最近、「サブスクリプション」、略して「サブスク」というサービスが注目を集めています。サブスクリプションとはどのようなサービスなのでしょうか。本稿ではサブスクリプションの概要、従来から存在している定額制サービスとの相違点、サブスクリプションのメリットやデメリット、そして中小企業におけるサブスクリプションの活用方法、などについて解説します。
1.サブスクリプションとはどのようなサービスか?
最近「サブスクリプション」や「サブスク」といった言葉を聞いたことはないでしょうか?一般的には、商品そのものや役務(サービス)そのものに対して対価を支払うことが多いと思いますが、一定期間商品や役務(サービス)を利用する場合に使用料を支払うという新たなビジネスモデルのことをサブスクリプション(サービス)と呼んでいます。
上記のように説明すると、定額制(サービス)と何が違うのか?と思う人もいるかもしれません。一定期間の使用に対して料金を払うという仕組みは同じように思うかもしれませんが、サブスクリプションの場合は、料金体系やオプションなどを顧客ニーズに合わせるようにして様々なタイプやプランを用意していると言えます。
つまり、サブスクリプションはCS(Customer Satisfaction、顧客満足度)に力点を置いたサービスである、という点に特徴があると考えられます。また、サブスクリプションが注目を集めている理由としては、顧客はモノやサービスの所有を望んでいるわけではなく、あくまでモノやサービスの利用を重視するようになってきているという消費者・利用者のマインドの変化が大きいと考えられます。
これまでは高価な商品や高額のサービスを所有していることがステータスだった時代もありましたが、現在では*ミニマリストに代表されるように、如何に余計なモノ・サービスは持たずに他人が所有しているモノ・サービスを利用するか、というように人々の志向が大きく変わってきています。
上記の音楽以外の代表的なサブスクリプションについて説明します。
(1)飲食系
毎月ランチや夕食などを定額で利用することができるサブスクリプションが拡大しています。しかし、足元では新型コロナの感染拡大によりサブスクリプションのサービスを休止しているところもあるようなので、実際に利用する場合には各社に確認することをおススメします。
①always LUNCH(オールウェイズ・ランチ)
(参考URL:https://always.fan/lp/lunch/)
・月額7,980円(税別)でalways LUNCHのパスを購入すると、対象エリアの様々な飲食店で1日1食ランチを楽しむことが可能です。
・定食屋、カフェ、多国籍料理店、など様々な店舗でいろいろなメニューを提供しており、対象店舗も拡大中です。
・支払いは月1回の定額サービスなので、利用の際にパスを見せるだけのペイレスで気軽にランチを楽しむことが可能です。
②POTLUCK(ポットラック)
(参考URL:https://www.pot-luck.jp/)
・POTLUCK(ポットラック)は定額制のテイクアウト(持ち帰り)アプリで1日2回まで注文することが可能で、選べるプランには1週間3食トライアル、12食プラン、毎日プラン、の3つの種類に加えて、12食買い切りプラン、、があります。
・事前に予約をしておくと飲食店ですぐに受け取ることが可能になります。ランチタイムはいつも飲食店が混雑していてゆっくり食べることができない、あるいは多忙で夕食を作っている時間がない、というような悩ましい状態を解消することが可能です。
・POTLUCK(ポットラック)では、様々な料理ジャンルのメニューを取り揃えており、提供エリアも随時拡大中となっています。
③coffee mafia(コーヒーマフィア)
(参考URL:https://coffeemafia.jp/)
・coffee mafiaではコーヒーが飲み放題となる定額会員サービスを提供しており、選べる定額会員コースとして、Light、Standard、Premium、の3種類があります。
・¥3,000/月(税込)のLightコースは、店頭で会員証を提示すると、通常は1杯480円するコーヒーがいつでも無料で提供されます。
・¥4,800/月(税込)のMediumコースは、店頭で会員証を提示すると、通常は1杯480円~680円するラージサイズのコーヒーとMサイズのラテドリンクを無料で提供します。
・¥6,500/月(税込)のPremiumコースは、店頭で会員証を提示すると、全種類のドリンクメニューを無料で提供します。
(2)動画系
サブスクリプションの中でも多くの種類があって人気が高いのが動画系のサブスクリプションです。その中でも特に人気が高いものを紹介します。
①Amazonプライムビデオ
・CMでの露出も多いAmazonプライムですが、これhAmazonの有料会員サービスの名前で、プライム会員になることでAmazonプライムビデオを利用することが可能になります。
・Amazonプライムビデオでは話題になった映画やドラマなどを定額(年間4,900円(税込)、月額500円(税込))で見放題となります(一部レンタル専用作品あり)。
②Netflix(ネットフリックス)
(参考URL:https://www.netflix.com/jp/)
・Netflixは、映画、ドラマ、ドキュメンタリー、アニメ、といったの幅広いコンテンツを配信しているストリーミングサービスで、利用者は、定額・低価格で、好きな時間帯で、好きな場所で、自分の好きなだけ、視聴することが可能となります。
・利用料金は、スマホ、タブレット、スマートテレビ、パソコン、その他のストリーミングデバイス、などで視聴することができ、利用プランは月額¥800 (税抜) から、となっています。
③FODプレミアム
・FODプレミアムは民放のフジテレビが運営している動画配信サービスです。
・特徴としては、ここでしか視聴することができないフジテレビの作品が 5,000本以上見放題であること、FODでのみ見ることができるオリジナル作品を配信中、海外のドラマやアニメなどのもFODの独占で取り揃えている、などを挙げることができます。
・料金は月額888円(税抜)と低価格でスタートすることができます。
(3)ファッション
ファッションの世界にもサブスクリプションは広がっており、お気に入りの洋服を毎月定額で手軽にレンタルできるサービスが登場しています。中にはプロのスタイリストがチョイスした洋服をレンタルして気に入ったら購入することができるようなサービスやスーツやYシャツなどのビジネス関連の洋服を定額で貸し出すようなサービスにも利用者が集まっているようです。
①air Closet(エアークローゼット)
・air Closet(エアークローゼット)は国内最大級となる月額制ファッションレンタルサービスです。
・ファッション業界で活躍しているプロの女性スタイリスト250名以上が会員専用のコーディネートをします。
・コーディネートされた洋服は自宅まで届けられて、クリーニングせずにそのまま返却することが可能です。
・選べるプランには、月額9,800円(税抜)のレギュラープラン(3着借り放題で何度でも交換ができます)、月額6,800円(税抜)のライトプラン(毎月1回洋服が届きます)、月額12,800円(税抜)のプラスサイズプラン(大きめサイズの洋服が毎月5着届きます)、のプランがあります。
②Rcawaii(アールカワイイ)
・Rcawaii(アールカワイイ)では300以上の人気ブランドの洋服が返却期限なしで借り放題となっています。
・プロのスタイリストが会員を徹底的に分析してコーディネートします。
・実際に試着して外出して気に言った場合のみ購入することも可能です(靴・バッグ・アクセサリーなども試着して気に入ればマネキン買い(ショップでマネキンが着ているコーディネートそのものを購入すること)も可能です。
・料金プランは、毎月9,980円のライトプラン(1回3着借り放題)、月額19,980円のレギュラープラン(1回6着借り放題)、月額6,800円の月イチプラン(月に1回3着まで)、の3つが用意されています。
③Yclean(ワイクリン)
(参考URL:https://yclean.co.jp/)
・Yclean(ワイクリン)は、共働き世帯や乳幼児を抱えている世帯、そして単身世帯の方に、1カ月分(20着)のワイシャツのレンタルとクリーニングをセットにした日本初のワイシャツ宅配クリーニング・サービスです。
・Yclean(ワイクリン)では月初めに20着のワイシャツを受け取って、その20着を着終えたら、選択することなく専用の回収袋に入れて返送します。
・料金プランは、月額8,800円(税別)のアソートプラン(スタンダードプラン専用のワイシャツの中からワイクリンが選んだ20枚を届けるリーズナブルなプラン)、月額12,800円(税込)のスタンダードプラン(仕事などの場面で映える厳選された10種類のワイシャツの中から好きな20枚を自由にチョイスすることができるプラン)、月額24,800円(税別)のプレミアムプラン(綿100%でメイドインJapan製の選りすぐったワイシャツ10種類の中から20枚をセレクトするりプラン)、の3種類があります。
(4)音楽
前述したように、音楽の分野ではいち早くサブスクリプションの利用が拡大しました。代表的な音楽におけるサブスクリプションを紹介します。
①Spotify(スポティファイ)
(参考URL:https://www.spotify.com/jp/)
・Spotify(スポティファイ)は、スウェーデンのスポティファイ・テクノロジー社が運営している音楽ストリーミングサービスで、音楽ストリーミングサービスとしては世界最大手です。
・毎月定額で5,000万曲へアクセスが可能で、好きなだけ音楽を楽しむことができます(プレミアムサービスの場合、無料サービスもありますがオンデマンドの再生はできません)。
・プレミアムプランの料金は月額980円です。
②AWA(アワ)
(参考URL:https://awa.fm/ja/plan/v2/)
・AWA(アワ)は、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルが共同出資したAWA株式会社が運営している音楽ストリーミングサービスです。
・プランとしては無料のFreeと月額980円のStandardの2種類がありますが、Spotify(スポティファイ)とは異なり、Freeプランでもオンデマンド再生ができます。
・用意されている曲数はSpotify(スポティファイ)を上回る6,000万曲となっています。
③Amazon Music(アマゾンミュージック)
・Amazonが運営している音楽ストリーミングサービスで、以下の5つのプランが取り揃えられています。
・Prime(プライム):Amazonプライム会員の特典で追加費用は不要、200万曲が聞き放題です。
・Unlimited(個人プラン):月額980円(プライム会員は780円)で6,500万曲以上が聞き放題です。
・Family(ファミリープラン):月額1,480円で最大6名まで楽しむことが可能で、6,500万曲以上が聞き放題です。
・Student(学生プラン):月額480円で6,500万曲以上が聞き放題です。
・HD(高音質):月額1,980円(プライム会員は1,780円)で6,500万曲以上が聞き放題です。
(5)乗り物(自動車・自転車、など)
かつて「いつかはクラウン」という言葉があったように、高級車を保有することが成功者の証だった時代もありましたが、現在ではそもそも自動車を保有することに興味すらない若者が増えています。そのような中で少しでも自動車の利用を促すために、通常のレンタルやリースに加えてサブスクリプションを利用したサービスも拡大しています。
特に、自動車の場合は無視できない高額な維持費(税金、修理費用、ガソリン代、駐車場代、など)がかかることから、保有することから利用することへのシフト・チェンジに拍車がかかっていると考えられるのです。
①NOREL
(参照URL: https://norel.jp/)
・NORELは、ガリバーインターナショナルが提供しているサービスで、自動車の保有している場合に必要となる、保険、車検、重量税、自動車税、を支払う必要はなくて、駐車場代、ガソリン代、メンテナンス費用、消耗品第、などだけを負担することで自動車を利用することが可能になります。
・家族が増えたり、子供が独立して夫婦二人の世帯に戻ったり、ライフステージによって自動車の活用方法も様々に変化していきます。そこで、ライフステージに応じて自動車を選ぶことができれば、自動車の利用価値はますます向上するのではないでしょうか。
・NORELでは、買取台数がNo.1であるガリバーインターナショナルが保有している在庫の中から自動車をチョイスしているので、様々な豊富な車種をNOREL用に提供しています。また、中古車のみならず、NOREL専用としてBMWの新車やMINIの登録済み未使用車なども利用することが可能です。
②KINTO
(参照URL:https://kinto-jp.com/)
・KINTOは、トヨタ自動車が提供しているトヨタやレクサスの自動車を月額定額で利用可能な「愛車サブスクリプションサービス」のブランド名のことです。
・KINTOの提供サービスにはKINTO ONEという名称が付けられており、KINTO ONEでは月々コミコミ定額で3年間トヨタやレクサスの新車をサブスクで利用することができます。
・コミコミ定額の月額利用料金に含まれているのは、任意保険(含む、車両保険)、メンテナンス・故障費用、車両・オプション費用、税金・諸費用(自賠責保険料、毎年分の自動車税種別割、自動車税環境性能割、重量税、登録手続費用)、です。
③定額カルモくん
(参考URL:https://car-mo.jp/top/)
・カルモくんは、モビリティサービス事業を営むナイル株式会社が、オリックス自動車と提携して、提供している自動車のサブスクリプションです。
・定額カルモくんはオンラインでのサービス対応が中心なので、コストを抑制することが可能で、低価格な料金体系を実現しています。
・一般的なリース期間は3年~7年くらいですが、定額カルモくんでは最長で9年のリース期間となっており、その分月額料金を低価格に設定することが可能になっています。
2.サブスクリプションのメリットとデメリット
これまで説明してきたように、現在では様々なビジネス領域においてサブスクリプションの利用は拡大していますが、利用者の立場と企業の立場によるサブスクリプションのメリットとデメリットについて解説しましょう。
(1)サブスクリプションの利用者にとってのメリット
利用者にとってサブスクリプションを使うメリットとしては、①初期費用を抑制することが可能、②不要になったらいつでも解約可能、③モノを所有しなくても利用可能なので、維持・管理コストが減る(もしくは不要)、⑤新たな商品やサービスに遭遇する確率が高くなる、といった点が挙げられます。
①初期費用の抑制
通常商品やサービスを購入する際には初期費用(Initial Cost)が発生するものがたくさんあります。例えば、自動車を購入する際には車両代金における頭金を払うことが一般的です。また、駐車場を借りる場合には賃貸借契約を締結する際の敷金を求められるような場合もあります。
このように初期費用がかかるということはそれだけ一時的にキャッシュ負担が重くなってしまうことを意味しています。しかし、サブスクリプションにおいては定額のサービスということで、本来発生するような初期費用も含めて平準化されていると考えることができるので、資金負担の重さをあまり感じなくて済むというメリットがあると考えられます。
②不要時には解約可能
モノやサービスを購入した場合には、もしそのモノやサービスを使わなくなったような場合であっても、既に支払った金額は、基本的には、返ってくることはありません。例えば、10回利用できる英会話教室のチケットを買った場合に、2回ほど利用したものの会社の業務が突然忙しくなってしまい、全然通えなくなってしまったとしても、残りの8回分のチケット代金の返金には応じてくれないような場合も多いのではないでしょうか。
ところがサブスクリプションの場合には、月額払のような場合には来月から利用を止めます、と言って退会手続をすることには、契約内容に違反していない限りにおいては、何ら問題は生じないでしょう。つまり、自分の好きなタイミングでいつでも自由にサービスの利用を中止できる点にもサブスクリプションのメリットがあると考えられるのです。
③維持・管理コストがかからない(減る)
商品やサービスを利用する場合には、維持・管理コストがかかることが一般的です。前述した自動車のサブスクリプションを例に挙げて説明しますが、自動車を保有してると、自動車保険料、駐車場代、ガソリン代、洗車費用、など多くの維持費用が発生します。そして、これらの費用は馬鹿にできないほど大きな負担となるケースもあり得ます(例えば、高級外車の修理費用、など)。
ところが、契約内容にもよりますが、サブスクリプションではこれらのコストをオールインで定額サービスを提供しているので、別途維持・管理費用が発生するということは考えられないのです。このことは家計を管理するうえでも、突然発生する大きなコストに対して備える、ということを気にしなくてもよくなる、という利点となります。
④新しいサービス・商品を見つけやすくなる
サブスクリプションはその対象となるモノやサービスの範囲を順次拡大しています。例えば、購入するには高額な新しい電気製品であっても、先ずはサブスクリプションでの利用を通じて経験しておいて、生活を豊かに便利にするものであると確認できたなら、多少高くても購入しよう、という風に考えるかもしれません。
実際に利用する(試す)ことができる、という点で新たな消費やサービスを購入する人々の裾野を広げるという効果が期待でるでしょう。
(2)サブスクリプションの企業側のメリット
企業にとってサブスクリプションを提供するメリットとしては、①参入障壁の壁を破ることが可能になる、②継続的な売上確保、③利用者データ(嗜好、ライフスタイル、など)を取得しやすくなる、④③の取得データをもとに提供しているサブスクリプションの内容を改善しやすくなる、といった点を挙げることができます。
①参入障壁(ハードル)を超えられる
多くの企業では既存の市場に新たに打って出るには、参入を阻む何かしらの障害があります。例えば、音楽ストリーミングの場合には、実際に多くの音源を保有しているレコード会社などでなければ、参入は難しかったかもしれません。しかし、音楽を配信する仕組みそのものはレコード会社以上に専門的な技術を保有しているIT企業がいくつかありました。
そこでその技術を活かして、音源に関しては著作権の利用に対して使用料を支払い、ストリーミング配信を実施する、というビジネスが盛んになったのです。このように既存のビジネスで参入障壁が高いと思われていたようなものであっても、知恵と工夫次第でその壁を超えることは可能なのです。
②継続的な売上を確保する
前述した音楽の場合では、CDを売ってしまえば、基本的にはそれ以上の売上は発生しません(二次使用料などは考えられますが、ここでは考えないものとします)。しかし、音楽ストリーミングの場合には毎月決まった料金が発生するので、継続的に売上が発生する仕組みになっています。
今までのビジネスでは考えにくかった、長期間料金を受け取り続けられる、というビジネスは、サービスの提供側にとっては、俗に言う「日銭商売」に通じるビジネスモデルであり、積上げた売上はけして少なくないものと考えられます。
③利用者データの取得しやすさ
現在ではコンビニなどのPOSシステムに代表されるように、いかに詳細かつ正確な顧客データを取得するかが顧客マーケティングにおける重要なポイントとなっています。サブスクリプションのように、長期間顧客と接するような場合には、その顧客本人の情報のみならず、家族や居住地域に関するような情報まで得られるかもしれません。
それらの顧客情報に基づいて、新たなサブスクリプションを特定の顧客層に集中投下したり、試験的に低価格で販売してみたり、といった様々な販売戦略を実行することができるのです。
④サブスクリプション内容の改善
サブスクリプション内容を改善するためには、前述した③の顧客から吸い上げた様な声の中に大きなヒントがあることが考えられます。一般的には、モノやサービスの改善には、利用者に対して現状調査を実施してから課題の抽出、そして改善計画、改善実施、といった流れを踏むことが考えられます。
しかし、上記③のように利用者のデータを取得しやすいという条件があることから、いきなり課題抽出(ここもある程度は顧客データ取得に内包されてはいますが)から対応することが可能になっています。したがって、顧客の声に丁寧に応じていくことで自然とサブスクリプションの内容に対する改善が行われている、ということができるでしょう。
(3)サブスクリプションの利用者のデメリット
サブスクリプションにはメリットだけではなく、デメリットも存在しています。利用者にとってのデメリットは、①突然値上げされる可能性がある、②利用しなくても費用が発生する、③長期間利用前提のケースでは総費用が高くなるケースがある、といった点を挙げることができます。
①突然の値上げ(提供中止)
提供主体が少なくて寡占状態にあるようなケースでは、突然利用料金が値上げされてしまうリスクがあります。一般的には、値上げを実施する少し前には利用者に知らされることが多いのでしょうが、他に代替手段もないようなサブスクリプションの場合には、急に値上げの連絡がきても実際にはこれといった手段を取ることはできないでしょう。
サブスクリプションの契約内容次第ですが、このように急な値上げやサービスの提供中止といった事態は起こり得る事態でもありますので、そのサブスクリプションが自分にとって必要不可欠なものであれば常に類似したサブスクリプションを探しておく、気にかけておく、といった行動は必要になるかもしれません。
②利用しなくてもコストは発生
サブスクリプションの場合は、月額定額などの料金体系が多いので、利用すればするほど得するということができます。反対に、利用しなくても月額料金は支払うことになります。つまり、何も自分にとってのメリットがないままお金だけは支払わなければならない、ということも発生する可能性があるのです。
したがって、サブスクリプションを利用する場合には、どのくらいそのモノやサービスを利用するのか、といった費用対効果をあらかじめ確りと想定したうえで契約することが重要と考えます。
③長期間利用前提の場合はコスト高
自己所有に近いような状態でサブスクリプションを利用する場合には、実際にそのモノやサービスを購入したのと同じような費用がかかることが考えられます(販売したのと同じ効果を生じるのであれば、エコノミクス(経済効果)的にほぼ同じようなコストが必要になります)。したがって、利用期間に関しても、費用対効果を十分に検討したうえで契約することが大切なのです。
(4)サブスクリプションの企業側のデメリット
サブスクリプションの企業側のデメリットには、①常に新しい提供サービスなどを取りそろえておく、②解約率が高いと利益が得にくい、③顧客サポートの負担が重い、といった点が挙げられます。
①新サービスの常備
顧客に飽きられないように企業としては常に新たな商品やサービスを準備しておくことが必要になります。場合によってはコストが新たに発生するようなことも考えられますし、新しいサービスがまったく顧客に受けないといったことも考えられます。
②解約率が高い場合と利益を食い潰す可能性がある
サブスクリプションは一定期間以上の利用において利益が発生するような料金体系を設定しているケースが多いと思われますので、あまりにも解約件数が多いと赤字になってしまう可能性があります。
③顧客サポートの負担が重い
モノやサービスを販売(売り切り)する場合には、カスタマー・サービスのコストを販売価格にまぶしてしまってるか、別建てで料金を請求するか、というケースが大半だと思われますが、サブスクリプションではカスタマー・サービスの費用も定額料金に含まれている場合が多いと思われます。
このような場合には、いくらカスタマー・サービスを利用しても料金は変わらないので、大したことじゃなくてもすぐにスタマー・サービスを使う、というように顧客は動くことになり、その結果、カスタマー・サービスの負担が増えてしまう、ということになってしまうのです。
<まとめ>
現在では様々なモノやサービスにサブスクリプションは拡大していますが、自分の利用頻度と利用料金をよく考えて、メリットが大きいという結論になった場合には、積極的にサブスクリプションを利用してみてもよいかもしれません。
サブスクリプション成功の鍵は、顧客メリットと自社の利益のバランスが重要となります。自社の利益改善に関する利益改善に貢献する収益力向上策について徹底解説しますの記事を参考にご覧ください。
また新たなサブスクリプション開発には、進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていくDX(デジタル・トランスインフォメーション)の考え方も重要です。DXとは? 概要と推進するための手順を解説しますの記事もご覧ください。
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