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購入・リース・レンタルの設備投資方法は?メリット・デメリット徹底解説

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企業が設備投資を行う際に用いられる主要な方法としては、購入、リース、レンタル、といったものが考えられます。それぞれの設備投資方法の、概要、会計上・財務上・税務上などの比較(メリット・デメリット)、中小企業向けの設備投資支援策、を詳しく解説します。

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1.主な設備投資方法の概要

設備投資とは、企業が事業を継続・発展させるために必要な設備への投資のことで、企業の維持・成長には不可欠なものとして認識されています。もし設備投資を怠ってしまう(新たな設備投資が行われない)と、生産している製品の機能やデザインなどが時代遅れになってしまい、売上が低下してしまう可能性が高くなります。

つまり、設備投資は企業にとっての生命線であり、欠かすことのできない活動のひとつである、と位置付けることが可能でしょう。設備投資をするには様々な方法がありますが、その中でも主要な手段であると思われる、(1)購入(2)リース(3)レンタル、の3つの方法について、その概要を説明します。

(1)購入

おそらく、この「購入」が最もわかりやすい設備投資方法なのではないでしょうか。言葉の通り、必要な設備を購入することです。当然ながら設備を購入するためには資金が必要になります。会社自身の手元資金で購入資金を賄えれば問題はありませんが、手元資金が不足している場合には金融機関などから調達をする必要があります。

資金調達手段としては、銀行などから融資を受けることが多いと思われますが、社債を発行したり、新株発行をしたり、様々な方法が考えられます。一般的には、設備投資後の増加キャッシュフローや資金調達コストを十分に勘案して調達手段を決定することになるでしょう。

また、会計的には、設備の購入金額そのものが一度に全て費用になるわけではなく、減価償却費として購入した設備の耐用年数で按分されて各年度に費用として計上されることになります。税務的にはそれぞれの年度において費用計上されることから、法人税額の支払いが繰り延べられるという利点はあるものの、経理部門にとっては処理が煩雑かもしれません。

(2)リース

リースとは、設備を自社で購入することなく、リース会社が購入した(企業からの要請によりリース会社に購入してもらった、企業が選んでリース会社に購入してもらった)設備をリース料金を支払って企業が長期間借りる(リースする)取引のことです。法人税法において、「適正リース期間」というものが定められており、原則として、その期間に応じて毎月のリース料金が決められます。また、中途解約も基本的には禁止です。

リースは、購入のように一度に大きな金額が必要になることはなく、毎月のリース料も均一となります。したがって、自社の資金負担が楽になる、というメリットがあります。また、毎月決まった額(リース料)を経費計上すればよいので、経理部門の手間もさほど煩雑ではないでしょう。

基本的にはリース契約期間中の手続きはリース会社任せになる点も利点でしょう。ただし、最初のリース契約締結手続きとリース期間終了後の再リース契約手続きに関しては若干手間がかかる可能性がある点には注意が必要です。

<リースの種類>

リースには「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類が存在しています。「ファイナンス・リース」は、設備投資を考えている企業に代わって、リース会社がIT機器などの機械設備、固定資産を購入し、その資産を企業に長期間賃貸する形式の取引のことです。

リース可能な資産とは、PCなどのIT機器、産業用機械設備・ロボット、POSシステム、自動車、など、ほとんど全てのものが対象となります。リース会社に対してリース期間に応じたリース費用を企業は支払わなけらばなりません。原則として、中途解約は不可となっており、リース会社がリース契約を締結するために必要になったコストのほぼ全額をリース料総額で充当することになります。

次いで、「ファイナンス・リース」は、「所有権移転ファイナンス・リース」と「所有権移転外ファイナンス・リース」とに分類されます。「所有権移転ファイナンス・リース」においては、リース期間満了時に所有権がリース会社から企業へと移転することになります。一方で、「所有権移転外ファイナンス・リース」では、リース期間満了でリース料の全額を支払っていたとしても、所有権はリース会社に残ることになります。一般的には、リース取引と言えば、「所有権移転外ファイナンス・リース」のことを言います。

オペレーティング・リースとは、ファイナンス・リースを除いたリース取引のことを言います。借りる企業側の都合に合わせて、短期間で契約することが可能です。リース期間が満了すれば、借りていた設備はリース会社に返す必要があります。オペレーティング・リースでは、不特定多数の企業に対して繰り返して賃貸することになりますので、レンタルに類似した取引である、と考えると理解しやすいかもしれません。

(3)レンタル

元々レンタル会社が保有している設備をレンタル料金を支払って企業が借りる契約のことです。基本的にはレンタルの設備関しては中古設備になります。リースの場合と異なり、中途解約も可能なので、利用期間が不明確な場合などに利用しやすい方法であると言えます。

ただし、中途解約リスクを加味して、リース料よりもレンタル料の方が割高に設定されているケースが多いと思われます。また、レンタル契約を中途で解約する際には、残レンタル期間の料金を支払うのではなく、レンタルのスタート時点から解約するまでの期間で設定されている料金と、これまでに支払った金額との差額を「清算金」として支払うことになります。

<購入、リース、レンタル、の比較一覧>

購入 リース レンタル
設備投資対象の選定 任意(設備投資企業が選定) 任意(設備投資企業が選定) レンタル会社からの在庫から選定
契約期間 使用可能期間 使用可能期間(法定耐用年数の70%以上) 任意で設定可能
所有権 購入者 リース会社 レンタル会社
減価償却 購入者 リース会社 レンタル会社
会計処理 オンバランス(資産計上) オンバランス(資産計上) オフバランス(経費処理)
中途解約 不要 原則、不可 可能
月額料金 なし(導入時に全額) レンタルよりも割安(期間満了後の再リース料は廉価) リース料よりは割高、レンタル期間に応じて料金は変動
期間満了後の取扱 法定耐用年数など リース会社に設備を返却、あるいは再リースして延長 レンタル会社に設備を返却、あるいは再レンタルして延長

2.主な設備投資方法のメリット・デメリットと会計・税務処理

主な設備投資方法の概要については、前述した通りですが、本稿ではそれぞれのメリット・デメリットと会計・税務処理について説明します。

(1)「購入」のメリット・デメリット

①「購入」のメリット

設備を自社で購入すれば、その所有権は自社にありますので、「自社のもの」とすることができます。また、長期間での利用になれば、結果的に割安で購入することができた、ということになります。また、設備の入替、売却、なども自由に行うことができます。

②「購入」のデメリット

購入のデメリットは、初期投資金額が高額になってしまう点です。自社の資金繰りにも影響を与えることになりますし、前述したように、自己資金が不足している場合には資金調達が必要になってしまい、場合によっては、自社の財務体質を悪化させてしまうリスクもあり得ます。

また、減価償却費の計算手続や償却資産税の申告など、財務経理部門の事務負担が増大してしまう懸念もあります。

(2)「リース」のメリット・デメリット

①「リース」のメリット

リースの大きなメリットとしては、初期費用を抑えることが可能になることです。購入と比較した場合、手元資金をより有効に活用できる点は大きなメリットと言えるのではないでよしょうか。また、リース期間が満了すれば新たな設備へと入れ替えることが可能になるので、陳腐化リスクに備えることもできます。

次いで、法定耐用年数に応じて減価償却費を計上することができるので、費用の平準化をすることができ、自社コストの把握・管理が容易になる点もメリットとして挙げることができます。

②「リース」のデメリット

リース契約は、原則として、契約期間中に途中で解約をすることができません。中途解約をする場合には、これから支払う予定の未経過未払リース料金の支払をしなければいけません。また、支払総額が割高である点もデメリットでしょう。リース料金には、設備の価格、リース期間の利息、税金(固定資産税)、リース会社の利益、などが含まれていることが割高になってしまう理由です。

(3)「レンタル」のメリット・デメリット

①「レンタル」のメリット

レンタルは必要な時にだけ利用することが可能で、原則として、途中解約のペナルティもありません。利用が終了したらレンタルしたものをレンタル会社に返却すればよいので保管スペースの用意も不要です。また、レンタルは購入契約やリース契約のような事務手続きも不要で、原則として、比較的簡単な申込手続をするだけなので手間がかかりません。

②「レンタル」のデメリット

一般的には、一日当たりの利用料金を比べると、短期間の利用の場合は、レンタル料金の方がリース料金よりも割安なのですが、中長期間の利用となるとレンタル料金はリース料金に比べて割高になってしまいます。

また、レンタルの場合はレンタル会社が保有している資産の中にしか選択肢がないため、利用できる物件が限定的である、というデメリットがあります。

<購入、リース、レンタル、のメリット・デメリット>

メリット デメリット
①購入
  • 自社保有資産になるので、長期間利用になれば結果的に割安
  • 入替・売却などが自由
  • 初期投資が必要
  • 資金繰りへの影響
②リース
  • 初期費用を抑制
  • 減価償却費の計上で費用を平準化
  • 中途解約が不可
  • 支払総額が割高
③レンタル
  • 中途解約のペナルティなし
  • 利用申込の手続が簡単
  • (長期間の利用は)料金が割高
  • 選択肢が少ない(可能性がある)

(4)「購入」の会計・税務処理

①固定資産(電気設備一式)を購入した際の会計処理の例
工場の電気設備を一式(配線工事50万円、冷暖房工事90万円)を振込で購入。

(仕訳例)

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
建物付属設備 140万円 普通預金 140万円 建物付属設備

②不動産の購入・建設、同時に同時に家具やPCも購入した際の会計処理

不動産の費用(土地:5,000万円、建物:3,000万円)は銀行からの借入を充てて、付随費用(工具器具備品:400万円、仲介手数料(土地)200万円、登記料(土地)100万、登記料(建物)50万)は預金から支払。

(仕訳例)

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
土地 5,000万円 長期借入金 5,000万円 土地購入
土地 200万円 普通預金 200万円 仲介手数料
土地 100万円 普通預金 100万円 土地登記料*
建物 3,000万円 長期借入金 3,000万円 建物
建物 50万円 普通預金 50万円 建物登記料
工具器具備品 400万円 普通預金 400万円 家具・PC等購入

*土地登記料は取得価額に算入しないことが可能です。

③会社で使用している自動車の買替を実施

詳細は以下の通り。

  • 現在保有している自動車:期首簿価 180万円
  • 下取価額:100万円(新車の購入代金と相殺)
  • 新たに購入した自動車:総額230万円(内、付属備品代金は10万円)
  • 頭金:50万円(残りの代金は自動車ローン)

(仕訳例)

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
未収金 100万円 車両運搬具 100万円 車両売却
車両売却損 80万円 車両運搬具 80万円 車両売却
車両運搬具 100万円 未収金 100万円 新規車両購入
車両運搬具 50万円 預金 50万円 新規車両購入、頭金
車両運搬具 180万円 長期借入金 180万円 車両購入借入

*付属備品は取得価額に含まれるので、仕訳は発生しません。

③-1 減価償却費の計上処理(月次処理)

車両運搬具の耐用年数は6年で償却率(定率法)は0.417なので、1年間の償却額は、2,300,000円×0.417=959,100円、となります。

(仕訳例)

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
減価償却費 79,925円 減価償却累計額 79,925円 車両運搬具減価償却

③-2 減価償却費の計上処理(決算時)

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
減価償却累計額 959,100円 車両運搬具 959,100万円 減価償却費累計額振替
減価償却費 500円 車両運搬具 500円 車両運搬具減価償却費

④「購入」に関する税務処理

法人が固定資産を購入した場合には、固定資産税が課税されることになります。固定資産税とは、固定資産(土地や建物)を保有している場合にかかる税金のことで、工場の機械設備や事務所のパソコンなどにはかかりません。

固定資産税の計算式は、
固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率:1.4%
となっています。

固定資産税評価額(課税標準額)とは、総務大臣が定めている「固定資産評価基準」というものに基づいて市区町村長が決定しています。この固定資産税評価額(課税標準額)は3年に1度見直されることとなっており、土地や建物の時価のだいたい7割程度に設定されているようです。

固定資産税評価額(課税標準額)は、毎年役所から送付されてくる納税通知書や役所で取得可能な固定資産評価証明書などにに載っています。固定資産税の税率は、原則として、1.4%ですが、自治体によっては異なる税率にしているケースや、加えて、0.3%以下の都市計画税が課税されるケースもあります。また、30万円までの土地、20万円までの建物、の場合には固定資産税は課税されません。

土地や建物などの不動産以外の固定資産(償却対応資産)にかかる税金のことを償却資産税と言います。具体的には、法人が所有している、機械設備、パソコンや家具といった工具・器具などの備品、が償却資産税の対象となります。

償却資産税の計算式は、

課税標準額×標準税率1.4%

となっています。

固定資産税の計算式と同様ですが、課税標準額の定義が固定資産税のケースとは異なります。固定資産税の場合は市区町村長が定めた固定資産評価額が使われますが、償却資産税においては各資産に設定されている減価率を利用して算出することになっています。

具体的には、

初年度の課税標準額=取得価額×(1-減価率×1/2)
次年度の課税標準額=前年度評価額×(1-減価率)

という計算式になります。

固定資産税も償却資産税も自分で計算する必要はなく、毎年役所が計算して税金の納付書を送付してくるからです。ただし、保有している償却資産に増減があった場合には、市区町村に「償却資産申告書」を提出する必要があります(固定資産の場合は登記の有無で確認可能)。

また、少額減価償却資産(中小企業などが30万円未満の資産の使用を始めた年度に全ての金額を損金に計上可能な資産、後述)に関しては、償却資産税はかかりますが、3年償却の場合にはかからない点には留意してください。さらに自動車は自動車税や軽自動車税の対象になっているので、固定資産税や償却資産税を賦課されることはありません。

(5)「リース」の会計・税務処理

ファイナンスリースは、原則として、売買処理の仕訳を行います。ただし、金額が少ないようなリース取引に関しては、賃貸借処理を選択することが可能です。なそ、リース資産総額の重要性が乏しいようなケースにおいては、簡便的な方法である売買処理による仕訳方法が実施できます。

中小企業に関しては、所有権移転外ファイナンスリースでは、賃貸借取引の仕訳処理を採用できます。また、ファイナンスリースでの消費税は、リース取引をスタートさせる時点で、リース料の総額に係る消費税の全額を控除することが可能です。

ただし、所有権移転外ファイナンスリースは、賃貸借取引の仕訳処理を採用する会社では分割控除処理(リース料を支払う日に課税仕入を実施する、という仕訳処理のこと)が可能になっています。なお、オペレーティングリースについては賃貸借取引の仕訳処理が行われます。

リース取引の会計処理は、原則として、「リース会計基準」に準拠することとなっています。ただし、中小企業に関しては、「中小企業会計指針」に基づいて、前述したように、「所有権移転外ファイナンスリースについては賃貸借の仕訳処理をすることが可能」となっています。

①(所有権移転)ファインナンスリース取引の会計処理

借入を実施して資産を購入した場合と全く同様の経済的実態となります。

前提は以下の通り

  • 現金で購入した場合の価格:500万円
  • リース契約をした場合の支払総額:600万円(12万円×50回払)

リース資産取得時の仕訳例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
リース資産 500万円 リース債務 500万円

*このケースでは、現金で購入した場合と同じ金額でリース資産を計上します。

毎月のリース料支払時の仕訳例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
リース債務 10万円 現金 12万円

*毎月支払うリース料金12万円は、借入金の返済時と同様に、元金部分と支払利息部分とに分けて計上します。

決算時の仕訳については、計上されたリース資産に対する減価償却費を算出することになりますが、現金で資産を購入したケースと全く同様の計算方法を用いて減価償却費を算出します。

②所有権移転外ファインナンスリース取引の会計処理

借入を実施して資産を購入した場合と全く同様の経済的実態となりますが、最終的にはリースしている資産をリース会社に返す必要があります。したがって、残存価額がゼロとなるように減価償却費を計算する必要があります。

前提は以下の通り

  • 現金で購入した場合の価格:500万円
  • リース契約をした場合の支払総額:600万円(12万円×50回払)

リース資産取得時の仕訳例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
リース資産 500万円 リース債務 500万円

*このケースでは、現金で購入した場合と同じ金額でリース資産を計上します。

毎月のリース料支払時の仕訳例

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
リース債務 10万円 現金 12万円
支払利息 2万円

*毎月支払うリース料金12万円は、借入金の返済時と同様に、元金部分と支払利息部分とに分けて計上します。

決算時の仕訳については、計上されたリース資産に対する減価償却費を算出することになりますが、現金で資産を購入したケースと全く同様の計算方法を用いて減価償却費を算出します。

②所有権移転外ファインナンスリース取引の会計処理

借入を実施して資産を購入した場合と全く同様の経済的実態となりますが、最終的にはリースしている資産をリース会社に返す必要があります。したがって、残存価額がゼロとなるように減価償却費を計算する必要があります。

前提は以下の通り

  • 現金で購入した場合の価格:500万円
  • リース契約をした場合の支払総額:600万円(12万円×50回払)

(リース資産取得時の仕訳例)

なし

④(所有権移転)ファインナンスリース取引の税務処理

税務上、所有権移転ファイナンスリース取引は売買取引とされています。リース資産を借りている企業の減価償却限度額は自社資産の場合と同様の方法となります。消費税法上においても上記同様に売買として扱われており、リース資産を引き渡す際にリース料総額に係る消費税全額を仕入控除することになります。

⑤所有権移転外ファインナンスリース取引の税務処理

税務上、所有権移転外ファイナンスリース取引は売買取引とされています。リース資産を借りている企業の償却限度額は、「リース期間定額法(償却期間をリース期間とする定額法のこと)」による計算方法となっています。

賃貸借処理が会計上はOKとされているようなケースであっても、税務上は売買取引となります。費用に計上した支払リース料は減価償却費とみなして、減価償却限度額までの金額は損金算入されます。リース期間内で均等払をするようなケースでは、償却の限度額と支払リース料が一致するので税務調整は不要です。

消費税法においても売買として扱われることになるので、リース資産の引渡時にリース料総額に係る消費税は全額が仕入控除されます。なお、賃貸借処理を行っているケースでは、分割控除(リース料支払日にリース料分の消費税を仕入控除すること)も可能です。

⑥オペレーティングリース取引の税務処理

税務上オペレーティングリース取引は賃貸借取引とされているので、リース資産を借りている企業はリース料を支払うべき日に費用処理することが必要です。消費税についても、支払うべき日にリース料分の消費税を仕入控除します。

(6)「レンタル」の会計・税務処理

レンタルの場合は資産を保有することがないので、かかったレンタル料金を毎月費用処理するだけで会計処理は完了です。またレンタル資産の所有権はレンタル会社にあるので、固定資産税や資産償却税などついて考慮する必要がありません。

3.中小企業に対する設備投資への支援策(固定資産税の免除)

中小企業が設備投資を行う場合には固定資産税を免除するようなサポート政策が実施されています。それが「市区町村長の判断によっては、最大3年間は新規取得固定資産に係る固定資産税を免除します」というものです(2021年3月末までとなっている適用期限を2023年3月末まで2年間延長し、課税標準を市町村の条例で定める割合(ゼロ~1/2)を乗じて得た額とする)。

これは、中小企業の生産性革命を実現するために、2020年までとされている「生産性革命・集中投資期間」内において「生産性向上特別措置法」(2018年6月施行)に基づいて、市区町村の認定を受けた中小企業が実施する設備投資をサポートするものです。

認定された中小企業*の設備投資に対して、「臨時かつ異例の措置」として、地方税法における償却資産に係る固定資産税の特例を講じています。この特例の対象設備のみならず、事業用の家屋と構築物を追加すると同時に、2021年3月末までの期限となっている適用期限を2年間延長することになりました。

*中小企業の定義

ここで言う中小企業とは、中小企業等経営強化法第2条第1項に規定されている中小企業者が対象となります。ただし、固定資産税の特例を利用可能なのは、資本金1億円以下の法人等(除く、大企業の子会社)に限られています。

ポイントとしては、「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村において新たに設備を導入する中小企業者であること、年平均3%以上の労働生産性の向上を見込む「先端設備等導入計画」の認定を受けた設備投資(下記参照)が対象であること、を挙げることができます。

対象となる設備は、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に直接供する設備であって生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する下記の設備(除く、事業用家屋)、とされています。

<設備の種類等(最低取得価額/販売開始時期)>

  • 機械装置(160万円以上/10年以内)
  • 測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)
  • 器具備品(30万円以上/6年以内)
  • 建物附属設備(60万円以上/14年以内)
  • 構築物(120万円以上/14年以内)
  • 事業用家屋は取得価額合計額が300万円以上の先端設備などと同時に導入されたもの

上記の税制上の優遇措置に加えて、新型コロナ感染症の影響から、給付金や助成金・補助金、といった設備投資に関する様々な中小企業支援策が実施されています。例えば、法人向けの「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(特別枠)」、同じく法人向けの「IT導入補助金(C類型・特別枠)」などを挙げることができます。

中小企業にとっては厳しい経営環境が続くことが予想されますが、これらの支援制度をフルに活用して、当面の資金繰りのみならず、将来に向けて必要な設備投資に役立てることが重要だと考えます。

<まとめ>

設備投資を実行する場合には、自社が置かれている状況を十分に踏まえたうえで、どのような投資方法を選択するのか、がとても重要になります。設備投資は、会社の資金繰りに大きな影響を与える可能性があるので、自己資金か借入か、設備投資後の売上・利益予測は正確なのか(あるいは余裕がある見込みなのか)、といった検討が必要です。

様々な設備投資方法のメリット・デメリット、会計上・財務上の留意点、などもしっかりと把握・理解しておくことが必要です。新たに取得した(借りた)設備は、会社にとっては将来の利益の源泉となる大切な財産です。慎重にチョイスするようにしましょう。

また、中小企業にとっては、設備投資は大きな決断を迫られる可能性がある経営の意思決定である、と言えるでしょう。例えば、新規設備を購入する場合には、大きなキャッシュが動くことになりますし、銀行から借入をする必要に迫られるかもしれません。

したがって、中小企業だからこそ利用できる様々な公的支援策を活用して、少しでも有利な状態で設備投資を実行することが非常に大切であると考えます。

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監修
株式会社レクリエ / 公認会計士・税理士
沢田慎次郎

お金の流れを変えて、未来を創造する専門家。決算書や申告書から企業のお金に関する問題を洗い出し、財務改善・利益改善に活かすことを得意とする。
様々な規模・業種のクラアントをサポートしてきた経験と豊富な知識を活かし、調達再編スキームの構築や融資交渉サポートなども手掛ける。

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