PR

借入する際の返済シミュレーションを行う際に知っておくべきこと

財務改善

 

金融機関等で借入を検討する際に月々の返済金額や利息はどの程度かといった借入のシミュレーションを行う方も多いのではないでしょうか。借入シミュレーションはインターネットで検索すれば、シミュレーションのフォーマットが出てきて、必要事項を入力すれば、すぐに月々の返済金額が表示されます。では、借入の利息の計算や、返済方法の種類等は具体的にはどのようなものであるのかについて説明いたします。

 

返済の方法

返済の方法については、大きく分けると元利均等返済と元金均等返済があります。この2つについて説明いたします。

① 元利均等返済方法

元利均等返済とは、毎月決まった金額を返済するというものです。これだけ聞くと、当たり前と思われるかもしれません。まず、そもそも毎月の返済額はどのように決まっているのかご存知でしょうか。返済額は元金の返済分と利息で構成されています。元金の返済分とは借入の残高を返済する部分です。

例えば120万円を利息10%で1年間借入をしたとします。借入期間は1年間なので、返済回数は12回となり、120万円を12で割ると毎月の返済は10万円となります。この10万円が元金返済分となります。これに利息を加えた金額が返済額となります。

つまり、毎月の返済額 = 元金返済分 + 利息となります。

元利均等返済では、元金返済分 + 利息の部分が毎月一定となります。その結果、毎月の返済額が同じ金額となります。元利均等返済の特徴としては、毎月の返済額は一定ですが、元金返済分と利息の金額は変動します。借入当初の方が、利息金額は高くなり、元金返済分は低くなります。徐々に利息金額が減っていき、元金返済分が増加していきます。

例えば、上記の120万円の借入の場合、毎月の返済額が12万円だとすると、当初は元金返済分が8万円、利息が4万円でしたが、6か月後には元金返済分10万円、利息2万円といった形で内訳が変わってきます。(この例はイメージなので、金額の数字は正しくはありません。)

元利均等返済方法が用いられるのは個人ローンが中心です。自動車ローンや教育ローン、カードローンや住宅ローンで使われています。毎月の返済額が一定であるため、返済する時にいくら必要か分かりやすくなっています。

② 元金均等返済方法

元金均等返済方法では、毎月の元金返済部分が一定となります。元金が減少するにつれて利息が減少していきますので、徐々に返済額も減少していきます。例えば、先ほどの120万円を利息10%で1年間借入した場合について、毎月の元金返済分は120万円 ÷ 12回 = 10万円となります。最初は借入残高120万円に対して利息がかかりますが、6か月後には元金が60万円となり、この60万円に対して利息がかかってきますので、月々の利息の金額は徐々に減少していくというものです。

返済額 = 元金返済分 + 利息

上記の元金返済部分が一毎月一定となります。利息の部分は毎月変動していくので、返済額も毎月変動していくという仕組みです。元金均等返済の場合は、返済当初の返済額が最も高くなり、徐々に返済額が逓減していきます。元金均等返済は主に事業者用の融資で利用されます。個人ローンでは住宅ローンで利用される場合もありますが、あまり一般的ではありません。

③ 元利均等返済と元金返済方法はどちらがお得?

では、元利均等返済と元金均等返済はどちらがお得なのかですが、結論からいうと元金均返済の方が支払う利息は少ないです。これは、利息の計算の基となる元金の減るスピードが元利均等返済よりも早いためです。まず、先述したとおり、返済額は元金の返済分+利息で決まります。月々の元金の返済分を合計するとは借入をした金額となります。これは元利均等でも元金均等でも違いはありません。

違いがでるのは利息となりますが、利息は借入残高に対して計算されます。借入残高が100万円と50万円では借入残高が少ない50万円の方が利息は少なくなります。借入金額、借入期間が同条件であれば、元金均等返済の方が元利均等返済よいも元金の返済額が多くなり、借入残高の減少スピードが速くなるため、結果として利息の支払いが少なくなります。一般的に個人ローンではほとんどの融資商品で元利均等が基本となっており、元金均等に変更することは出来ません。しかし、住宅ローンなどは、元金均等か元利均等かを選択できるケースがあります。利息の支払いを少なくしたい方は元金均等返済を選択したほうがメリットはでます。しかしながら、住宅ローンでも多くの方は元利均等返済を選択しています。これは、元金均等返済は元利均等返済と比べると、月々の支払いが多くなるためです。単純な話ですが、元金均等返済の方が、月の返済額を多く払っているため、借入残高の減少が早いという理屈です。徐々に返済額は減少していくものの、借入当初の返済負担は重くなってしまいます。そのため、住宅ローンを利用する人は、当初の返済負担を重くするよりも、利息が多少かかっても、毎月同じ金額を返済する元利均等を選択する人が多いというわけです。

 

借入期間と利息総額・毎月の返済金額との関係

借入期間が長ければ長いほど、利息支払金額は高くなり、毎月の返済金額は少なくなります。一方で、借入期間が短ければ、短いほど、利息支払金額は少なくなりますが、毎月の返済金額は高くなります。毎月の返済金額を増えせる余裕ある方は、返済金額を増加して、利息の支払総額を減少することも検討してみてはいかがでしょうか。一方で、返済負担が重い人にとっては、借入期間を長く変更することで、月々の返済負担を軽くすることができます。ご自身の状況に応じて、借入の期間を設定しましょう。ただ、借入の返済を延滞してしまうと、今後借入が出来なくなったり、場合によっては、借入金額の一括返済を求められることもありますので、無理のない返済計画を設定しましょう。

 

ボーナス一括返済や据置き期間とは

借入シミュレーションのフォームにボーナス返済分や据置き期間という欄がある場合があります。これらについて説明します。ボーナス返済分とは文字通り、ボーナスが入る月にその月の返済額を増加させるというものです。メリットとしては、ボーナス月に返済額が増加するので、返済期間が短縮し、利息の支払総額が減少します。利用している方も多いのではないでしょうか。一方で、デメリットとしては、会社の業績によって、ボーナス額が減少した場合やもらえなかった場合でもボーナス月には通常よりも増加し金額を返済しなくてはいけません。ボーナスを予定通りにもらえなかったとしても、ボーナス返済を取り消すことはできません。そのため、ボーナス返済はある意味リスクが高い返済方法となります。大手企業や公務員等、ボーナスが毎期安定してもらえる方にとっては問題ないかもしれませんが、ボーナスが会社の業績や自分の仕事の実績に大きく左右される方はあまりおすすめできません。

次に据置き期間についてですが、据置き期間とは借入金の元金を返済せず、利息のみを支払う期間です。個人ローンより事業資金で用いられることが多いですが、例えば、新しく会社を作って、事業を始める場合、事業を本格的に始めるまで、売上が計上できず、返済資金を確保できないケースがあります。その際に、一定期間は利息の支払だけとして、元金の返済は行わないというものです。据え置き期間中は利息の支払だけなので、返済負担も軽くなり、すぐに返済資金を準備できない方にとってはメリットがあります。ただ、元金は減らずに利息のみを支払うので、通常の場合と比べると利息の支払総額は増加してしまいます。

 

借入シュミレーション まとめ

以上が借入シミュレーションの基本来な事項となります。借入を行う際は上記のような条件をあらかじめ検討しましょう。借入は各々の状況によって最適な条件が異なります。借入をする際は、是非、ご自身に適した条件での借入をしましょう。