『キャッシュフロー経営』という言葉をご存知でしょうか?経営者の方、これから創業する方には、是非知って頂きたい言葉になります。
■ 会社の状況を表す指標について
会社の業績を表すにはどのような指標があるかご存知でしょうか?新聞などを見ていると上場企業の決算発表などで、過去最高益や減収増益などの言葉を聞きますが、このような、数値は、会社の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書から分析して計算をしています。会社の状況をみるには、この3つの会社の業績を表す書類が大切な指標となります。
3つの成績表を簡単に説明すると、貸借対照表は、会社の財産、負債など、会社の財政状況を表すものになります。損益計算書は会社の売上、利益など、会社の儲けを表すものになります。そして、最後にキャッシュフロー計算書は、会社のお金の流れを表すものになります。
今回は、3つ目のキャッシュフロー計算書について説明をさせて頂きます。
■ キャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書には、直接法と間接法があり、営業、投資、財務によるお金の流れをを表す項目があります。と説明せると、難しく感じてしまいます。
そのため、家計に例えてイメージすると理解しやすいかと思います。キャッシュフローを家計に例えると家計簿になります。お給料がいくら入ってきて、生活費、貯蓄、将来への投資(勉強)に、お金をどのように使っているのかを表す指標になります。
これを会社に例えると、営業でいくらお金が入ってきて、経費、税金をいくら支払い、また、いくら投資に利用したのか、銀行借入をいくら返済したのかを見る指標になります。
キャッシュフロー経営を意識せずに、損益計算書だけ見て経営をしてしまうと、利益はあるのですが、お金がない状況になり、決算時に税金が払えなかったりする現象がおきます。最悪の場合は、利益は出ているが、資金が回らずに黒字倒産になることもあります。その為、是非、キャッシュフロー経営を身に付ける必要があります。
では、キャシュフロー経営を意識せずに、損益を見た場合の事例を説明させて頂きます。
事例
下記の例題を少し考えて下さい。いくらの儲けで、資金は足りるでしょうか?
仕入
10月末に商品を掛けで100万円仕入しました。支払いは、11月30日です。
売上
仕入た商品を11月末に150万円の掛で販売できました。お金の入金は12月31日です。
回答
売上150万円-仕入100万円=50万円の利益となります。しかし、仕入の支払いは、売上を行った11月末に支払う必要があるのですが、売上の入金は12月末のため、お金に余裕がなければ支払うことができず、不渡りとなってしまいます。損益だけを見ると、せっかく販売して利益がでるのに、お金が支払えない状況となってしまいます。
■ キャッシュフロー経営について
では、事例のような状況を回避するための、キャッシュフロー経営の6つのポイントで説明をさせて頂きます。
① お金の管理は、毎日行いましょう。
お金の管理は、月、週間単位で管理するのではなく、毎日、お金がいくらあるのか確認するのが基本となります。毎日、確認することにより、無駄な経費もわかり、日々の資金状況を把握することができ、急にお金が必要な場合でも足りるのか、足らないのかを把握することができ、余裕を持って対応することができます。
② 月単位での資金繰り計画を作成しましょう。
定期的に、毎月お金が入ってくるものも、定期的に支払うもの、臨時的な収入、支払いを把握して、毎月の資金繰り表を作成しましょう。労働保険、税金、賞与、家賃の更新費用など臨時的な支払いがある月を把握するこで、計画的な資金管理をすることができます。
③ 年単位での資金繰り計画を作成しましょう。
年単位で1年間の予算を作成しましょう。例えば、新しい設備、機械を購入する、新規にお店を出店するなど、投資計画がある場合は営業で入ってくるお金だけでは、資金が足らない場合があります。その為に、1年単位で資金計画を作成して、銀行より融資が必要な場合は、早めに銀行に相談を行い、余裕を持って銀行からの融資を受けましょう。
④ エクセルで管理しましょう。
会計ソフトを利用して、資金管理や資金繰り表を作成される会社もあると思いますが、会計ソフト入力後しか、資金管理ができないためにリアルタイムにお金の管理ができません。エクセルを利用すればもっと早く簡便に、資金管理をすることができます。
⑤ インターネットバンキングを利用しましょう。
通帳ではなく、インターネットバンキングを利用することで、日々の残高、入出金をリアルタイムに見ることができます。また、そのデータはCSVで出力することができますので、そのデータで日々の入金管理を行えばリアルタイムにお金の流れを把握することができます。
⑥ 営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つの視点で管理しましょう
最後に、お金がどのような流れになっているのかを、営業、投資、財務の視点でとらえましょう。
営業キャッシュフローとは?
これは、本業でいくら儲けたのかをみる視点になります。本業でいくらお金が残るのかを把握することにより、その稼いだお金を投資や財務(借入の返済)などに充てることができる金額を計算することができます。
もし、営業キャッシュフローがマイナスになってりると非常に危険な状況です。仕事をすれば、するほどお金が不足していく状況です。
投資キャッシュフローとは?
こちら、本業以外の投資(新規事業)などのお金の流れを把握するものになります。
財務キャッシュフローとは?
借入などの状況を把握するキャッシュフローになります。
■ 最後に
いくら赤字でも、キャッシュフローが回れば会社は倒産することはありません。逆に、黒字でもキャッシュフローが回らなと倒産してしまいます。そのため、なるべく早い段階でキャッシュフロー経営ができる環境を整備しましょう。
キャッシュフロー経営を円滑に実行するには、より効率化された会計処理が必要となります。
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