コロナ禍でも利益を残し続ける中小企業の秘訣

利益が出ている会社の特徴とは? 具体的な施策と組織構造について解説

利益が出ている会社のイメージ画像 財務改善

利益を出している会社とは、簡潔に言ってしまうと「黒字の会社」のことです。いくら売上高が大きくても、原価や経費などを控除した(実収入から実支出を差し引いた)金額がプラスでなければ利益が出ているとは言えません。

そして、その黒字は一過性のものではなく、継続的に黒字が出るような収益構造になっていることが重要です。継続的に利益が出ている会社にはどのような特徴があるのでしょうか。また、そのような会社の経営陣や従業員の考え方、具体的な施策、などについても説明します。

 

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1.利益が出ている会社とは

利益が出ている会社とは、いわゆる「黒字の会社」のことで、総収入から総費用を差し引いてもプラスの金額が生じている状態にある会社のことを言います。会社を経営していると売上を上げることに集中してしまいがちではありますが、最終的な利益を確保するように会社を運営することが最重要の目的と言っても支障はないでしょう。

利益を出すためにはいくつかの大切なポイントがあります。経営者や従業員の意識、企業風土、組織体制、などについて「利益が出ている会社」になるために重要なポイントを説明しましょう。

(1)経営者や従業員の意識

先ず重要なことは、経営者が目指しているものを従業員が同じ目線で理解しているかどうか、です。経営者ばかりが熱くなって、頑張って働け、もっと儲けろ、などと従業員に訴えても、従業員の心には何も響かないでしょう。社長が言えば社員はわかってくれる、などと思っているとしたら、それは大いなる幻想である、と言えます。

経営者と従業員の目線が一致していて、同じ目標を共有している組織であれば、目標に対する達成率は格段に上昇するでしょうし、会社が一丸となって目標に対して進むこともできるはずです。そのためには、経営者が考えていること(数字や対応策など)を丁寧に従業員に対して共有することが必要不可欠だと考えます。

従業員にとっても、利益が出るということは給与や賞与が上がる、などと自分自身のためにもなることは理解できているはずですが、なぜこのタイミングでこういった施策を実施することが必要なのか、などの目標としている結果とその結果をもたらすための施策との関連性などを理解したうえで仕事に臨む場合はさらにモチベーションが上がると考えられます。

一部の幹部職員の間だけで黒字確保の目標と施策が共有されているだけでは、全社一丸ということはできず、一部の従業員からは「俺は関係ない、私は仲間外れだから」などと人心の離反が生じてしまい、その結果として利益を確保する、という目標からも離れてしまう可能性があります。

したがって、会社の隅々にまで経営者の=会社の「目標」を浸透させて、労使協調のもとで業務に邁進するような全社的な意識を持ち続けることは極めて重要であると考えます。

(2)数字に対するコミットメントの強さ

常に利益を出し続けている会社では、経営者であれ授業員であれ、「数字」に対するコミットメントが強いことに特徴があります。ここで言う「数字」には、例えば売上金額や生産量、製品の歩留まり率、残業時間、など様々な「数字」が考えられますが、どのような数字であっても結果的には会社の利益に反映される類の「数字」であると言ってよいでしょう。

定性的な目標(例えば、「頑張る」とか「一生懸命働く」など)は、それ自体を否定こそしないものの、目標に対して自分が今どの位置にいるのか確認することが難しく、コミットすることも困難だと思われます。その一方で数字で定量的な目標を設定した場合には、あとどれくらい頑張れば目標に到達できるのかわかりやすくなりますし、組織の目標を個人ベースの目標にまでブレイクダウンしやすくもなります。

もちろん単純に数字だけあれば問題がないということではありません。定量的な目標を設定する場合には、関わる要員数、各メンバーの経験年数や能力、これまでの実績、などから十分に説明ができるリーズナブルな数字であることが、原則としては、重要です。何らかの意図を持って実現不可能な数字を目標にするケースもままあるかもしれませんが、そのような例外ケースではいずれどこかのタイミングでその意図を共有することが必要になるでしょう。

数字に対するコミットメントを強くするためには、例えば、達成した従業員に対しては臨時ボーナスを支給するなど、その成果に対する報酬を明確に設定することは重要と考えます。

(3)優れた*ビジネスモデル

*ビジネスモデル

著名な経営学者であるピーター・ドラッカーは、『ビジネスモデルとは「顧客は誰か?顧客にとっての価値は何か?どのようにして適切な価格で価値を提供するのか?」という質問に対する答えである』としています。

ビジネスモデルは、Who(顧客は誰か、②What(何の価値を提供するか、③How(どのようにその価値を生成/提供するか、④Why(なぜそれが利益を生み出すのか)」、という4つの大きな柱から成っています。

前述した(1)経営者や従業員の意識や(2)数字に対するコミットメントの強さ、は別の視点から見ると、優れた経営者や従業員、と言うこともできます。つまり、社内の「人」にフォーカスした場合には、常に高い意識を持っていて数字に対しても強いコミットを有する経営者や従業員があることが、利益を出せる会社には必要不可欠、ということです。

そして、別の観点から考えると、優れたビジネスモデルを有している会社は利益を出せる会社である、ということもできるでしょう。競合他社と同じようなビジネスモデルに基づいて展開している企業であれば、他の会社と同じようにしか儲けることはできないでしょう。

他社と差別化したビジネスモデルを保有して事業を推進することは利益を生むためにも重要なことです。しかし、その一方で未来永劫同じビジネスモデルのままで勝負し続けることは相当困難なことでもあります。別の言い方をするとビジネスモデルとは常に変化しているものでもあります。

外部環境によるものもあれば、自社特有の社内環境によるものなのか、様々な要因が考えられますが、ビジネスモデルを改善し続けることこそが、利益を生み続ける源泉になるのではないか、と考えます。既存のビジネスモデルに固執することなく、今でも十分に通じるビジネスモデルのエッセンスがあればそれは残しつつも、環境や状況の変化に応じてビジネスモデルをアップデイトし続けていくことは、大変なことではありますが、必要不可欠なことだと考えます。

(4)秀でた商品性

他社商品と比較して優位性のある商品を持っている会社であれば、利益を生みやすいとは考えられます。特に市場を独占、あるいは寡占しているような商品を持っていれば当面は安泰と考えがちです。しかし、同じような商品を競合他社が発売してくることは十分に予想できますし、後発商品の方が性能が高く、価格も安い、ということがあるかもしれません。

前述した「(3)優れたビジネスモデル」でも触れたように、未来永劫同じ商品で勝負し続けることができるようなことは考えにくいでしょう。したがって、その商品に対する改善をし続けることや製造コスト削減努力を続けることなどが必要になるでしょう。

(5)マーケットにおける優位性

現時点で自社が置かれている立場には強い競合先があるわけではなく、*ブルー・オーシャンにいる、と認識しているかもしれません。しかし、そのようなマーケットにはすぐに競合先が新たに参入してきてしまい、これまで得ていた利益を他社に取られてしまう可能性があります。常に新しい事業に向けた発想やビジネスモデルの開発が必要となります。

*ブルー・オーシャン

ブルー・オーシャン」は、競合相手が存在しない未開拓のマーケットのことです。2005年にフランスの大学院教授であるW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が「ブルー・オーシャン戦略」という著作において唱えたビジネス用語です。

 

2.利益を生むためには

前述したように利益とは総収入(総売上高)から総支出を差し引いたものなので、売上を増やすか、総支出(原価や費用などのコスト)を減らすことで利益は増えることになります。

(1)売上高を増やすためには

売上高は「販売単価×販売数量」で求められますので、単価を引き上げるか数量をたくさん売るか、によって増加させることが可能です。ただし、販売単価を値上げした場合には、お客様が値上げを嫌がって、今までのように商品を買ってくれない(売れない)可能性が考えられます。

また、販売数量を増やすためには、新たな魅力がなければ簡単には新たに多く売れるということは考えにくいでしょう。販売数量を増やすために値下げをする(販売単価を引き下げる)という方法も考えられますが、販売予測をしっかりと実施することで、売上高そのものが減少することのない水準での値下げが必要です。

さらに商品そのものの魅力を高めてお客様への訴求力を強化する、という方法も考えられます。このケースでは販売単価の上昇、販売数量の増加、双方の結果を生じさせる可能性があるので売上高を増やすには効果が大きい方法かもしれません。

しかし、商品性を高める場合には、改善にかかる時間や費用を考慮する必要がありますし、高まった商品性をお客様に周知するための広告・宣伝費用が必要になってしまう場合もあります。コストをかけずに商品性=付加価値を高める、ということは極めて難しいことなのです。

(2)コストを削減するためには

一方で、コスト(原価や費用)を削減することで利益を増やすことが可能です。売上高を増やすためには、販売のコツ、のようなものが必要になる場合がありますが、コスト削減は普段使っている費用などを抑制することなので、そんなに難しい方法ではないと考えるかもしれません。

確かに、コスト削減は利益確保のためには一般的に利用されている方法です。日常業務における無駄を省く、という行為は社内でも共有されやすく推進しやすい施策でしょう。しかし、何でもかんでも費用を減らせばよい、というものではありません。

会社の事業運営において減らしてはいけない費用というものも存在します。例えば、原材料費をケチるために今まで仕入れていたものよりもグレードが大きく下がる原材料に変更したような場合を考えてみましょう。確かに製造コストは大きく下がったかもしれませんが、完成した製品の品質(クオリティ)も使用している原材料のレベルに合わせて低下している可能性が大きいと考えられます。

結果的に従前の製品に比べて品質が大きく低下した製品の購入者が減ってしまうことになり、お客様のみならず自社の信用という大きな資産をも傷付けてしまうことになりかねません。つまり、コスト削減を実施する際には、そのコストは減らしても問題はないのか、影響はないのか、などを綿密に分析したうえで判断することが重要なのです。

コストの削減を検討する場合には、会社のどの部門でどのようなコストが発生しているのかを把握しておくことが必要になります。また、各部門で発生しているコストの金額も認識しておくことで、コスト削減の影響額を考えることもできます。

<各部門のコスト発生項目>

製造業における主な部門

製造部門

技術間接部門

営業部門

本社部門

課及び担当者

製造直管

資材購買

外注管理

設備管理

生産管理

生産技術

品質管理

開発技術

営業

経理人事

売上高

総原価

製造原価

材料費

外注加工費

社内加工原価

直接経費

製造経費

関節経費

販売経費・一般管理費

利益

各部門のコスト(費用)削減努力や協力によって、利益は増大

◎:特に費用項目に関係する部門

〇:次いで費用項目に関係する部門

-:ほとんど費用項目には関係ない部門

上記表中の「材料費」を例にして、表の見方を説明します。

材料費に関しては、◎印で表示したように、製造部門、  資材購買部門、品質管理部門、開発技術部門、などの関与が強いと考えられます。各部門の材料費への関わり度合いは、以下のように考えることができます。

➀製造部門

製造部門にとって材料費は製造原価の構成要素そのものです。 資材購買部門が購入した部品や材料を使用することになるので、材料の原価そのものを変更することはできないのです。 しかし、製造プロセスにおける歩留まりや収率が悪化している場合には、製品一個当りの材料原価が高止まってしまうという影響が生じてしまいます。

また、製造プロセス内の歩留まりや収率の悪化は工場全体の生産性を落とすことになり、製品一個当りの直接人件費や製造経費の増加を生じさせることになり、結果として製造原価を押し上げてしまうことになります。したがって、 製造プロセスにおいて使用する材料の歩留まりや収率を改善することで、材料費そのもののみならず、間接的には製造原価を下げることもできるようになるのです。

そういう意味においては、製造部門の役割とは、常に製造プロセス内の歩留まりや収率に注意を払いながら、 いかにして効率性の高い生産を実施維持するか、ということになるのです。ただし、歩留まりや収率を改善するためには、製造部門の力だけで実行することは難しいので、 開発技術部門や品質管理門などの協力が必要になります。

②資材購買部門:

製造における製品の設計仕様をベースにして材料を調達します。材料の調達先、調達量、 納期、などによって購入する原価が決定されるので、どのくらい安価で調達することができるのか、が資材購買部門の実力の発揮場所となります。 また、新たな製品の材料選定の段階から開発技術部門と詳細な打ち合わせを実施して、 (製造初期の)材料の購入原価をどれだけ下げることができるか、ということが使命となるでしょう。

③品質管理部門:

お客様に保証している製品の品質や製造プロセスにおける歩留まりなどにより、材料費は左右されることになります。 お客様に品質を保証する、と一口に言っても、過剰品質のケースが多いのが実態です。 過剰品質の場合には、製造ポロセス内の歩留まりや収率が悪化することになり、材料コストが上昇してしまいます。

特に新しい製品を発売する際には、製品に要求されている性能や機能を十分に踏まえて、取引先と出荷製品の品質を定めておく必要があるでしょう。 また、品質管理部門は、製造プロセス内の歩留まりや収率をモニタリングする責任部門ともなります。さらに、製造プロセス内の歩留まりが想定している以上に悪化しているような場合には、 製造部門や開発技術計部門とも協力のうえ、悪化の要因を探って、 改善策を検討・指導する責任部門ともなるのです。

④開発技術部門:

製品の設計仕様をうけて、部品や材料の選定を実施することになるので、部品や材料の(初期の)購入原価を決定する部門になります。 開発・設計者の専門家としてのこだわりも理解はできるのですが、拘り過ぎてしまい、例えば過度に機能性を重視して、高価な部品や材料を使用してしまうようなケースも考えられます。

実際に大量の生産がスタートして、製品がお客様に納品されるようになってから材料や部品を変更することは困難です。したがって、お客様から材料や部品を指定されたような場合を除いて、使用する材料や部品が汎用品のケースでは、開発設計の段階で大量生産の状態を意識しつつ、同じような機能を有している他の部品や材料もいくつか候補として準備したうえで、どれだけ部品や材料のコストを下げることが可能なのか、を考えておくことも必要です。部品や材料の購入先の選定に関しては、価格面も含めて、資材購買部門と丁寧な打ち合わせが必要になります。

このように材料費というひとつの費用項目を取り上げても、様々な社内の部門が関与していることがわかると思います。コストを削減して利益を確保するためには、全社的な取組が必要不可欠なのです。

 

3.利益を創出する具体的な方策について

利益を生むための事業経営の方向性について説明してきましたが、それらの方向性をうけて具体的な利益創出の方策にについて解説します。前述したように、利益とは総売上高から総支出を控除したもの、としてきましたが、実際には「営業利益」の確保が最も重要になると考えられます。

営業利益とは、会社の本業から生じる利益のことで、会計的には、売上高から売上原価を控除した「売上総利益」から、「販売費および一般管理費(販管費)」を控除して求められる利益です。売上高の増加と同様に営業利益も増加しているのであれば、良好な成長サイクルが循環していると考えられます。

一方で、売上高は増えているのに営業利益が減っているような場合は、原価や費用に課題が生じていることになります。このような場合には、会社の成長ペースが鈍化しており、場合によっては会社が衰退してしまうような可能性も考えられます。

そのような状況に陥るのを回避して営業利益を得るためには、具体的にどのような方法が考えられるのでしょうか。

(1)中間マージンを排除する

特に中小企業にとっては、中間マージンを徹底的に排除することで営業利益の確保に資することになります。最終的なユーザーに商品が届くまでに卸売りや小売りなどの複数の段階を経るような商流しか保有していない中小企業の場合は、それらの各段階でマージン(鞘)を支払っていることになります。

最終ユーザーに直接商品を届けられるような商流を新たに構築することにより、これまで払っていたコストから解放されることになるので、営業利益の確保には貢献することになるのです。ただし、新たな商流を構築しようとする際には、既得権益を得ていた勢力(卸売りや小売り)が反対することも考えられます。

表立って揉める必要はありませんが、消費者などからの声が直接中小企業に届いて、中間マージン排除の応援団になってくれれば、中間マージンの排除のみならず強固な顧客基盤の確立にも繋がることになるでしょう。

中間マージンの排除は製造業だけでなく様々な業態で挑戦することが可能です。例えば、小売業の場合であれば卸売りを入れずに生産者からダイレクトに仕入れを行う、卸売業の場合であれば小売りを入れずに自社で直接販売する、飲食業の場合であれば加工業者を入れずに生産者から直接仕入れる、など、様々な工夫が考えられますし多様な取り組み方が可能です。

 

(2)利益率の高い商品を集中的に販売する

中小企業の販売商品群の中には、利益率が高いものから低いものまで、様々な商品が混在しているのではないでしょうか。当然ながら利益率の高い商品をたくさん販売することで会社の営業利益が向上すると考えられます。また、同時に利益率の低い商品への投資を思い切って止めてしまい、利益率の高い商品への投資に集中することで、より高利益な事業体質へと転換が図れるでしょう。

品揃え的に必要である、創業時の思い入れのある商品である、などの理由で利益率が低くても製造・販売を続けているような商品があるような場合は、顧客満足度や社内満足度などの観点も加味しつつ、今後のあるべき会社の姿を思い浮かべつつ大英断が必要になる可能性もあるでしょう。

一般的に売上を構成している下位20%の商品は利益には貢献していない、と言われています。つまり、これまで下位20%に振り向けられていた経営資源を上位20%に振り向けることで、短い期間で利益をあげることが可能になると思われます。

(3)商品の付加価値を上げ続ける

世間には非常に多くの商品が溢れており、それらのたくさんの商品の中から自社の商品を消費者(取引先)に選択してもらうことは簡単なことではありません。常に選ばれる商品であるためには、商品の付加価値を上げ続けるしかありません。なぜならば、付加価値が下がって競合商品に劣るような状態になれば、すぐに消費者(取引先)はその商品からも取引そのものからも離れてしまう可能性が高いのです。

また、付加価値が下がった商品は値引き販売せざるを得なくなってしまう可能性もあり、本来獲得できるはずだった利益を得られないだけでなく、場合によっては赤字販売に踏み切らざるを得ないかもしれません。

付加価値を上げるためには、原材料や加工方法などを変更してコストがかかってしまう場合もあるでしょう。しかし、付加価値が上昇して顧客選好度が高い商品に生まれ変わったのであれば、従来以上の売上や利益を見込むこともできるでしょう。ただし、利益を確保するためには新たに付加価値を上げるために必要となるコストには一定の制限があることは忘れないようにしましょう。

このように、商品の付加価値を上げ続ける、ということは利益を確保するためには必要かつ極めて重要なポイントです。

(4)経営者の数字に対する意識を高める

利益を得ている会社の社長は、一般的に言って、数字に強い人が多いようです。常に数字を意識しながら事業を改善し続けるという姿勢が重要なのです。数字は、基本的には、Fact(事実)を冷静に表しているものであり、そこに経営者の希望的観測が入り込むような余地はありません。

冷静かつ冷徹な数字に基づいて事業の次の一手を常に考え続ける、というスタンスが経営者には必要です。その一方で、儲かっていない、利益を確保できていない経営者の多くは数字に弱いようです。

数字に強い経営者がいる会社は、会社としても常に数字を意識するようになるので、相乗効果的に利益が出やすい企業体質になると考えられます。もちろん、数字に強いだけで利益を出せるわけではないですが、様々な場面で数字に基づいた議論や意思決定が行われるようになりますので、独断専行的な施策の実施などは大きく減ることになると考えられます。

(5)コストを削減する

「2.利益を生むためには (2)コストを削減するためには」でも説明したようにコスト削減は利益確保には極めて重要な方法であると言えます。コスト削減はダイレクトに利益確保の効果を生じさせるとともに、常にコスト意識を持って仕事に取り組むことは会社を高利益体質へと変える重要なファクターです。

コスト意識が低下しているような会社では、業務における無駄や無理などに対する意識も薄れていってしまうことになるので、利益を確保することが難しい環境を発生させてしまうことになりかねません。

なお、コスト削減を実施して利益を確保するためには、不要な経費などを削減する方法よりも、業務効率を改善してコスト削減を行う方法の方が効果的だと考えます。なぜならば、非必要な経費をカットする方法においては、いつかは必ず限界となる時期が到来して、継続して効果が見込めるようなコスト削減のアクションを行うことができなくなってしまうからです。

会社全体における生産性や経営課題を解決する、無駄なコストを削減する、会社全体や各部門における目標(定量的な目標が望ましい)を設けて効率的な手法で目標値に達する、といったコスト削減方法であれば、社内外から理解を得やすい利益獲得方法だと考えます。

収益力の向上を目指す上で、利益改善に貢献する収益力向上策について徹底解説しますの記事もご覧ください。

<まとめ>

会社の「利益」とは、企業が存続するために極めて大切な要素です。利益を無視して会社の経営をすることはできませんし、もし利益を完全に無視している会社があるとしても、その会社は早晩倒産してしまうでしょう。

本稿では、具体的な利益確保の施策として、(1)中間マージンを排除する、(2)利益率の高い商品を集中的に販売する、(3)商品の付加価値を上げ続ける、(4)経営者の数字に対する意識を高める、(5)コストを削減する、という5つの方法を説明しました。

会社の営業利益を確保するためには、たったひとつの方法で効果が生じることもあり得ますが、実際にはいくつかの手段を複合的に実施するケースが多いと思われます。例えば、中間マージン排除のために商流の変更を行うと同時に、社内の無駄なコスト(例えば、社用車を購入からリースに変更する、など)を削減するような施策も実行するようなケースです。

また、会社の体質改善も大きな効果がある方法であると考えます。会社の定量的な目標数値については経営者、あるいは一部の経営幹部だけが知っているような会社では、全社一丸となって利益を確保しよう、というような機運は生じないかもしれません。

経営者と従業員が同じ目線で会社の定量的な目標(利益目標など)を語り合えるような企業風土が望ましいと考えます。

従業員が一丸となって、お互いの貢献度にたいし評価し、成果給を送りあえるピュアボーナスも注目されています。ピアボーナスとは? 制度の特徴やメリット・デメリットを解説しますの記事もご覧ください。

 

監修
株式会社レクリエ / 公認会計士・税理士
沢田慎次郎

お金の流れを変えて、未来を創造する専門家。決算書や申告書から企業のお金に関する問題を洗い出し、財務改善・利益改善に活かすことを得意とする。
様々な規模・業種のクラアントをサポートしてきた経験と豊富な知識を活かし、調達再編スキームの構築や融資交渉サポートなども手掛ける。

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