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創業する方向け必見!創業に関する助成金について

財務改善

 

事業を起業、創業する際には様々な資金が必要となります、資金調達の方法には、自分で用意する、親族からの出資、金融機関からの借入等がありますが、創業・起業に関する補助金、助成金を活用して事業を行うのも一つの手段です。創業の補助金・助成金は国や都道府県、市区町村が行っていることが多いです。都道府県ごとに内容も異なっているため、ご自身が事業をやられる予定がある都道府県や市区町村の情報は事前にチェックをしておきましょう。

 

創業に関する補助金・助成金とは

創業に関する補助金・助成金は、創業時にかかる費用を一部負担するものであり、借入とは違い、基本的には返済をする必要はありません。そのため、補助金・助成金を活用することは、資金が少ない創業時には非常にメリットがあります。ただ、注意しなくてはいけないのが、補助金・助成金は申請してもすぐにもらえるわけではなく、審査があり、審査に通過した事業者のみに支給されます。支給時期も審査後すぐにもらえるわけではなく、1年、2年といった期間が決められており、その期間が終わった後に実際にかかった費用に対して、その費用の一部が支給されます。そのため、補助金・助成金に採択されても、お金が入るまでの期間の資金はいずれかの方法で調達する必要があります。

ちなみに補助金と助成金の違いですが、定義的には補助金は申請条件を満たしたうえで、さらに審査を行い、申請者で審査に通過した人のみもらえます。一方で、助成金は申請条件を満たしていれば、基本的には申請者全員がもらえるものとなっています。 しかし、最近では助成の名前がついていても実質的には補助金のものも存在しています。(例えば、東京都の創業補助金は「創業助成事業」と助成の文字が入っていますが、実質的には補助金です。)

① 国が行っている創業に関する補助金・助成金

国が行っている創業に関する補助金・助成金のなかで最も有名なものは「創業・第二創業促進補助金」(通称:創業補助金)です。これは毎年春頃に募集が行われている補助金であり、創業者と事業継承者が対象となる補助金です。ここでは、創業者を対象としている方について簡単に解説します。年によって若干内容が変わったりしますが、平成29年度の場合は下記の通りです。

「創業補助金」は、新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を助成するものです。

  • 応募対象者は「新たに創業する者」であること。
    「新たに創業する者」とは、平成29年5月8日以降に創業する者であって、補助事業期間完了日までに個人開業又は会社(以下、会社法上の株式会社、合同会社、合名会社、合資会社を指す。)・企 業組合・協業組合・特定非営利活動法人の設立を行い、その代表となる者。この場合の応募主体は、 個人となります
  • 補助率は1/2(100万円の費用が発生する場合は50万円が補助金としてもらえる。)
  • 補助金の上限額は、
    外部から資金調達をする場合は200万円(補助金下限額は50万円)
    外部から資金調達しない場合は100万円(補助金下限額は50万円)
  • 募集期間:平成29年5月8日~6月2日
  • 平成29年度の採択件数は109件(応募総数739件)

国が行っている補助金であるため、上限額も200万円となっており、採択されると創業時の事業をより拡大しやすくなるほどメリットが大きい補助金です。しかしながら、応募総数739件に対して、採択件数109と採択率は約15%程度と決して高い数字ではありません。また、対象者もこれから創業をする人となっており、すでに個人事業で開業届を出していたり、会社を設立している人は対象外となってしまいます。そのため、間口は狭い補助金となっています。個人的には、国は創業支援に力を入れていくという話をよく聞きますが、このような創業の補助金では利用できる人は非常に少なく、今後は間口を広げた補助金を実施していただきたいです。

この補助金は年に1回しか行っておらず、公募期間も1カ月程度と短いです。申請を検討されている方は補助金情報を早めにチェックして、申請の準備を行いましょう。

② 都道府県が行っている創業に関する補助金・助成金

次に都道府県が行っている創業に関する補助金についてですが、これについては、都道府県ごとに内容が大幅に異なります。今回は東京都が行っている補助金について簡単にご紹介します。東京都が行っている創業の補助金として、「創業助成事業」というものがあります。こちらも平成29年度のものについて説明します。

  • 対象者:創業を予定している、創業後5年未満の個人や会社(その他にも条件あり)
  • 補助率は2/3(300万円の費用が発生した場合、200万円の補助金がもらえる)
  • 補助金額は上限300万円(補助金下限額は100万円)
  • 募集期間 平成29年度は2回実施
    第1回目 平成29年5月8日~5月19日
    第2回目 平成29年11月1日~11月9日
  • 平成29年度第1回の採択件数は58件(応募総数は非公開)

東京都が行っている創業の補助金は、国の補助金と比べると、上限金額も高く、対象者も創業してから5年未満であれば対象になっているため、申請しやすくなっています。しかし、こちらの補助金も第1回目の採択件数は58件となっており、応募総数は非公開のため不明ですが、採択率は国の創業補助金と同等かそれ以下と思われます。採択されるためには非常にハードルが高い補助金となっており、補助金の申請書もかなり完成度が高いものを申請する必要があります。

国の補助金や都道府県の補助金に共通していることですが、採択率が非常に低く、ごくわずかの方しか補助金がもらえないのが現状です。創業をする際にこのような補助金がもらえることを前提として計画を立ててしまうと、補助金がもらえない場合に事業が立ち行かなくなる可能性があります。また、採択されても補助金がすぐにもらえるわけではないので、いずれにせよ事業資金を一時的に用意する必要があります。補助金は採択されたらラッキー程度と思って考えておいた方が無難です。

また、申請するにあたり、申請書を作成しますが、申請書の内容は大抵は創業時の事業計画書となっています。多くの方は事業計画書を作成したことが無いと思いますが、この事業計画書が審査の中心となるので、採択されるために非常に重要な書類となります。事業計画書は事業内容を相手にわかりやすく伝えることが目的でもあるため、作成の仕方について、必ず事前に確認しましょう。事業計画書に書くべき最低限の内容や収支計画や資金計画等の書き方等々を考慮したものを作成する必要があります。

③ 市区町村が行っている創業に関する補助金・助成金

最後に市区町村が行っている創業に関する補助金・助成金です。市区町村も各々で内容が大きく異なります。また、国や都道府県とは異なり、補助金として200万円、300万円といった金額を支給するものはほとんどないと思います。

市区町村の場合はまとまった金額をもらえるというよりも、金融機関から創業に関する融資を受ける際に金利を一部負担してくれたり、保証協会の保証料を一部負担してくれるといった形での支援が多いです。各市区町村が行っている「制度融資」と呼ばれるものです。たいていの場合はここに創業に関する融資制度もあり、上記の内容の支援を行っています。国や都道府県の補助金と比較すると、大きい金額を補助してくれるわけではありませんが、条件さえあてはまれば利用できるものであるため、間口は広く、使いやすいものが多くあります。こちらもご自身の市区町村の情報をチェックしてみましょう。

 

創業に関する助成金 まとめ

創業の助成金について、① 国② 都道府県③ 市区町村の3つの視点で解説をしました。先述したとおり、の創業に関する助成金は採択件数も少なく、採択されるハードルは非常に高いのが現状です。現実的には ③ 市区町村 の創業に関する助成を利用している人が多いかと思いますが、国や都道府県と比べると助成内容は魅力が乏しくなっています。最近では、国や都道府県の創業助成金に申請される際に、地域の創業支援機関や経営コンサルタントに申請書の作成支援を受けられている方が多くなっています。なかなかハードルが高い助成金ですが、採択された時のメリットは大きいので、積極的にチャレンジしてみてはどうでしょうか。