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中小企業基盤整備機構(中小機構)は何をしてくれるの?中小機構の利用方法について

中小企業基盤整備機構をイメージする画像 財務改善

中小企業基盤整備機構(中小機構)は中小企業の様々な悩みに対して相談に乗ってくれる公的な機関です。

日本の経済の屋台骨を支えている中小企業にとっては、売上拡大、事業承継、資金調達、など自社だけで解決することが難しい問題も生じますが、中小機構はこのような悩みを持つ中小企業にとってとても役に立つ存在であると言えます。

中小機構の具体的な利用方法について説明します。

1.中小企業基盤整備機構とは

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は独立行政法人中小企業基盤整備機構法(平成14年法律第147号)の定めにより、

  • 中小企業総合事業団(除く、信用保険部門)
  • 地域振興整備公団(除く、地方都市開発整備等業務)
  • 産業基盤整備基金(除く、省エネ・支援法関係業務)

の3つの特殊法人を統合して設立された独立行政法人です。

中小機構は経済産業省の傘下にあり、中小企業の支援を目的に活動しており、会社の創業支援から事業再生、人材の教育・育成、販売ルートの開拓など、ベンチャーや中小企業の成長ステージに応じた様々な経営支援サービスを提供しています。

 

2.中小機構のサービス

それでは中小機構のサービス内容について、サービスの提供先別に見ていきましょう。

(1)経営者向けサービス

① 経営基盤の強化

・ハンズオン支援(専門家派遣)
豊かな経験を持つプロフェッショナルを企業経営の体制整備の構築支援のために派遣するサービスです。将来にわたって持続的成長を維持できるようなサポートを目標にしています。

・ものづくり支援
サポイン(サポーティングインダストリー、戦略的基盤技術高度化支援事業)に対する計画策定への支援から事業化そのものに対するサポートまで一貫して「ものづくり」を支援します。

・軽減税率対策補助金
消費税軽減税率制度(複数税率)への対応として複数税率対応レジの導入や受発注システムの入れ替えなどにかかる費用を補助する制度を軽減税率対策補助金といいます。中小機構ではこの補助金の活用をサポートします。

・その他
事業用地のやめの検索サイト運営、経営改善に役立つ省エ対策に関する情報、などを提供しています。

 

(2)支援機関・支援者向けサービス

中小機構では中小企業を応援している支援機関や支援者の人向けに以下のようなサービスを提供しています。

① 地域支援機関向けのサポート

地域の中小企業支援機関である金融機関、商工会議所、中小企業団体中央会、などに対して、専門家による助言やサポート・ツールの提供などの支援を実施しています。

具体的には、起業や創業・事業承継・販路拡大・事業計画の作成などをテーマにした専門家によるアドバイス、講習会を活用した支援機関の職員に対する人材育成、中小企業の現場におけるサポート活動に役立つガイドブックやツールなどによるノウハウの提供、などを挙げることができます。

② 認定経営革新等に関する情報

中小機構では、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の認定を受けようとする支援機関に対して研修を実施しています。

また、認定を受けた後であっても専門家の派遣や研修などを行っています。

なお、認定支援機関とは、中小企業経営力強化支援法に基づいて国から認定を受けた専門的な知識や実務経験を保有している融機関、税理士法人、などのことで、公的な中小企業支援機関として認められている機関のことです。

また、中小機構には認定支援機関がどのような活動を行っているのかを調べることができる「活動状況検索システム」が備えられています。

他には認定支援機関向け支援として、海外展開支援研修、専門家によるアドバイス、経営改善・事業再生研修、などを行っています。

③ 創業支援に関する情報

産業競争力強化法に基いて国から認定を受けた「創業支援事業計画」を策定している市区町村と、その市区町村と協力いている創業支援事業者に対して「創業支援」に有用な情報提供を行っています。

例えば、中小機構では創業支援事業者補助金(創業者ではなく支援機関が対象)の公募要綱や申請方法などを掲載しています。

創業支援事業者補助金は、市区町村と連携している民間の創業支援事業者などが行う支援の取り組みに必要な費用の一部を助成する制度です。

④ よろず支援拠点全国本部

中小機構は、「よろず支援拠点全国本部」として全国の都道府県に設置されている中小企業の課題の相談に応じている「よろず支援拠点」を支援しています。

「よろず支援拠点」は、国が全国の47都道府県に設置している無料の経営相談所の名前で、中小企業の経営改善や売上拡大などの経営上の様々な課題に対応しています。

具体的には、専門家と中小機構の職員が「よろず支援拠点」を巡回して、それぞれの地域の特性・状況・課題を把握したうえで、他の地域の支援例やノウハウなどを共有・活用して、支援能力を高めるように努めています。

⑤ 中小企業再生支援全国本部

中小企業再生支援全国本部は47都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会の活動を支援する機関として中小機構に設置されました。

各地の支援協議会の能力を向上させるサポート、外部の専門家派遣、支援手続マニュアルの作成、に加えて、情報収集・調査研究・研修や事業再生などの個別的なサポートも実施しています(産業競争力強化法133条より)。

⑥ 中小企業事業引継ぎ支援全国本部

中小機構は、「中小企業事業引継ぎ支援全国本部」として全国の都道府県に設置されている「事業引継ぎ支援センター」を支援しています。

円滑に事業を引継ぐための体制を構築するための助言、M&Aなどの実務に関するサポート・研修を実施しています。

また、中小企業に向けて、事業引継ぎ支援センターの認知度や利用促進に努めています。

事業引継ぎ支援センターとは、後継者がいないことに悩む経営者に対して、事業を承継する相手(候補企業)を紹介したり、事業売却やM&Aに関する情報提供をしたり、しています。

⑦ 自治体による設備投資支援

中小機構は、特定の法律に基づいて、認定を受けた事業者に対して資金の貸付けを行っている市町村に、必要な資金の一部の貸付けを行っています(これを、市町村の高度化事業、と言います)。

中小機構は、市町村に対する本制度の導入や実施に関する相談に応じるとともに、市町村に協力して、設備投資支援に関する診断や助言を行います。

また、地域の活性化などの都道府県レベルで必要な設備投資に関する「都道府県の高度化事業」に関しても、中小機構はサポートを行っています。

⑧ ファンド出資

中小機構は投資ファンドへの出資を通して、ベンチャー企業などへ資金を提供して、新ビジネス創出、事業拡大、などをサポートしてします。

⑨ その他

中心市街地活性化支援、研修・セミナー開催、研修・セミナー共催募集、といった事業を中小機構は行っています。

 

(3)起業家向けサービス

新たなビジネスを展開しようとしている企業家向けに中小機構は以下のようなサービスを実施しています。

① インキュベーション

インキュベーションとは、新たなビジネスの事業化を促すことで、「孵化」という意味があります。

インキュベーションを行う施設をビジネス・インキュベータと呼び、中小機構は全国で32ものビジネス・インキュベータを保有している国内最大級の事業者となっています。

また、中小機構では全国のインキュベーション施設の空室状況に関する最新の情報を提供しています。

② BusiNest

BusiNest(ビジネスト)とは中小企業大学東京校内にある創業支援施設です。

開業率を向上させるために、創業予備軍だけを集めて支援するのではなく、創業予備軍そのものを育成するような取組みを実施しています。

創業に興味はあるけれども何をしていいかわからないような人に対しても支援していく中小機構の取り組みの一つです。

③ その他

TIP*S(東京駅の近くにある起業などに関するワークショップを開催しているビジネスの創発拠点)や創業促進イベント・起業家表彰(JVA、志の高い起業家を発掘、表彰する制度)なども展開しています。

 

中小企業基盤整備機構まとめ

自助努力で経営課題を解決することは非常に重要なことですが、専門家の知見を利用したり、協力してくれる人々の支援を活用することで低コストで迅速に問題を解決することも可能です。

中小機構は、中小企業にとってそのような存在であることを目標にしていますので、困った時にはまず中小機構に相談してみるのも良いかもしれません。