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工程管理とは?無駄を省いて効率化するための全手法を大公開

工程管理で効率化をイメージする画像 起業家の基礎知識

ものづくりをしている企業で、製商品を生産・販売をする時には、原材料を投入して加工を進めて、最終的に製商品に仕上げて販売するというのが基本的な流れになります。このそれぞれの生産の段階を工程と呼び、それぞれを計画通りに効率的に進捗できるようにすることを工程管理と呼びます。

この工程管理をしっかりと行うことで、無駄のない生産のプロセスを構築することが可能となり、生産に関わる設備や労働力を維持することもできるのです。つまり工程管理とは、ものづくりを行っている企業にとっては非常に重要な考え方なのです。

 

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(1)工程管理とは

工程管理とは、ものを生産・販売する際のそれぞれの段階や手順(工程)を手際よく効率的に進めるためにコントロールすることを言い、生産性を向上させるためには必要不可欠な考え方でもあります。

工程とは、前述したように、原材料投入や機械設備の稼働による加工など、生産や販売における各活動のことを言いますが、この「工程」には労働力(人)、機械設備(モノ)、作業方法(生産の仕方)の3つの要素から成り立っています。

また、工程管理は大きく「(1)工程計画」と「(2)工程統制」に分けることができます。

(1)工程計画

工程計画とは、製品を作るためにどうやって作るのかを決めることを言います。そして、そのうえで「いつ」生産するのかを決めることも工程計画に含まれます。工程計画は以下の4つの内容に分かれています。

①手順計画

先ず手順計画で生産する製品の作り方を決める必要があります。つまり、製品を作るための作業・加工の順序、方法、作業に必要な時間、使用する機械・設備や工場(場所)などを決めることです。

②工数計画

次に工数計画を決めます。工数計画とは、製品を作るために必要となる人(従業員)の仕事量や機械設備の生産能力に関する情報のことです。その製品を作るために必要な人数や機械設備の標準的な稼働量を推計することで、生産量や生産タイミングなどの計画(③負荷計画や④日程計画)が立てやすくなります。

③負荷計画

次に負荷計画ですが、これは前述したように、生産計画における日程別の生産数量などを用いて、生産計画に必要な必要工数(負荷/仕事量)を計算するものです。現時点における要員や機械・設備の生産能力などと比較をすることが可能です。

④日程計画

最後に日程計画ですが、これは製品を生産する計画のことで生産計画とも言われています。これは大まかな生産日程に関する大日程計画から細かい短期間における生産日程を定めた小日程計画まで様々な粒度で策定することが可能です。

(2)工程統制

工程統制とは工程計画通りに生産が行われるように各工程をコントロールすることを言います。工程統制は以下のように5つに区分されます。

①作業手配

作業手配とは工程計画に沿って、作業指示、標準書、必要資材」(原材料・部品など)の準備をすることを言います。

②進捗管理

進捗管理とは生産の進み具合を確認することです。日程計画と実際の進捗との差異を認識・分析して、生産の遅れへの対策を検討・実施します。

③余力管理

余力管理とは、仕事量と生産能力との差異を認識したうえで、仕事量の平準化を図ることを言います。

④現品管理

現品管理とは、生産した仕掛品や製商品の「ある場所」(工程)や数量を把握して、リアルタイムに管理することを言います。

⑤実績資料管理

実績資料管理とは、生産実績に関する情報を収集したうえで、生産量、生産品質、生産効率、生産性、などを分析することを言い、今後の工程管理に活用することを指します。

 

2.工程管理のメリット

工程管理を行うことで以下の4つのメリットを享受することが可能であると考えられます。

4つのメリット

備考

①顧客満足度の向上

工程管理をしっかりと行うことにより、従業員や機械設備に過度な負担をかけることがなくなり、常に一定以上の品質や生産性を保った製品の生産ができるようになります。したがって顧客からも高い評価を得ることが可能となります。

②コスト削減

工程管理を実施すると工程のどこに無駄な部分があるのかがわかるようになります。そういった無駄をなくしていくことで生産コストは減っていくことになるでしょう。

③仕事への取組み姿勢向上

常にどうやったら生産の効率を上げることができるのか、を考えながら従業員が仕事に取り組むことで、会社への貢献度は上昇しますし、そもそもの仕事へのスタンスもより積極的な姿勢に変わることが期待できます。

⑤在庫調整の負担が減る

工程管理の結果、余分に保有していた在庫が不要になるため、在庫調整を行う負担が減少します。つまり生産量を調整して、在庫量を調整することが可能となるのです。

 

3.工程管理の手順

工程管理とはどのようなものか、そして工程管理のメリットにはどのようなものがあるかを説明してきましたが、本稿では工程管理の手順について解説します。

工程管理については、工程計画の策定・実施及び工程統制による確認・改善というPDCAサイクル(P:Plan 計画 → D:Do 実行 → C:Check 確認 → A:Action 改善)を回すことが重要です。

一般的には工程管理を行う場合には工程管理表というものを作成して実際に管理を行っている場合が多いようです。

主な工程管理表には以下のようなものがあります。

(1)バーチャート工程表

バーチャート工程表とは、縦軸に作業の項目を、横軸には時間を記載した工程管理表のことです。作業を始めてから完了するまでを横棒で示した工程表となります。作成そのものは比較的簡単だと思われますが、一方で作業手順が曖昧になってしまう場合があります。

工程に対する影響する作業がどれなのかを特定することは不明確となります。バーチャート工程表は作成にあまり時間をかける必要はなく見やすい点はメリットにはなりますが、各作業の関連性が曖昧になってしまうというデメリットも考えられます。

(2)ガントチャート工程表

ガントチャート工程表とは、チャート上で時間を区切って、各工程に応じた作業時間の実績値を記入した表のことを言います。(1)のバーチャートと同様に、縦軸に作業項目、横軸に時間を記載します。

特定のある時点における計画と実績、つまり作業の進捗の状態がが一目でわかるようになります。簡単にチャートの作成が可能なので、工程のスケジュール管理には非常に向いていると言えますし、簡単に作成しやすい工程管理表であると言うことができます。

(3)ネットワーク工程表

ネットワーク工程表とは、それぞれの工程の前後関係・順番や流れを矢印で表示した工程表のことです。作業の順序や流れをわかりやくす表示することができますが、ある程度専門知識があって、工程の全体像を把握している人でないと作成は難しいかもしれません。

上記のようにネットワーク工程表の作成は簡単ではありませんが、作業(工程)が一つ完了するたびに、次にどの作業(工程)に移行すればよいのかを簡単には把握できるため、作業のスピードをアップさせることが可能です。

 

まとめ

工程管理とは、それぞれの工程をひとつの流れとしてとらえて、管理を行うという考え方に立脚しており、生産工程を管理することで生産の無駄を省き、より効率的な生産を行うことが可能になる方法です。

製造工場などを保有している大企業では生産管理部などがこの工程管理を専門に行っているところもあり、少しでも生産効率を上げて他社との競争に勝ち残る、という目標を掲げているケースもあります。

中小企業においても、行き当たりばったりの生産活動には無駄が多いことはわかっていてもどうやって管理をすればよいのか悩んでいる場合もあるかもしれません。その際には工程管理に関する標準的な手法を学んで生産現場に活用することに大きな意味があるかもしれません。