株式会社レクリエ財務改善コーチング

ダイバーシティ経営の概要と導入のメリットとデメリット

業務改善

ダイバーシティ(Diversity)には「多様性」という意味があり、大きく「表面的な多様性」と「深層的な多様性」とに分類することが可能です。表面的な多様性とは、自らの意志では変えることが困難な、人種・国籍・宗教・年齢・性別、などを指しており、大多数の人々が自分と他の人を区別するために使用しているという特徴があります。

一方で、深層的な多様性とは、ちょっと見ただけでは同じに見えてしまうことが多く観察することが困難なもので、価値観・信念・スキル・コミュニケーション能力・これまで受けてきた教育、などを指しており、見落とされることが多いという特徴があります。

このような多様性を企業の経営に取り入れようとする考え方のことを「ダイバーシティ経営」と言います。これまでの日本企業の経営においては雇用や労働における安定性を重視するということから、画一的かつ平均的な従業員の育成が重視されており、いわゆる「出る杭」は打たれてしまう風潮が一般的でした。

しかし、従業員の価値観の多様化が進み、ワークライフバランスを重視する声が大きくなっている中においては、様々な価値観に配慮した企業経営のあり方が求められてくるようになりました。本稿においては、ダイバーシティ経営の概要、ダイバーシティ経営を導入する背景、ダイバーシティ経営のメリットとデメリット、ダイバーシティ経営の事例紹介、などについて詳しく説明します。

1.ダイバーシティ経営とは

経済産業省によると、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」「平成26年度ダイバーシティ経営企業100選ベストプラクティス集」)とされています。

つまり、人種的な、社会的な、労働者の、多様性、といったものを企業のあり方に適応させた考え方のことをダイバーシティ経営と言います。ダイバーシティ経営は、そのコンセプトから海外の企業に多く見られる経営の考え方ですが、最近では日本企業においても浸透しつつある考え方だと言えるでしょう。

2.ダイバーシティ経営の導入背景

昨今ダイバーシティ経営に対する取組の注目度が高くなっている背景としては、主には国際化(グローバル化)などのマーケット環境の大きな変化を挙げることができます。グローバル化の進展は、市場競争の激化、将来に対する不確実性の増加、取引に関するステークホルダーの多様化、といった事象を生じさせることになります。

このような環境下において、企業は

  • 多様化するクライアントのニーズを的確に捕捉して、新しい収益チャンスを自社に取り込むことができるような革新的なアイデアやイノベーションを創出すること
  • 突発的な、あるいは、急激な、市場環境の変化に主体的かつ柔軟に対応して、リスクをビジネス上のチャンスに変えるべく、機動的に対処すること
  • 国内のみならず国外の投資家なども含めて、「サステナビリティ―」(持続可能性)を保持している投資先としてリライアブル(信頼されている)な企業であること

といった対応を要求されることになります。

このような要求に応えるための経営戦略として、「ダイバーシティ経営」が必要になっていると言えます。自社の事業展開に関して必要かつ不可欠な様々な価値観を保有している幅広いレイヤー(層)の人材(従業員)を確保して、各人材が保有している能力を最大の水準で発揮してもらうことで、自社の新たな価値創造へと繋がる「ダイバーシティ経営」が可能になるのです。ダイバーシティ経営は、今後は企業が勝ち残るために必要な、「標準装備」になると考えられるのです。

3.ダイバーシティ経営の進め方について

(1)ダイバーシティを経営戦略として進めるために

ダイバーシティ経営とは、企業が競争優位のポジションを構築するために必要な経営戦略のひとつである、「人材活用戦略」と言えます。企業経営で様々な人材のスキルや能力を発揮してもらうことで、人材を活用するフィールドを拡大すると同時に、それぞれの視点を活用した様々な市場のニーズへの対応など、「差異」を活かすことによるイノベーション創出へと繋がることが期待できます。

ダイバーシティ経営を推進するための戦略としては、経営が進むべき道に対して整合的に設計することが必要です。最初は、今現在自社が置かれている環境において、どういった競争優位のポジション確立を目標とするのか、その目標を実現するためにはどういう経営戦略プランを立案するのか、そして、プラン(計画)を実行するためにはどのような人材を確保・配置して、具体的にどのようなミッションを付与するのか、さらには、どういうマネジメントを実施して成果を上げてもらうのか、という一連かつ一貫した取組を検討・実施する必要があります。

自社のダイバーシティ経営が進むべき道筋を定め、推進していくために必要なこととしては、

  1. 自社における経営理念とダイバーシティ経営を明確にする
  2. 自社の経営陣をコア(核)とする体制や計画の策定

が必要になります。

①自社における経営理念とダイバーシティ経営を明確にする

多様な人材を集めるということは、集めた人材の属性といった部分のみではなく、価値観や文化、ものごとに対する考え方、などに関しても多様になってしまう可能性があります。このような状態になることで、その多様性の中において新たな革新(イノベーション)や発想が生じてくることになります。現場レベルにおいては、そういった「場」から発生する軋轢や歪みなどに対しても適切に対処ていくことが求められることになるでしょう。

そういった際に基準となるものが「経営理念」でしょう。従業員の間で考えが衝突した場合、行動に迷いが生じた場合、などにどのように解決するの、が自社経営にとって最も適切なのかを、個々の従業員がが「経営理念」に則して判断をし、議論することが、非常に重要になるのです。ダイバーシティ経営を「遂行する」ということは、そういった行動の積み重ねになります。

そういった意味において、概念的な「経営理念」のみならず、そこからさらに一歩推し進めて具体化させたような「行動指針」を明確にしておくことが必要になるでしょう。全ての従業員が目指すべき自分たちの会社の理想像とその考え方を一緒に有することが、ダイバーシティ経営の第一歩です。

②自社の経営陣をコア(核)とする体制や計画の策定

前述した行動指針を制定するだけでは、ダイバーシティ経営は絵に描いた餅で終わってしまう可能性があります。ダイバーシティ経営を推し進めるためには、現状分析して、課題を洗い出し、中長期的な目標を設定する必要があります。

また、定期的に設定した目標に対する達成度を計測しながら、具体的な施策の展開に反映させなければなりません。つまり、ダイバーシティ経営における「PDCA サイクル」を何度も回すことが必要になるのです。多様な人材を量的に確保したから言って、後から自然に成果を得ることができる、というものではありません。

また、ダイバーシティ経営の推進、と言うと、「女性管理職比率」や「外国人採用率」な
といった指標を用いることが多く見受けられます。確かにこのような目標設定は有用ではありますが、単にこのような数値目標を達成するこのみを自己目的化することにはあまり意味はありません。

何のためにダイバーシティ経営を推進するのかか、推進のためにはどういった人材にどの業務を任せてどういう成果を上げることが期待するか、といった点を日常的に明確にしておく必要があるでしょう。

また、数値目標の選択に関しても、自社の実態に照らし合わせて設定することが重要になります。愚弟的には、全従業員に占める女性の割合が低いような企業においては、採用における女性の比率に関して数的な目標設定をすることは有効だと思われます。

(2)多様な人材が活躍できる企業風土を作り上げるためには

ダイバーシティ経営においては、個々の従業員の能力やスキルをしっかりと見極めて、生産性向上や革新的なアイデアの創出などを目指すことになります。そのためには全ての従業員が、様々な制約のある状況下であっても、仕事に対する意欲を高めて十分に自身の能力を発揮することができるような環境の整備が求められます。

具体的には、小さなお子さんを抱えているお母さん、何らかの手助けが必要な身体障がい者、日本語の理解がまだ十分ではない外国人、などが環境整備が必要な対象者になると考えられます。このような方々は、体力、時間、言語、年齢、など様々なハンディがある中で様々なことに挑戦している人々である、とも言うことができるので、ポジティブに「The Challenged(チャレンジド)」と呼ばれることもあります。

このような多様な人々が、制約のない環境下において、ハンディのない従業員と同じように思い切り自分の能力を発揮できるように、柔軟に働き方を変革していくような取組がダイバーシティ経営には必要と考えられるのです。

こうした「働き方改革」には持続的に取り組んでいくことが不可欠になります。しかしながら、ハンディのない従業員にとってはこうした取り組みは、一時的には、「不要なこと」と思われてしまう可能性もあり、社内の抵抗にあってしまうケースも考えられます。

しかし、組織として何を目的にして生産性向上やイノベーション創出を目指そうとしているのか、様々なスキルや能力を保有している全ての従業員を活用して全社員一丸で目標達成を目指すことの必要性を共有できているのか、といったことは組織の自律性・自主性を向上させるためには必ず考えなければいけないポイントでもあります。

いつ自分が「制約のある」人生を送らなければならなくなるのか、それは誰にもわかりません。人生は固定されているものではなく、日々状況は変化しています。つまり、誰であっても「当事者」になってしまう可能性がある以上、チャレンジドの人々に対する理解は極めて重要なものであると考えられるのです。

多様な人材が活躍できる企業風土を構築するためには、主に以下の3つの観点が重要になります。

多様な人材が活躍できる企業風土を構築するために重要なポイント

①人事制度と人材登用 ②労働環境や組織体制の整備 ③社員の意識改革や能力開発
  • 職務内容を明確化し、フェア(公正)で透明性が高い業績評価制度
  • 多様な人材を積極的に登用や採用
  • 従業員の多様性を引き出して活用するような人材配置や人事異動
  • 勤務時間や勤務場所を柔軟化するとともに長時間労働を削減
  • 多様な人材が気持ちよく働ける労働環境や組織体制を整備
  • 従業員のキャリア形成や能力開発のための教育・研修の制度拡充
  • 経営層の意識改革とマネジメントスキルの開発

①人事制度と人材登用

働く側にとっては自分の仕事内容がはっきりと定められていることと、公正・公平に人事評価してもらうことは極めて重要な観点になるのは当然でしょう。上長ときちんと相談をして、自分がやるべき業務内容を決めたうえで、上長が定期的に仕事ぶりをモニタリングして、適時適切に指導を実施することが必要です。

多様なバックグラウンドを保有している人材を率いるためには、こうした細かい指導や配慮が欠かせません。また、人事評価に対しても、なぜそういった評価になるのかを明快に説明できなければいけません。もし、不透明な評価内容だとすれば、従業員との間に軋轢を生じさせてしまう可能性もあり得ます。

また、これまでの硬直的な人事制度においては、ハンデを負った人、外国人、などは重要なポジションや業務に抜擢されることがなかったかもしれません。しかし、ダイバーシティ経営を標榜するのであれば、様々な人材を活用して積極的に登用することが重要になるでしょう。

ただ単に「登用すること」が重要なのではなく、そのポジションで活躍するために必要なスキル習得のための研修制度を整備したり、組織全体としてフォロできる体制を構築したりすることが本質的に重要なことになります。

そして、従業員の多様性を引き出して活用できるような人員配置や人事異動を実施することも非常に大切になります。得てして人事は会社の都合を押し付けてしまうことになりがちですが、従業員本人としっかりと話し合って納得を十分に得られるように会社は努めるべきだと考えます。

特に今後のキャリア形成と絡めて、将来どういったポジションでどのような業務に携わりたいのか、といったことも含めて相互コミニュケーションを深めることがお互いの信頼感を醸成させるものになると考えます。

②労働環境や組織体制の整備

従来の、新卒一斉採用、男性正社員、年功序列・長期雇用前提モデル、といった人材活用の前提は大きく崩れてしまっているのが現状である、と言えるでしょう。様々な人材が働く場所や時間などをその人が望む働き方が極力可能になるように努めることがダイバーシティ経営の実践には必要になるでしょう。

具体的には、通勤や勤務時間などに制約がある従業員であっても、制約がない従業員と同じように活躍することができる労働環境を整備することが求められているのです。これは、単に仕事の分量を労働時間と平仄を合わせて調整する、ということのみならず、テレワーク(在宅勤務)やフレックスタイムなどに導入によって、働く時間と場所に関する従業員の自由度を向上させて、柔軟に働けるようにして時間的な制約が他の従業員と比べてハンデにはならないようなサポートが必要になります。

また、昔から日本企業には「残業問題」ということが言われています。「働き方改革」という言葉が浸透してきている中において、残業は改善されてきていると思われますが、業種や業界によっては、依然、当たり前のように残業をしなければならない会社もあるようです。

例えば、無理・無駄な残業が当たり前になっている企業であれば、優秀な外国人従業員はすぐに会社を辞めてしまうかもしれません。つまり、会社全体の問題として、残業をしなくても済むような仕事の進め方を検討して、管理職も交えて企業風土を変革するような取り組みを推進することが必要になる、ということなのです。

③社員の意識改革や能力開発

従来は、女性や外国人などは、例えば、幹部職員向けトレーニングなどの機会にアクセスすらできなかったことがあったのではないでしょうか。いくら社内に研修などの教育リソースが用意されていたとしても、利用者側に制約をかけてしまい、ダイバーシティとは程遠い運用がなされていたのでは、多様な人材を活用することが難しいでしょう。

これまで、主流派(制約を受けていない人々)が当然のように受け継いできた「暗黙の了解」的な資産をオープンにしてアクセスできる従業員を増やすだけでも、様々な人材が活用できるダイバーシティな社内リソースの運用が可能になるのではないでしょうか。

また、社内改革にはマネジメント層の積極的な関与が必要不可欠になります。経営陣が率先垂範して会社を変革させる、という意気込みと行動が全ての従業員の意識と行動を変えることに繋がるはずです。

4.ダイバーシティ経営のメリット・留意点と事例紹介

ダイバーシティ経営の概要と導入の背景・進め方について説明してきましたが、それではダイバーシティ経営のメリットと留意点について説明したうえで具体的な事例を紹介します。

ダイバーシティ経営のメリット

  • 優秀な人材を確保・獲得できることと従業員の定着を図ることができる
  • 新たなアイデアを創出し易い環境を構築できる
  • 外部からの企業に対する評価が向上する

①優秀な人材を確保・獲得できることと従業員の定着を図ることができる

少子高齢化が急速に進んでいる環境下において労働力の確保は企業経営における重要な課題となっています。対策としては、競合他社と差別化を図るためにも自社の魅力を高める必要があると考えられます。ダイバーシティ経営の導入は、その会社で働くことの魅力を向上させる重要な施策になると考えられます。

ダイバーシティ経営において多様な働き方や労働観や認めることにより、従業員が働きやすい労働環境・職場にすることが可能になれば、秀でたスキルや能力を保有している人材を採用・獲得したり、従業員の定着化(離職率の低下)を期待することができるようになりでしょう。

また、これからの日本企業では外国人の雇用も増やさざるを得ないでしょう。日本人と異なる異文化をベースとする外国人の革新的なアイデアを活用することには大きな意義があると思われますし、少子高齢化対策としても外国人雇用はますます増加していくものと思われます。

②新たなアイデアを創出し易い環境を構築できる

年齢や性別のような「表面的な多様性」のみならず、経験やスキルといった「深層的な多様性」に対しても自社の経営に取り入れることで新たに革新的なアイデアが生まれやすくなります。

自社の従業員に多様性が見られないようなケースでは、同質性が高いために決まった手順をこなすことは得意であっても、イノベーションが誕生するような機運は望みにくい企業風土になってしまうのではないでしょうか。

例えばアメリカのシリコンバレーで働いている人はこの過半数が外国人である、という調査結果もあり、新しいアイデアを生み出すために人材の多様性は大きな要因となっている、とも言えるのです。

③外部からの企業に対する評価が向上する

ダイバーシティ経営に取り組んでいることで社会的な企業評価が高まることが考えられます。最近では、*ESG投資(環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)、の頭文字を繋げたもの)という考え方も投資のメイン・ストリームになりつつあります。

*ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、に配慮しているような企業を重視・選別して投資を実施することを言います。 ESG評価が高い企業は、会社が営んでいる事業の社会的な意義や成長のサステナビリティ(持続性)などが優れているという企業特性を保有しているとみなされています。

ダイバーシティ経営の留意点

  • コミュニケーションの強化により従業員のストレスが増えてしまう
  • 職場や個々の従業員のパフォーマンスを低下させてしまうリスクがある
  • 周囲の人々に必要以上に気を使うことが増加してしまう

①コミュニケーションの強化により従業員のストレスが増えてしまう

ダイバーシティ経営を推進すると様々なバックグラウンドや国籍を持つ従業員が増えることにもなりますので、これで以上に密接かつ丁寧なコミニュケーションが求められることになります。つまり、他人とのコミュニケーション能力を質的にも量的にも強化しなければならないと考えられます。

その結果として、文化的な相違点、言語の違い、仕事に対する根本的な考え方の差異、などを原因としてコミニュケーションそのものに疲弊してしまい、ストレスを感じる従業員が増えてしまうかもしれません。

②職場や個々の従業員のパフォーマンスを低下させてしまうリスクがある

多様性のある労働環境においては、考え方の違いから物事がなかなか前に進まずに案件がスタックしてしまったり、場合によっては仕事が遅延したり、中止になってしまったり、従業員間での揉め事に発展したり、してしまうような可能性も考えられます。

人間は育ってきた環境が異なると、無意識のうちに、人種や国籍などに偏見を抱えてしまっているものです。いくら会社がダイバーシティ経営を標榜したところで、従業員個人としては、性別、年齢、人種、といったイメージを根拠に自分勝手に相手のことを決めつけてしまうケースがあるので、多様な人材が快適に仕事をすることができないような場合もあり得ます。

③周囲の人々に必要以上に気を使うことが増加してしまう

会社として多様性を容認すると、どうしてもマイノリティ(少数派)になってしまう人々が生じてしまいます。具体的には、従業員の日本人比率が高い会社における外国人労働者や介護・育児などを理由に時短勤務をしている社員などです。

時短勤務社員の場合には、自分が働いている状況が職場や他のメンバーに対して迷惑をかけていると考えがちですし、いつも遠慮がちに仕事に取り組むようになり、伸び伸びと働くことができないかもしれません。

ダイバーシティ経営の導入事例

ダイバーシティ経営のメリットと留意点について説明しましたが、本稿では具体的にダイバーシティ経営に取り組んでいる企業について説明します。

①サイボウズ株式会社

企業名 サイボウズ 株式会社
所在地 東京オフィス:東京都中央区日本橋
主な事業 チーム・コラボレーションを支援するツールの開発と提供
事例 サイボウズは会社全体でダイバーシティ経営に取り組んでおり、様々なユニークな制度を導入しています。
それらの中でも、従業員自らがワークライフバランスをチョイス可能な「選べる!選択型人事制度」は、様々な人材の様々な働き方をサポートするダイバーシティ経営の効果を期待することが可能な制度となっています。
「選べる!選択型人事制度」では、従業員が「ワーク重視(PS)」か「ライフ重視(DS)」か、のぢちらか一方を1年という単位でチョイスすることができる制度のことです。
また、「ライフ重視」は、フルタイムで働いて残業時間を抑えるタイプと、出勤する日や働く時間に制限を加える時短勤務タイプ、との2種類を設けています。
「選べる!選択型人事制度」は、一般社員のみならず管理職にも選択する権利権が付与されており、管理職がライフ重視を選ぶことで、仕事と育児を両立させることを可能にしたいという場合もあります。
ダイバーシティ経営として、「選べる!選択型人事制度」を導入・推進したサイボウズでは、企業全体として、業務能力・スキルや生産性に対する従業員の意識が大きくアップしてし、会社の業務効率や生産性の向上へと繋がっていると認識しています。

②株式会社デジタルハーツ

企業名 株式会社デジタルハーツ
所在地 東京都新宿区
主な事業 総合デバッグ・テストサービス、セキュリティ事業
事例 デジタルハーツでは、フリーターや元ニートといった人材を積極的に採用して活用しています。ただ単に採用するのみならず、教育研修を手厚く実施して採用した人材が快適に働ける環境を整備する、というダイバーシティ経営に注力しているのが特徴なのです。
デジタルハーツは、「働く」という経験が十分でない(乏しい)、あるいは、就業経験がほぼ無いような人材に対しも、入社直後に手厚い丁寧な研修を実施しています。入社直後の研修においては、「人はなぜ人間は働くのか」という題材から、働くことの楽しさや充実感を保有してもらうような意識を作り上げることを目的に実施しています。
デジタルハーツのダイバーシティ経営は、教育研修に留まらず、例えば、非正規社員がリフレッシュルームを優先的に活用可能であったり、役職の上下に関係なく対等かつ自由に議論ができる雰囲気を醸し出す、など、全ての従業員が働きやすい環境を整えることにも注力しています。
フリーターなどの就業経験に乏しい人材であっても「多様な人材」として捉えて、多様な価値観にもとづいた労働環境や勤務スタイルを会社全体に徹底させているのと言えます。

③株式会社NTTデータ

企業名 株式会社NTTデータ
所在地 東京都江東区
主な事業 システムインテグレーション事業、ネットワークシステムサービス事業、など
事例 NTTデータでは、ダイバーシティを現場以上に経営層が積極的に推し進めており、まさしくダイバーシティ経営という言葉に相応しい様々な施策を推進・徹底しています。
女性の活躍推進や年間の総労働時間などにおいて具体的な数値目標を設けて、達成度をマネジメント陣や組織における評価にもその結果を活用しています。NTTデータは、会社全体における「働き方改革」の目標をそれぞれの管理職の目標まで落とし込むことで、業績評価に活用する施策を実行しています。働き方改革を推し進めている度合いやダイバーシティ経営に対する取組状況などが組織及び個人の評価にまで直結するような制度を構築しているということは、会社としてダイバーシティ経営を徹底しているという姿勢の表れと言うことが可能です。
NTTデータがダイバーシティ経営を推し進めた結果、女性の管理職者数が2008年の55人から2016年には135人へと増加したり、育児休職からの復職率が2010年の92%から2016年の98%へと上昇したり、という改善が達成されています。また、「働き方改革」により、年間総労働時間(社員1人当たり)を2007年の2,066時間から2016年には1,910時間へ削減することにも施工しています。

まとめ

ダイバーシティ経営は、多様化やグローバル化がさらに進展すると思われる今後の企業経営においては必要となる考え方であり、その考え方を経営層のみならず全ての従業員で共有することが極めて重要であると考えます。

これまで説明してきた、ダイバーシティ経営の進め方やメリット・デメリット、導入事例、などを参考にしてダイバーシティ経営に取り組むことは自社を筋肉質な会社へと変革することが可能になるでしょう。

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監修
株式会社レクリエ / 弁護士・社会保険労務士
相川祐一朗

企業法務を専門とする他、社会保険労務士の立場から、中小企業経営における「事前対応」思考への転換を図るためのコーチングも手掛ける。
働き方改革対応を始め、従業員問題への対応や就業規則改定等による強い組織構築の提案、社外との紛争解決まで、企業が直面する法的な問題全般を扱う。

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