●はじめに
銀行から融資を受けたいが、何をどうしたらいいか分からないという方は必見です!この記事では、銀行融資の仕組みと銀行内から見た融資選択の注意点を紹介します。融資について知識のない方はもちろん、知識はあるけれど仕組みを説明できるか自信がない方まで、分かりやすく説明していきます。ここで紹介したことを覚えておけば、融資の交渉をする際にきっと役に立つはずです!では、早速はじめましょう。
●銀行融資の仕組み
まずは、仕組みについて理解しておきましょう。銀行の融資には、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、銀行と直接契約して行うプロパー融資。もうひとつは、信用保証協会という機関に保証人となってもらうことで銀行から融資を得る保証付き融資です。では、それぞれ簡単に説明していきます。
① プロパー融資
プロパー融資では、銀行と企業が直接契約してお金を貸し借りします。融資を受けたい事情が出来た時、何のためにいくら必要なのかを説明することで、契約を進めていきます。まずは過去3期分の決算書を提出し、その企業の経営状態やお金の使い方から融資の返済が見込めるかどうか審査されます。審査の材料は書類上の業績だけでなく、経営者とコミュニケーションをとることで融資返済の意思確認をしていることもあります。
② 保証付き融資
保証付き融資の「保証」とは、信用保証協会の「保証」を指します。起業したての事業者や利益があまり出せていない企業は、貸倒れリスクが高いと判断され銀行がお金を貸したがりません。しかし、それでは多くの企業が融資を受けられなくなってしまいます。その問題を解消するために公的に設置されたのが、信用保証協会です。個人で売買契約をする際に「保証人」が必要な場合がありますね。企業の場合、人ではなく信用保証協会という機関を利用することができます。信用保証協会に「保証人」になってもらうことで、万が一融資を返済できなくなった場合、信用保証協会が弁済してくれます。それによって貸し倒れリスクが軽くなり、銀行がお金を貸してくれるようになるのです。
●銀行の融資を理解するポイント
2つの融資について、なんとなく理解はできたでしょうか。続いて、2つを比較しながらそれぞれの特徴や利用のメリット・デメリットを紹介します。銀行の融資を理解する上で欠かせないのが、融資を受けるのにかかる費用と手間です。この費用と手間という点に注目して説明していきます。
① 融資を受ける時にかかる費用
融資を受ける際にかかる費用と聞いて、1番に思い浮かぶのは利息でしょう。プロパー融資でも保証付き融資でも、利息は払わなければいけません。しかし、大きく違うのは保証付き融資の場合、信用保証協会へ保証料を支払う必要があるということです。プロパー融資を受けるための審査は厳しく、希望した額を融資してもらえないことも多々あります。そんな時、銀行側から保証協会を利用すれば希望額を借りられる、と勧められることもあるでしょう。こんな時、経営者の方には「希望額をどうしても借りたいから、保証協会を利用しよう」とすぐに決めないでいただきたいのです。
ここからは、銀行側から見たどちらの融資を選ぶか考える際の注意点について少しお話します。もし、プロパー融資で希望額を借りられず、保証付き融資を視野に入れた場合は、希望額を減額してプロパー融資を依頼する方が賢明です。もちろん、減額しても融資を受けられない場合もあるでしょう。融資を全く受けられないのは苦しいですが、保証付き融資では利息の支払いに加えて、保証料の支払いが必要です。この2つの費用の支払が、経営を圧迫する要因になっていることが実際多いのです。
プロパー融資が困難という理由で保証付き融資を利用する、という方が多いかとは思います。しかし、保証料も利益圧迫の一因です。利益増加が見られた際は、プロパー融資への借り換えを銀行へ相談することを忘れないでください。銀行側も、融資先の利益が減少するよりはコスト削減して融資を受け続けてくれた方が良い見方をしてくれます。また、手続きは面倒だとしてもプロパー融資への借り換え交渉は経営手腕の見せ所にもなりますよ。
② 融資契約を結ぶまでの手間
先に、プロパー融資のところで「過去3期分の決算書を提出」すると説明しました。実はこの決算書の他に、全部履歴事項証明書など公的な書類をいくつか提出する必要があります。業績が絶好調でない限り、プロパー融資の審査基準は厳しめになります。そのため融資審査で有利に働くよう、キャッシュフロー計算書など経営状況が理解しやすくなる書類を添付する方も多いです。また、信用保証協会を利用する場合、銀行への提出物とは別に保証申込書や印鑑証明などを提出する必要があります。これらの書類作成にかかる時間を考えると、多かれ少なかれ数日~数週間の事前準備が必要と言えます。特に保証付き融資の場合は、プロパー融資と同様の提出物に加えて保証協会向けの書類作成が必要なため、時間を要します。
書類作成の手間はマイナス部分が強いのですが、大きくプラスになる手間があります。それは、担保です。所有する不動産や預金を担保にすると、もし返済ができなくなってもその担保の価値分は弁済に充てられるので、銀行も貸しやすくなります。今まで担保を提供したことがないと不安かもしれませんが、自身の定期預金や自宅などを見直してみましょう。銀行へ担保にできそうなものがないか相談してみると、見つけ方のコツを教えてくれるかもしれません。何より、銀行への積極的な相談は返済意思のアピールにもなります。
書類作成に比べて、担保を使った交渉は面倒に感じる方もいらっしゃいます。しかし、決算書の内容等が変えられない分、こちらの姿勢を見てもらうことで銀行の態度も変わってきます。もちろん担保になるものがなければいけませんが、担保提供の意思を伝えるだけでも違ってくるはずなので試してみてください。
●最後に
いかがでしたか?今回は、あまり難しい言葉を使わずに銀行融資について説明してみました。借りる時のコツや注意点など、参考にしていただけたら幸いです。