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保証協会って何?保証協会付きの融資ってどんな融資?

融資知恵袋

 

中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受ける際は、信用保証協会付きの融資となることが多いです。信用保証協会という名称はあまり聞きなれないかもしれませんが、簡単言うとは公的な保証人です。債務者の行っている事業がうまくいかず、経営状況が悪化して、返済が困難になった場合に、信用保証協会が債務者の融資残高を代わりに金融機関へ支払ってくれます。以前は金融機関は担保や保証人付きの融資を行ってきましたが、最近では、金融庁からの指導もあり、出来るだけ担保や保証人をとらない融資を増やしています。

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1. 保証協会、金融機関、債務者の関係性

保証協会を利用しない場合、金融機関は債務者にお金を融資し、債務者は金融機関へ利息を支払い、借入の元本を返済します。債務者が返済不能(債務不履行)となった場合は、金融機関は融資したお金を回収することが出来ない可能性が高いです。

一方で、保証協会を利用する場合、金融機関と債務者の関係は変わりません。ただ、債務者は保証協会と保証契約を結びます。この保証契約を結ぶために保証協会で保証可能かどうかの審査が事前に行われます。保証契約が成立すると、債務者は保証協会へ保証料の支払いを行います。この保証料も債務者の信用度によって異なります。たいていの場合は0.35%~1.50%程度となります。この利率は融資残高に対してかかり、借入期間が長いほど、保証料も高くなります。

よく勘違いをする方が多いのですが、保証協会は債務者が返済不可能になった時に、融資残高を債務者のかわりに金融機関へ支払います。保証をしてもらえるからといって債務者の借入がなくなるわけではありません。保証協会が金融機関へ融資残高を支払うことを代位弁済といいます。代位弁済を行ってもらった後は、債務者は金融機関ではなく、保証協会へ融資残高を返済する必要があります。また、代位弁済をしてしまうと、今後、金融機関から新規の融資を受けることは非常に難しくなります。

 

2. 金融機関が保証協会付きを推進する理由

金融機関は一般の方から預金を集めて、そのお金を融資して、金利での収入を得ていますが、最近では、融資の金利は非常に低く、収益性が大幅に低下しています。そのような中で、融資先が返済不可能となってしまった場合、金融機関に与える損失は非常に大きいです。そこで、保証協会付きの融資を増やすことで、債務者が返済が出来ないような状況になった時でも、金融機関は保証協会から代わりに返済をしてもらうことができ、融資のリスクが低減します。保証協会の保証料は債務者の負担となりますので、金融機関は特に損をしません。(厳密には返済不可能となった融資のお金の全額を保証協会は支払ってくれません。多くの場合は融資残高の80から90%程度の支払となります。)以上の理由から金融機関は保証協会付きの融資を積極的に推進しています。

 

3. 債務者にとっての信用保証協会の利用はメリットがあるのか

上記の通り、金融機関が保証協会を利用することは、リスクの低減につながり、非常にメリットがあります。では、借りる方からすると保証協会の利用はメリットがあるのでしょうか?

信用保証協会を利用することでのメリットは、金融機関からの融資を受けやすくなります。信用保証協会を利用することで、金融機関は融資リスクが低減し、融資を行いやすくなります。また、金融機関は担保や保証人をとる必要がなくなります。(信用保証協会利用の融資の場合も、会社名義の申込の場合はその会社の代表者が連帯保証人となる必要があります。)

一方で、デメリットとしては、保証料が発生することです。金融機関が単独で行う融資(プロパー融資)の場合は、融資を受けることで発生する費用は利息の支払のみです。しかし、信用保証協会を利用することで、信用保証料の支払いが発生します。この費用はすべて債務者の負担となります。一般的に事業者向けの融資は金利が1%前半から2%後半程度のものが多いです。保証協会の保証料は1%前後が大半ですので、支払う利息の1/2程度の費用が余計に発生してしまいます。この保証料は、通常、前払いとなります。金融機関が融資を実行すると、債務者の口座にお金が振り込まれます。保証料が発生する場合は、融資を実行して、債務者の口座に振り込まれたと同時に保証料が引かれます。例えば、100万円を保証協会付きの融資で借入をした場合、保証料が5万円だったとすると、100万円が口座に入ってきたと同時に保証料の5万円が引き落とされます。口座には95万円が残る状況となります。

 

4. 信用保証協会の保証審査について

信用保証協会付きの融資を利用する場合、信用保証協会の保証審査を行う必要があります。金融機関の審査は融資窓口や融資希望者の会社で面談等や決算書等の書類を見て行われるのが一般的です。一方で、信用保証協会の保証審査については、融資の希望者と直接面談するケースはあまり多くありません。(面談するケースももちろんあります。)信用保証協会付きの融資を行う場合、実質的に融資の可否を決めているのは信用保証協会です。信用保証協会が保証可能と判断した場合は金融機関の融資審査もほぼ通過します。一方で、信用保証協会が保証不可と判断した場合は、金融機関の融資審査も難しくなります。(場合によっては、金融機関単独での融資で、金利が高い条件で実行されます。)つまり、信用保証協会がOKといえば、金融機関もOKということです。

信用保証協会の審査は金融機関が融資申込者からもらった決算書や試算表を基に行われます。審査期間はさまざまですが、早ければ、2,3日、遅くても2週間以内には金融機関へ保証可否の連絡が来ます。保証可能となった場合には、次に金融機関内での融資審査が行われますが、これは形式的なものが多いです。(信用保証協会がOKなら金融機関での審査もOKであるため)金融機関単独の融資と比べると、信用保証協会が関わるため、書類等のやりとりも発生し、融資実行までに時間がかかります。また、申込書や契約書等の書類関係も多くなります。

 

5. 信用保証協会を利用しない融資(プロパー融)を行う先はどのような先か

信用保証協会を利用しない融資を行う際に、その融資先は大きく2つに分かれます。

① 信用度が非常に高い先

要するに優良先です。業績が非常によく、財務基盤も安定しており、返済できなくなる心配がない先です。保証協会の保証を付けなくても、融資のリスクが低い先については、無駄な保証料を支払いたくないので、プロパー融資が中心となります。優良先については、金融機関がお願いをして借りてもらうケースや、複数の金融機関で融資の取り合いを行うことも多く、金利競争になることも多いです。その際に、信用保証協会付きにしてしまうと、融資自体を利用してもらえないことが多く、プロパー融資が基本となります。

② 信用度が非常に低い先

信用保証協会の保証審査に通らないような、業績が悪い先です。このような先は、金融機関が単独で融資を行うしかなく、担保や保証人をとる場合もあります。金利についてもリスクが高くなる分、通常よりも高い金利での融資が一般的となります。

 

信用保証協会は利用するべきか否か まとめ

結論からいうと、金融機関から担保や保証人がなくても融資が受けられる場合は、信用保証協会を利用する必要は全くありません。基本的に保証料は発生しない方がいいので、いい条件で金融機関から融資を受けられる場合は、保証協会を利用するメリットはありません。 

ただ、金融機関が信用保証協会付きを融資条件とした場合は、金融機関の単独での融資は難しいと判断されているので、信用保証協会付きの融資を申し込まなくてはいけません。つまり、信用保証協会を利用しなくても融資が受けられる場合は利用する必要ありませんが、信用保証協会を利用しないと融資が難しい場合は利用せざるを得ないということです。