みなさんは決算書と言われてどのような書類をイメージしますか?具体的な書類を言うことができるでしょうか?会社法で言う決算書は、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の4つのことをいいます。それでは、この4つの書類がどのようなものか見ていきましょう。
■「貸借対照表」ってどんな書類?
貸借対照表(B/S Balance Sheet)は、会社の特定時点での財政状況を示します。貸借対照表を理解するためには、資産・負債・純資産という言葉が何を意味しているか理解しておく必要があります。貸借対照表は左側を資産の部、右側を負債・純資産の部を表します。下のような表が貸借対照表になります。では、次に資産の部、負債の部、純資産の部を具体的に見てみましょう。
資産の部とは?
会社を設立するには資本金が必要です。そして、それが企業活動を行っていくうえで、さまざまに変化をしてきます。例えは、お金で車を購入すれば、お金→車に資産がかわります。
そして、資産の部は、流動資産と固定資産に分けられます。流動資産とは、1年以内に現金化することができる流動性のある資産です。例えば、現金、預金、売掛金、受取手形などがこれに当てはまります。固定資産とは、長期にわたり保有する資産です。たとえば、建物・車両運搬具・土地などがこれに当てはまります。
負債とは?
銀行から借りたお金、商品を買った代金で必ず返済しななければならないお金を表します。負債が大きすぎると経営を圧迫する原因にもなります。負債も、流動負債と固定負債に分けられます。
流動負債とは、1年以内に支払わなければならないお金です。たとえば、支払前の買掛金や給与などの未払金などがこれに該当します。
固定負債とは、1年以後に支払わなければならない借入金などです。たとえば、会社が資金調達のめに発行した社債や銀行からの借入金がこれに当てはまります。
純資産の部とは?
「株主から出資してもらったお金」を表します。純資産は負債とは違い基本的には、返済する
必要がありません。
■「損益計算書」ってどんな書類?
損益計算書(P/L Profit&Loss Statements)というのは、「一定期間の会社の利益の発生過程を明らかにしようとする書類」です。損益計算書を見ることで、会社が販売で稼いだ金額、稼ぐためにかかった費用や本業で最終残った利益などがわかります。具体的には下の表になります。
損益計算書で注目すべき数値は?
売上高から費用などを差し引いた、『5つの利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期利益・当期純利益)』です。
売上総利益について
売上高から、売上原価(仕入れなどの費用)を差し引いて発生した利益になります。一般的には、粗利益(あらりえき)とも言われます。
営業利益について
売上総利益から人件費や法定福利費、販促費、手数料など会社を経営したり、売上を上げるために使った経費を差し引いた額(売上総利益-販売費・一般管理費)です。つまり。本業の利益がこれに該当します。
経常利益について
営業利益に営業外収益を加え、営業費用を引いた利益です。営業外収益の代表的なものは、受取利息、為替差益があります。営業外費用は、支払利息、為替差損があります。
税引前当期利益について
経常利益に対して、土地の売却益や災害による損失などの特別な理由による収支を加減した利益です。税引前当期利益は特別利益、特別損失が大きい場合に大きく変動する利益です。
当期純利益について
税引前当期利益から、税金を支払った残り(税引き前当期利益-税金)のことを言います。いわゆる純利益がこれに当たります。最終のもうけになります。
■「株主資本等変動計算書」ってどんな書類?
株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の「純資産の部」を切り取って、当期の増加と減少の内訳を記載した報告書です。これには、①株主資本、②評価・換算差額等、③新株予約権の増減内訳が記載されるので、株主資本等変動計算書という名前になっています。
■「個別注記表」ってどんな書類?
個別注記表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書の”注意書き”のような書類です。重要な会計方針に関する注記、貸借対照表や損益計算書に関する注記など、従来は各計算書類に記載されていた注記をまとめて独立させたものです。会社が、どの売上計上基準を採用しているのか、減価償却は定額法・定率法のどちらを採用しているのかなど、各計算書類がどのような基準で作成されているのか、というような内容が記載されます。
■まとめ
今回は、決算書について説明をさせて頂きました、決算書にどのようなもことが記載されてるのかを理解することで、企業の業績を把握することができます。是非、経営者の方は、決算書を見て業績がどのような状況なのか読み取れる知識を身につけましょう。