低金利にはどんな影響が!中小企業が低金利で資金調達をする方法

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依然、日本銀行の超金利政策、マイナス金利政策が続いていますが、これで日本企業の資金需要が旺盛になったとか企業業績が劇的に改善したというような話は聞こえてきません。

一部の大企業にとっては低金利のメリットはあるようですが、中小企業にまで波及するためにはまだまだ時間がかかりそうです。

中小企業と金融機関などにとって、この低金利のメリットとデメリットはどのような点にあるのでしょうか。

また、中小企業が低金利で資金を調達するにはどのような方法が考えられるのでしょうか。

1.中小企業における低金利のメリットとデメリット

わが国では2016年2月からマイナス金利政策が実施されていますが、資金需要が活発になっているわけではなく、歴史的な低金利水準が続いています。

中小企業にとって金利水準が低いことでどのような影響があるのか、低金利のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

(1)低金利のメリット

多くの中小企業にとっては資金調達が最も重要な経営課題のひとつでしょう。

その中で調達金利が低いということは、返済利息が安く済むと言うことになりますので、資金負担上は楽になります。

また金利が低く資金需要も盛り上がっていない昨今の状況では、金融機関の融資スタンスもさほど厳しい環境とは考えられず(金融的にタイトな状況でなく融資には前向き)、企業側にとっては好ましい環境であると考えることができます。

(2)低金利のデメリット

一方で低金利のデメリットは、資金運用面では運用益が上がらない、ということが考えられますが、中小企業にとってはやはり調達面に対する影響の方が大きいでしょう。

上記の通り、通常はメリットのほうが大きいと考えられるのですが、逆に低金利だからこそ金融機関が良い案件(返済に問題がなく一定の返済利息が確保できる、いう意味で)を選別する可能性も有り得ます。

つまり金利の高低よりも、その影響を受けて金融機関がどのような融資姿勢を取るのかが非常に重要だと思われます。

 

2.中小企業の借入金の水準

中小企業が金融機関などから資金を調達する場合には、日本政策金融公庫のような公的機関から借り入れる場合、民間金融機関から借り入れる場合、ノンバンクから借り入れる場合、の3つに大きく分けられます。

それぞれの金利水準は、現在(2018年3月9日)では、日本政策金融公庫の担保なしの基準利率で1.81~2.30%、担保ありの基準利率で1.16~2.25、となっています。

民間金融機関の借入利率は、借入側の企業の信用状況によって大きく異なりますが、一般的には0.9%~3.5%くらいの水準で現在は融資が実行されているようです。

最後にノンバンクですが、ノンバンクが提供しているビジネスローンの場合は10%という高い水準で資金を提供しているようです。

これはノンバンク自体が金融機関から融資を受けておりその借入利息に自社の利益分を上乗せする必要があること、また、融資先も銀行の融資先に比べると信用状況が劣る場合が多いので、融資の金利水準が高くなるのです。

 

3.借入金が決まる仕組み

借入金の金利は借入先の現在の信用状態と将来の事業計画や収益予想によって決まります。

信用状態が良ければ低い金利での調達が可能になりますし、逆に信用状態が悪ければ金利は高くなります。

金融機関にすれば、信用状況に応じたリスクプレミアムを上乗せして融資の適用金利を決定することになります。

もちろん不動産などの担保のありなしも重要ではありますが、担保の有無だけで融資を決定するわけではありません。

信用状況を確認して将来的にも安定してビジネスを続けていくことができると思われる企業に融資は提供されますし、そういった企業に対しては適切な水準で金利を決定することになります。

一方で業績が悪化して借入するような場合であれば余計に事業計画は重要になります。

その場合は一時的に適用金利の水準が悪化してしまうかもしれませんが、業績が回復した場合には従前の金利水準に戻すなど、業績回復に向けた方策を金融機関が示すこともあります。

 

4.低金利で資金調達をする方法

それでは具体的に中小企業が低金利で資金調達をする方法について説明しましょう。

(1)日本政策金融公庫

まずは公的融資の代表である日本政策金融公庫から低位で資金調達をする方法です。

日本政策金融公庫では民間の金融機関に比べると低い利率での資金調達が可能です。

しかし、その一方で手続きが煩雑で時間もかかることが難点です。

まず日本政策金融公庫に借入を申し込むと非常に多くの書類の提出を求められます。

また、借入を申し込んでから融資が実行されるまで4週間から6週間ほどかかりますので、急いでいる時には不向きかもしれません。

また担保ありの融資を申し込んだ場合には担保物件の精査などに時間がかかりますので、もっと時間を要するかもしれません。

したがって、日本金融政策金融公庫を利用する場合には前もって必要な書類や手続きを確認しておき、時間的に余裕を持った申込をすることが必要です。

日本政策金融公庫は多額で低金利の資金を提供してくれる機関ですので上手に活用しましょう。

尚、融資を申し込む際には日本政策金融公庫のホームページから事業資金の借入申込書、創業する方向けの参考資料等をダウンロードすることができます。

日本政策金融公庫ホームページ

(2)市区町村の公的融資制度の活用

公的制度融資制度を活用した借入も中小企業にとっては重要な選択肢のひとつです。

多くの市区町村は、中小企業に向けて借入利息の一部を補てんすることをしています。

中には市区町村内で起業したら、3年間無利子で更に保証協会の保証料も全額負担する市区町村もあります。

これは企業を誘致して法人住民税を得るための対策と考えられます。

借入の際にいくつかの条件を求められることはありますが、民間金融機関から借入をするまえに相談してみることをお勧めします。 

但し、利息の補てんは市区町村の税金から賄われているので、法人住民税の納付を滞納している企業はこの公的融資制度は活用できませんのでご注意ください。

(3)銀行

最もポピュラーな資金調達方法は銀行からお金を借りることです。

銀行からの資金調達であっても低金利でお金を借りることもできます。

それは銀行のプロパー融資(銀行が独自に審査を行い自己責任で融資をする方法)ではなく制度融資を利用する方法です。

具体的には、信用保証協会の保証付きの融資を受けることで低金利での資金調達が可能になります。

この融資制度の中には、信用保証協会が保証する保証料の一部、あるいは、全部を補給してくれる制度もありますので、その場合はいっそう低利で資金調達をすることが可能になります。

また、保証協会保証付融資はプロパー融資よりも債権保全が図られているので、銀行では積極的に融資をしています。

つまり中小企業にとっては利用しやすいというメリットも考えられます。

(4) ビジネスローン(ノンバンク)

ビジネスローンそのものを低利で調達する方法はあまりありません。

至急資金が必要な時に高い金利でも融資してもらえる、そんな商品がビジネスローンだからです。

ビジネスローンは借入の申込から実行まで数日あれば大丈夫な場合がほとんどです。

しかし、前述した通り、金利水準は日本政策金融公庫や銀行と比べると遥かに高いのが実情です。

また、ビジネスローンを借りたままの状態が長く続けば続くほど、資金負担コストが上昇して会社の財務状態が悪化する可能性があります。

ビジネスローンを利用することは状況によっては有効な手段になる場合もありますし、ビジネスローンの利用が悪いことだとは考えていません。

しかし、上記の通り資金負担が重くなるため、したがってなるべく早く返済することが大切です。

もし返済することが難しければ借り換えで他の金融機関などからの調達を検討しましょう。

信用保証協会の制度融資の中にはビジネスローンの借り換えのようなことを目的とする融資もあります。

ビジネスローンに限らず、他の借入も含めて借入を一本化することができますので、銀行としても積極的に活用を勧めてくるでしょう。

ビジネスローンは融資の実行スピードが迅速でとても助か利商品ですが、あくまでも利用はつなぎ資金くらいに考えておいたほうがよいでしょう。

 

低金利まとめ

低金利で資金調達をする方法は上記の通りですが、いくつかの方法があることをお分かり頂けたかと思います。

このような方法を知っているかどうかで、資金調達コストは大きく変わってしまいます。

いくら絶対的な金利水準が低い環境にあったとしても、その中での優劣は存在します。

安い資金を調達することは中小企業経営にとってとても重要なことであると考えます。