を加入させることは、会社経営者としての義務であり責任であると考えられます。