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仕入れに関する知識まとめ!会計処理の手法やポイントを大公開

仕入の会計処理をイメージする画像 起業家の基礎知識

仕入れとは、卸売業者、加工業者、消費者などに販売するために、卸売業者などから原材料を購入することを言います。例えば、自動車部品を作っている企業から部品を仕入れて(購入して)自動車本体に組み立てる、といった流れになります。

「仕入れ」は会計的にはどのような処理が必要になるのか、また、仕入れに関して注意すべきポイントとはどのようなものか、について詳しく説明します。

 

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1.仕入れとは

仕入れとは、勘定科目の5要素(資産、負債、純資産、費用、収益)のうち、費用に属する勘定科目です。モノを製造する原材料を購入したり、転売するために商品を買ったりすることを仕入れと呼びます。

別の言い方では、製造・販売するためのモノを「調達する」ことを仕入れと言います。基本的には、製造・販売の起点となるのが仕入れという行為で、多くの企業は仕入れたモノに付加価値を加えて仕入れ値より高く販売することにより利益を得ることになります。

仕入れは主要な勘定科目の一つであり、原則として、借方勘定となります。通常の仕訳では「仕入」と表記されますが、損益計算書においては「当期商品仕入高」となります。決算整理後の「仕入」では、前期繰越商品の分が加算されて当期繰越商品が減算されることになるので、商品仕入高とは異なることになります。

通常の商品の仕入は売上原価に計上されますが、製品を生産するための原材料の仕入については製造原価に計上されることになります。また、仕入れに関する運送料などの費用は購入費とともに仕入れに計上されることになるのが一般的です。

 

2.仕入れと売上原価

前述したように、仕入れることによって売上原価が発生する、という仕組みにはなっていますが、仕入れと売上原価には期間の概念に関して大きな差異があります。

仕入れは期間に関係なく、物品の調達を行えば仕入れになるのに対して、売上原価の場合は当該年度内に販売されたモノに対して発生するものが売上原価になります。例えば前会計年度に仕入れたものであっても、当期に販売されたものであれば売上原価の対象となります。

例えば、小売業の場合を例に挙げれば、売上原価の算出方法は、前期末の売れ残り商品の仕入額 + 当期の仕入額 - 当期末の売れ残り商品の仕入額、となっており、商品が全く売れていない場合には売上原価は0となってしまいます。

つまり、「いつの時点の」商品なのか、という点が仕入れと売上原価の相違点なのです。当期の売上原価とは、それが昨年に仕入れたものであろうと、一昨年に仕入れたものであろうと、当年度に販売された商品の仕入れ額であればその金額は含まれます。しかし、当期の仕入額は、当期に仕入れた金額だけを含むのです。

また、細かい点ではありますが、売上原価には材料の仕入代金だけではなく商品の製造にかかった人件費、光熱費、減価償却費などの販売された商品そのものにかかった費用が含まれていますが、仕入れには商品や材料の仕入代金のみが含まれています。

 

3.仕入れに関する会計処理

仕入れに関してはどのタイミングで仕入れ勘定を計上するのかが重要となります。基本的には、下表のように、納品基準、検収基準、請求基準、支払基準の4種類に分類されます。

仕入れの計上基準

仕入れ計上する日

出荷基準

相手側が商品を出荷した日

検収基準

入荷した商品を検収した日

請求基準

相手からの請求書が届いた日(請求書の日付)

支払基準

商品の代金を支払った日

(1)仕入れ

仕入の発生タイミングは販売を目的とした商品を購入した時です。この時に発生する費用は購入代金だけではなく、配送料や銀行の手数料などの付随する費用も合計して計上することになります。仕訳の例は以下の通りです。

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

仕入高

1,000

現金

1,000

(2)仕入れ返品

仕入れた商品を返品する時の仕訳です。➀仕入返品という勘定科目を使用する方法、と②仕入発生時の反対仕訳を作成する方法、の2つがあります。

➀「仕入返品」を使用する方法

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

買掛金*

1,000

仕入返品

1,000

②反対仕訳を作成する方法

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

買掛金*

1,000

仕入

1,000

*現金返金の場合は買掛金ではなく「現金」勘定を用います。

(3)仕入れ値引きの場合

仕入れの段階で値引きが発生した場合の仕訳は以下のようになります。

<販売時の仕訳>

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

売掛金

1,000

売上

1,000

 

<仕入れ値引きの仕訳> ⇒ 上記の反対仕訳

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

売上

1,000

売掛金

1,000

(4)仕入れ割引の場合

仕入れの費用を早く支払ってくれた場合にその費用を割り引くサービスのことですが、会計的には、販売側にとっては売上の割引となり、その割引額は営業外費用として計上されることになります。

一方、仕入れ側からすると仕入れ割引となり、その割引額は営業外収益として認識されることになります。

(5)仕入れ割戻の場合

仕入れ割戻とは、たくさん買ってくれた人に報奨金(リベート)を支払うことを言います。販売側にとっては売上割戻となりますので販売時の反対仕訳となり、仕入れ側にとっては仕入れ割戻となりますので仕入れ時の反対仕訳となります。

 

4.仕入れに関して注意すべきポイント

(1)仕入れ先の選定

既にこれまで長期間にわたって何度も仕入れを行っている取引先であれば比較的問題はないと考えられますが、現在のようにグローバルな調達体制が構築されているような場合には、必ずしも良好な仕入れ先ばかりとは言えないのが実情です。

特に初めて仕入れ取引を行う場合には、仕入れ先のマーケットでの評判などを確認する、銀行などから信用情報を収集する、全額前払いなどの支払い方法は行わないで商品受領後の支払いとする(取引におけるパワー・バランスの問題はあるものの)、などの注意が必要です。

仕入れた商品が注文していた品物と品質が劣るケースや数量が少ないケースなど、仕入れ取引を巡っては様々な問題が発生しているのが実情です。例えば、少量から仕入れ取引を始めて信用が置けるという確信を得てから本格的な取引をスタートするなど、仕入れに関する自衛手段を考えておくことも必要です。

(2)仕入れ時の決済方法

仕入れ側からすると、すくなくとも仕入れた品物(到着した品物)の数量や品質を確認したうえで代金を支払うことが原則です。しかし、先に代金を支払わないと品物を送れない、というケースもあるでしょう。

そのような場合でも全額を前払いすることはリスクがあります。ここは交渉にはなりますが、半金は事前に支払い、残りの半分は商品到着後に支払う、といった決済条件で合意する、などの方法を考えることも重要です。

他にも、個人取引ではよく使われていますが、エスクロー取引とは、物品売買などの取引で買い手と売り手の間にエスクローエージェントと呼ばれる第三者を介在させることにより、代金と商品の安全な交換を保証する取引のことです。

具体的には、買い手が支払う商品代金はエスクローエージェントにいったん預けて、売り手から商品が買い手に届いたらエスクローエージェントから売り手に商品代金が支払われる、という仕組みです。

 

まとめ

仕入れは経済活動において商品を作ったり販売したりするための最初の工程であるとも言えます。仕入れの時点で、数量や品質などをきちんと確認してから次の工程に移すことが大切だとも言えます。

仕入れ管理(入庫・検収→仕入れ→支払い、のサイクル)は前述した売上原価の管理にも繋がりますので、結果的には利益にも影響を与えるということを忘れずにコントロールすることが重要です。