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自営業者が無担保でローンを利用したい場合の選択肢

財務改善

 

自営業者の人にとって、資金繰り(借金)を無担保で行うことができるかどうかは大きな問題となります。

もし事業で必要な融資を受ける時に自宅などを担保に取られてしまうと経営者が事業に関わる上でのリスクは一気に高くなってしまいます。

また、社長個人の財産の状況が事業の状況と直結してしまうことが好ましくないという側面もあります。

今回は自営業者の方が無担保で資金繰りを行う(つまり借金をする)場合に考えられる選択肢について解説します。

 

公的金融機関の利用

無担保での融資を考える場合の選択肢として最もポピュラーなものは、日本政策金融公庫などの公的金融機関を利用することです。

日本政策金融公庫では担保を不要とする融資制度が用意されています。

利用するためには税務申告(確定申告や法人税の決算申告)を2事業年度分以上行なっていること、法人の場合には代表者が保証人となることなどの条件がありますが、融資限度額4,800万円までを無担保で利用することができます。

なお、個人事業主の方の場合であれば担保なし、保証人なしで融資審査を受けることも可能です。

もちろん、上記の融資限度額は上限額ですから、実際に融資を受けられる金額がいくらになるかについては事業の状況や自己資金として準備できる金額によって左右されますから注意しておきましょう。

なお、融資利率については2023年11月現在で2.10~3.40%(一定の条件に該当する事業者の型の場合にはさらに程利率の特別利率が適用になることもあります)と、一般的な金融機関でのローン利率に比べて低利となっていますから、利用を検討してみる価値があります。

 

信用金庫などの無担保ローン

日本政策金融公庫などの公的金融機関でなくても、一般的な金融機関でも事業主向けに無担保ローン商品を展開しているところは少なくありません。

中小企業経営者の方の場合は信用金庫や信用組合、地方銀行などを利用する場合が多いと思われますが、普段から利用している金融機関の担当者に無担保ローンの商品を紹介してもらうのも良いでしょう。

ただし、日本政策金融公庫の無担保ローンと比較すると融資利率や借り入れ期間などの面でやや条件が悪くなります(保証会社の保証が必要なことも多いです。その場合保証料が発生します)から、まずは日本政策金融公庫の無担保ローン審査を受けてみて、その後で信用金庫などの融資を検討してみるのが良いでしょう。

 

ファクタリング(売掛金の現金化)

ローンとは異なりますが、最近注目されている資金繰りの方法としてファクタリングがあります。

ファクタリングというのは簡単にいうと支払い期限が到来する前の売掛金を売却して現金化することです。

法律上は債権の譲渡のことで、手形の割引と同じように利用することができます。

最短即日で現金化できる一方で、ファクタリングを利用するためにはファクタリング会社に手数料を支払う必要があります(手数料の相場は買取金額の1.5%〜30%というところです)

手数料がやや高い分、担保等は必要ありませんし、金融機関の審査では審査落ちになる可能性が高いような財務状況の人であっても利用しやすいという長所があります(ファクタリング会社が重要視するのはあなたの財務状況よりも売掛金の名義人である人の財務状況です)。

優良な取引先を多く持っているという方であればファクタリングを利用して資金調達する方法も検討してみると良いでしょう。

ただし、売掛金を支払う人(つまりあなたのお客さん)としては振り込みを行う相手が変わることになりますから、信頼関係を損ねてしまわないように配慮しておくことも大切です(資金繰りが苦しいのでは?と無用な心配をかけないように注意しておきましょう)。

 

事業者向けのカードローンは最後の手段

金融機関の審査に通らない、ファクタリングで現金化できそうな売掛金もない…という方の場合、最後の手段としてノンバンク系の事業者向けの無担保カードローンを使うという手もあります。

事業者向けの無担保カードローンは借り入れの審査が一般的な金融機関に比べるとかなり緩い一方で、貸付利率がかなり高いという特徴があります。

貸付利率の相場は10%〜18%程度で、遅延損害金は20%としているところが多いですね。

保証人等も必要なく、融資審査も最短であれば即日でしてもらえますから、資金繰りが非常にきびしいために今すぐなんとかしたいと考えている事業者の方にとっては強い味方となってくれることは間違いありません。

ただし、繰り返しになりますが貸付利率が非常に高くなりますから、無担保カードローンの利用はあくまでも最後の手段と考えておくべきです。

まずは公的金融機関等の融資を受けてみて審査落ちとなってしまった場合や、審査を受けている時間的な余裕がないというときに限定して無担保カードローンは利用するのが適切です。

返済についても利息負担を少しでも小さくするために出来る限り早く行うようにしましょう(1ヶ月間であれば無担保などのサービスを行なっている業者もあります)。

 

まとめ

以上、事業者の方が無担保で利用できるローン等の資金繰りの方法について解説させていただきました。

近年では金融機関のサービスも柔軟化していますから、無担保でも融資に応じてもらえる場合は多くなっているといえます。

資金繰りを適切に行えるかどうかは経営者としての手腕が問われる場面でもありますから、選択できる選択肢は多く持っておくようにしましょう。