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チャットボットは職場に役立つのか?概要と仕組みを解説

チャットボット 業務改善

チャットボット(Chatbot)とは、短い文章を用いて即時(リアルタイム)に相手と会話するという意味の言葉である「Chat(チャット)」とRobot(ロボット)を表している「Bot(ボット)」という言葉をプラスしたを組み合わせた人造語です。チャット内における人間の質問に対して自動的に応答することが可能なプログラムのことを指しています。

チャットボットはAIの進化と平仄を合わせる形で、能力を飛躍的に向上させており、ビジネスの観点からも大いに注目を浴びています。本稿においては、チャットボットの概要や仕組み、チャットボットのメリットと留意点、AI(人工知能)との違い、チャットボットの利用場面(チャットボットの具体的な活用事例)、などについて詳しく解説します。

1.チャットボットの概要・仕組み

単調・言い切り口調などで全く味気のない会話(対話)をするのではなく、まるで同じ人間と会話しているように双方向のコミュニケーションが可能な水準に近付いている現在のチャットボット。

これは、優秀な人工知能(AI)をこれまでに比べてだいぶ安いコストで利用することが可能になったためであり、ハイパフォーマンスを発揮することができる、高い能力を持つチャットボットの開発費用をも抑えることができるようになったことが理由です。

①チャットボットの種類

チャットボットには、AI(人工知能)の有無という観点で分別すると、AI型(人工知能型)と呼ばれているものと、シナリオ型(人工無脳型)と呼ばれているものの2種類に分けることが可能です。

AI型(人工知能型)のチャットボットとは、文字通り、AI(人工知能)を搭載している、自動ラーニング型(機械学習型)と言われている仕組を組み込んでいるチャットボットのことです。

「事前に想定された質問」に対して「既に準備しておいた回答」を返す、という基本的な会話のフローは「シナリオ型」のケースと共通ではありますが、シナリオ型と異なるのは会話のルールが飛躍的に複雑になっています。

AI型(人工知能型)のチャットボットには、ひとつの単語が一致するだけではなく、文章の全体を理解・解釈したうえで返答する、という特徴があります。シナリオ型(人工無脳型)の場合は、当初決定されたルールに確実に忠実であり、何回使用してもいつも質問に対する回答は同一になります。

しかしAIを搭載したディープラーニング型のチャットボットは、利用すればするほど多くのデータが収集されることになり、学習が進めば表現が異なっているような質問に対しても回答できるように成長していきます。

一方で、人工知能を搭載していないチャットボットのことは、ルールベース型、シナリオ型、などと呼ばれています。このようなシステムにおいては「Xという言葉が質問に含まれている場合にはYを回答する」というような法則(ルール)を事前に人間が設定しておくことで、会話が成立しています。このような法則(ルール)を確定させて設定することにより、会話風なチャット上の意見交換が可能になっているのです。

チャットボットの種類 メリット デメリット
AI型(人工知能型) 非常に多くのデータに基づいて、「会話が成立するプロセス」をオートマチック(自動的)にラーニング(学習)することが可能なので、シナリオ型(人工無脳型)のチャットボットに比べると、会話のパターンも多様・多種にならざるを得ない。
特殊な決まり(ルール)やパターンを必要としない雑談のような会話であっても、利用者(ユーザー)が興味を持つような会話ができるようになる。
即時に対応(リアルタイム)における会話の順序(シーケンス)部関するデータからラーニング(学習)するようなケースでは、例えば、故意に悪意がある会話のデータを付与され続けると、差別的、反社会的、な回答・発言だけしたできなくなってしまうおそれがある。
したがって、データ収集においてはデータ内容にフィルタリングをかける、といった、データに対する適宜・適切なクレンジング作業が求められます
シナリオ型(人工無脳型) 原則として、システム側のルールに則して会話をすることが基本なので、あらかじめ準備された範囲内の質問に対しては、正確に対話することが可能であり、保証される。 バラエティに富む会話にするためには、多種多様な会話パターンを作成して覚えさせる必要がある。したがって、そのための開発費用が多額になってしまう可能性が高い。

2.チャットボットのメリット

チャットボットのメリットとしては、

  1. 24時間、どんな時でも対応することが可能
  2. 普段から使い慣れたチャットUIにより簡単・気軽に問い合わせができる
  3. 問い合わせに対する応答業務の効率化と費用削減
  4. 業務システムのシンプル化(簡略化)

の4点を挙げることができます。

(1)24時間、どんな時でも対応することが可能

チャットボットのサービスを利用することにより、クライアント(顧客)からの質問・問い合わせ、などに24時間どんな時でも応ずることが可能になります。さらに、スマートフォンが全国に普及することによって、サービスの利用者(ユーザー)は常にインターネットに接続することが可能な環境にいることになっています。

このように、質問・問い合わせがいつ何時でも可能である、というのはクライアントの満足度の向上に大きく影響を与えるポイントだと言えます。これまでは「24時間のクライアント対応をしたいけれども重い人件費が課題となってしまい断念せざるを得ない」というような企業であっても、軽いコスト負担でいつでも利用者の質問・問い合わせに応じることが可能なります。

(2)普段から使い慣れたチャットUIにより簡単・気軽に問い合わせができる

これまでの電話・メールなどでの質問形式の場合には、利用者側で質問・問い合わせ用の様式(フォーム)を探し出したうえで、その様式(フォーム)に合わせて質問を記入したり、電話先の担当者(オペレーター)が応答してくれるまで長い時間待たされることを覚悟、あるいは我慢しなければならない、といった不便さを感じることが多々あります。

しかし、チャットボットのサービスを利用するのであれば、利用者は企業のホームページやLINEなどから、どんな時でも気兼ねせずに問い合わせをすることが可能になります。簡単にユーザーの疑問を解消できるようになることで、顧客満足度が飛躍的に向上する可能性が高まります。

(3)問い合わせに対する応答業務の効率化と費用削減

問い合わせ対応においては、基本的には、利用者からの質問内容が同じような内容になっていることがほとんどでしょう。このようなケースにおいて、常にオペレーター・担当者が同じような質問に対して同じような回答を、しかも大量にしなければならないのは極めて非効率で無駄が多いと考えられます。

しかし、一方でチャットボットのような仕組みを活用すれば、数多く質問されるような内容をパターン化・自動化することにより、対応が面倒な質問やどうしても人間が対応しなければいけないような問い合わせに集中して対応することができるようになるでしょう。

同時に不要なコストを削減することも可能になり、業務そのものも大きく改善できるし、効率化も果たせるので、問い合わせの回答を担当していたオペレーターや担当者のストレスや負担も軽くすることが可能になる、というメリットを得ることができます。

(4)業務システムのシンプル化(簡略化)

チャットボットのUI(User Interface(ユーザー・インタフェース)、利用者がパソコンやスマホとやり取りをする場合の入力・表示方法といった仕組のこと)は、たとえチャットボットに関するリテラシーが低いような利用者がシステムを使う場合にも適していると言えます。

例えば、会社の勤怠や仕事の日報などの入力において、パソコンでシステムを動かして様々な機能を持つ多くのソフトウェアから目的に沿った機能を持つソフト選択・起動して入力をする、ということは、現実的には、作業工数や心理的なハードルの負担はけして軽くはありません。

しかしながら、ここでチャットボットを活用して、日報や勤怠の入力がわずか数回のタッチ(タップ)で完了するのであれば、利用ユーザー数は確実に増加するでしょう。

3.チャットボットの留意点

前述したように、チャットボットには多くのメリットがあるのですが、その一方で以下のような留意しなければいけないポイントがあることを忘れてはいけません。

  1. チャットボットを導入までにはある程度の時間が必要
  2. あらゆる質問に対応可能なわけではない
  3. 大量かつ多数の問い合わせに対しては一度に応ずることは難しい

(1)チャットボットを導入までにはある程度の時間が必要

新たにチャットボットを導入するために必要なものは以下の3つです。

  • 想定問答(FAQ、事前に想定し得る利用者から質問内容と回答例との組み合わせ)
  • 台本(シナリオ、問い合わせへの回答が環境や状況次第で分岐するようなケースのロジック)
  • (AIが搭載されている場合)人工知能に似たような表現をインプットすること

よって想定問答(FAQ)で代表されるような、こうした材料・素材を整理したうえで、作成することで、ようやくチャットボットの機能は稼働することになるので、実際の導入までには数か月程度の準備するための期間が必要になることが多いと考えられます。

(2)あらゆる質問に対応可能なわけではない

チャットボットは利用者から問い合わせのあったあらゆる全ての質問に対して回答が可能なわけではありません。あくまでチャットボットは「回答」のデータベースに準備されている情報に基づいてのみ、利用者に回答を提示することができるだけです。

人工知能非搭載型(人工無脳型)のチャットボットでは、シンプルなキーワードにのみ応答することが可能ですが、人工知能搭載型のチャットボットであっても、チャットボットの開発者が全然考えていなかったような質問・問い合わせに対しては適切に対応した回答をすることは不可能でしょう。

同じく、人間であっても対応することが困難な、非常に長文の質問やさっぱり意図が掴めないような質問には対応することが難しいと思われます。一定の前提条件が必要となる質問であってり、質問内容の行間を読み取ることが必要な複雑な質問の場合には、別に人間が対応するコールセンターなどへ質問を回す、といった工夫が必要になるでしょう。

(3)大量かつ多数の問い合わせにたいしては一度に対応することは難しい

チャットボットは大量かつ多数の質問に対して一気に回答することは不可能です。利用者は問い合わせたい内容を1個ずつ地道に解決していくことが必要になります。この点は、いくつもの質問をしたい利用者にとてはデメリットになってしまいます。

1個の質問に答えてもらったと思ったら、2個目の質問に答えてもらうために、再び最初からチャットボットとの会話をやり直さなければならないからです。たとえチャットボットを導入したからと言っても、自社の製品・サービスに関する説明は利用者に理解し易いように整備しておくことは重要かつ必要であると思われます。

4.チャットボットとAIの相違点

これまでの説明を読んでいるとチャットボットとAI(人工知能)は同じものではないのか、と思ってしまう人がいるかもしれませんが、チャットボットにはAIを搭載しているものもありますが人工無脳型と呼ばれるものもあり、両者は同一ではありません

(1)AI(人工知能)とは

現在では様々な場所において「AI(Artificial Intelligence)」 という言葉を聞くことが増えましたが、本当のことを言うと、「AIとは何なのか」かということについて、明確かつ明瞭な定義というもは存在しまはいないのです。しかしながら、一般的には、「ヒトが知能を利用して実施する作業をすることが可能なコンピューター・テクノロジー」のことを指している、と言われています。

実は人工知能の歴史はかなり古くて、AIという言葉を初めて使ったのは1956年にジョン・マッカーシー(米国のコンピューター技術者)が催したダートマス会議においてです。それ以来、人工知能は、1950年代から1960年代にかけてと、1980年代から1990年代にかけての、2回のブームがありましたが、どちらのブームも世間一般の期待がハイレベルだったこともあり、早い段階で失速してしまい、その後に人工知能は過去2、まさしく「冬の時代」に突入してしまった時期があります。

そして、3回目のブームの契機になったのが、深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれている手法の登場でした。ディープラーニングとは、ヒトの脳に張り巡らされているニューロン(神経細胞)の構造モデルをプログラム上において似せたもので、「ニューラルネットワーク(神経網、 neural network、脳機能において見ることができる複数の特性に類似している数理的モデルのこと)」を利用することで、付与されたデータをベースにして自律的にコンピューターが学習をするテクノロジーである「機械学習」の能力を大きく向上させるものです。

ディーラーニングという手法がいつ生まれたのか、に関しては現時点でもいくつかの意見が存在しているのですが、世間一般に拡大するようになったきっかけは、2012年にGoogle社が公表した「ディープラーニング(深層学習)による猫の自動認識」という研究結果です。この発表においては、「コンピューターが人間に教えることが可能なことなどなくて、猫がどういうモノであるかをコンピューター自身が理解した」という結果が示されたことで、世界中で大きな話題となったのです。

ディープラーニングの研究にとっては、巨額な計算費用が必要になる、とされていたのですが、昨今のPCのハード機能の劇的な進化や、計算処理に卓越したモデルのコストが低下していること、などの好影響により、2012)年頃から一気に研究が活発に進化してきた、という状況にあります。

ディープラーニングが登場することによって、人工知能は一気に実用化の方向へと舵を切ることになりました。他例えば、画像認識、データ分析、などにおいて高度な推論・分類などが精密に実施できることで、医療、農業、あるいは自動運転といった様々な分野における活用が進んでいると言えるのです。

人工知能は、処理技術のタイプによって、以下の3種類に分類することが可能です。

①識別系

画像・声などを認識することで、対象となるモノを識別するようなAIのことを「識別系AI」と呼びます。識別結果をりようすることで、判別、検索、分類、などを実施します。

具体例としては、

  • 画像、WEB上のサイト、楽曲、といったものを検索
  • テキスト文、画像、楽曲、などを分類・整理して、ジャンル毎に分別
  • 不良品を特定、除外
  • 人の動き・感情などを判断したり、反応を計測したりする
  • 体調の良くないヒトを検出
  • 怪しい動きをしているヒトを抽出・検出
  • 機械の異常な動きを検出

などを挙げることができます。

②予測系

これまでに蓄積されたデータに基づいて、将来的な事象を予測することができる人工知能のことを「予測系AI」と呼びます。予測対象は、数値、ニーズ、マッチング、など様々なものを予測することが可能です。

具体例としては、

  • 新たに投入した商品の売上、新番組の視聴率、広告に対する反応、選挙の結果、などの予測
  • 企業の倒産、感染症の発症や死亡、保険事由発生、などに関するリスクの予測
  • 商品、楽曲、動画、などの利用者が関心を寄せているサービスに関する推測とその予測に基づいた広告を発信する最適なタイミングも予測
  • 様々なデータをマッチング(個人同士、個人とビジネス、など)

などを挙げることができます。

③実行系AI

文章・デザインなどを創作したり、多様な作業を実施したりする人工知能のことを「実行系AI」と呼びます。実行系AIはヒトに代わって作業を行ってくれます。

具体例としては、

  • 商品の紹介文、ニュースの記事、自動翻訳、楽曲、絵画、などの作成
  • 様々な設計図、ウェブ上のサイトや広告、企業ロゴなどのデザイン、の作成
  • 最適な、配送ルート、出店すべき場所、ゲームの攻略方法、などの検察・設定
  • 自動車や機械設備などの運転、料理の調理、双方向の対話、利用者におすすめの広告配信、などの自動化

などを挙げることができます。

(2)チャットボットに人工知能(AI)が利用される時代

AIテクノロジーの急激な進化はチャットボットに対しても大きな影響が及ぶこととなり、現在ではAIを搭載したチャットボットが活躍しています。つまりチャットボットにおけるひとつのテクノロジーとしてAI(人工知能)が使われているということなのです。

例えば、身近な例を挙げれば、アップル社の「Siri」、スマートスピーカーとして知られているのAmazon Echoの「Alexa」、などにおける音声アシスタント技術には人工知能(AI)が利用されています。もし、他人が保有しているiPhoneのSiriに対して「Hey, Siri」と話しかけても反応はしないでしょう。なぜならばSiriが保有者(持ち主)の声を認識・学習をしているからです。

①AIが搭載されているチャットボットが向いているサービス

例えば、電話での質問・問い合わせなどの手順・手続案内などでは、どんな相手であっても常に同様の回答をすることでも問題がないような定型的な処理でよければ、チャットボットは非常に有効なツール・手段となります。

これまでは、コストや手間をかけてヒトがメール・電話などで対応していた業務をチャットボットで代替することが可能になりますので、人員配置の効率化(含む、省人化)や費用の抑制・削減ができます。また、前述したように、いつでも(24時間365日運用)対応可能なことも大きな利点です。

一方で、多くの選択肢の中から最も適した答えを探すような場合ににもチャットボットは有効なツールになります。インターネットのウェブ内ではあまりにも多くの情報が溢れているので、通常の方法で検索した結果の中から最適解を探し出すのは至難の業です。

例えば、出張をする場合に宿泊するホテルを予約することは多いと思われますが、可能な限りコスト的にリーズナブルで、しかも出張の目的先から最も最寄りのホテルを見つけようとすれば、多くの色々なホテル検索・予約サイトを訪ねて、さらに費用や利便性を比較・検討する必要があります。このような場合にはとても手間・時間がかかってしまいます。

しかしながら、チャットボットを利用することで、大量にウェブ内に存在しているデータを自動的に集めて、分析をして、利用者が探している条件に最もマッチする情報を瞬間的にチョイスしてくれます。

具体例としては、「ホテルABC」というチャットボットで、「大阪で明後日から1泊できる、1泊朝食付で1万円以下のホテル」と入力するだけで、求めている条件に最も近いホテルを自動的に探してくれるのです。また、AI搭載済みのチャットボットの場合は、利用者とよりインタラクティブな要素を盛り込んだ、双方向のやり取りが可能なサービスの提供を期待することも可能です。

②チャットボットが不向きなサービス

反対に、チャットボットには向いていない、不向きなサービスがあります。以下にチャットボットには向いていないサービスの特徴を挙げてみます。

チャットボットは、クライアントから聴取・ヒアリングできる情報量が多いようなケースでは、まだ現在は「向いていない」と考えられています。具体的には、医療関係のケースでは、対象となっている人が抱えている持病や病気の重症度、あるいはその人の性格・年齢といったいろいろな条件も考え併せて回答しなければならないので、回答者は柔軟かつ臨機応変な対応が可能な「人間」である必要があります。

一般的に想定し得るような問い合わせ・質問の場合ならばチャットボットでも問題なく対応することが可能だと考えられますが、専門的だったり特殊だったりするような問い合わせ・質問や、様々ないくつもの要素を含むような問い合わせ・質問に対しては、当然ながら、人間の対応の方が優れているでしょう。

ただし、同様の問い合わせ・質問に対していくつかの回答を考え得るようなケースでは、シナリオがあるかのように、いくつかの選択肢を持つ回答、を事前に準備しておいて、チャットボットによる回答の正解率を向上させることが可能になる場合が考えられます。

上記のようなチャットボットの特徴を踏まえると、適切なフィールドにチャットボットを導入することで、コストの抑制などの恩恵を受けることが可能になるでしょう。

5.チャットボットの利用場面(チャットボットの具体的な活用事例)

これまで説明してきたようにチャットボットのメリットら留意点などを十分に踏まえて実際にチャットボットを導入することが重要になりますが、現在チャットボットを実際に活用しているような事例について紹介しましょう。

国内BtoBの事例

日本国内を拠点としてBtoBのサービスにおいてチャットボットを活用すると、質問や問い合わせの工数を大きく削減することが可能になります。

サービス名など 概要
Wiz Wizは、インターネット・サイトにおけるコンバージョンの向上を実現化するためのサービスです。Wizでは、「C-bot」というチャットボットを導入していて、イニシャル・コスト定期的な維持コストなどををかけることなく、成果報酬という形で、チャットボットを活用して、クライアントのコンバージョンの向上を目指します。
INVOY INVOYとは、クラウド型の請求管理サービスの名称であり、このINVOYにおいてもチャットボットの仕組みを利用しています。質疑応答(FAQ)のページでチャットボットを導入・活用することによって、担当者が関わる顧客からの質問・問い合わせの工数が約8割も減ることになった、という効率化を実現した効果が判明しています。
DEA DEAは、医療業界に対するコンサルティング事業を展開していますが、このDEAもチャットボットの導入を既に行っています。クライアントからの問い合わせ対応を、ヒトからチャットボットへと代替することにより、問い合わせに必要であった工数が9割も減少することととなり、業務の効率化を果たすことができました。

(2)国内BtoCの事例

日本国内のBtoCサービスにおいても、多数の企業でチャットボットを活用しています。自社サービスに沿う形で、サービスの収益性を向上させるもの、利用者の利便性を高めるもの、など、様々な用途が存在しています。

サービス名など 概要
ヤマト運輸 宅配の大手企業であるヤマト運輸においても、「LINEのチャットボット」を導入・活用しています。メインとなる用途は、再配達担ってしまった場合の最手配です。不在票に記載した問い合わせ番号を利用者からチャットボット上で送付してもらうことで、自動的に再配達の手続を行うことが可能になる、など、配達側と受取人の双方にとってとても便利な仕組みです。
UNIQLO リーズナブルな衣料品など展開しているUNIQLOにおいてももチャットボットが導入されています。企業や商品に関した質問・問い合わせには、利用者(顧客)がチャットを用いて質問をすることで、24時間いつでも自動的に応答してくれるチャットボットが答えてくれます。また、自動的に回答することが難しい問い合わせについては、チャット専門の担当者(人)が対応します。
りんな LINE内で利用されているチャットボットとして、多くの人に知られている有名なものは、元女子高生AIの「りんな」(日本マイクロソフトが開発)でしょう。優秀なAIシステムによって構成されているので、LINE上でラップをしてみたり、自然な日常会話をしたり、ということが可能になっています。そして、テキスト上におけるコミュニケーションのみならず、音声による通話も可能になっています。

(3)国内における社内活用の事例

チャットボットは、対外的な機能の活用のみならず、企業内に対して利用することで、例えば、管理部門における業務の効率化や生産性の向上に役立たせることも可能です。

サービス名など 概要
日清製粉グループ 日清製粉グループでは、業務の効率化を狙って社内において利用可能なチャットボットを導入・利用しています。社内のイントラネットに格納されている就業規則などの複雑かつ膨大な書類をチャットボットに読み取らせることで、チャット上において、内容に関する具体的な問い合わせ・質問をすると、利用者が知りたい回答が自動的に、そして、即座に返信されます。社内メデイアとして利用するだけでなく、不調なPCなどの情報いステムに関連するような質問や問い合わせにも対応可能となっています。

(4)その他

前述したような事例だけでなく、地方自治体などの国内の公的機関(千葉県市川市、駒澤大学など)、海外BtoBの事例(Salesforce、Statsbot、など)、海外BtoCの事例(Burberry、TripAdvisor、など)、においてもチャットボットが活用されています。

まとめ

これまで説明してきたようにチャットボットは、労働力不足に悩んでいる企業や業務の効率化を図ろうとしている職場にとっては大いに役立つツールになると考えられます。ただし、メリットだけでなく、そのデメリットや課題も踏まえたうえで、十分に検討して導入することをおすすめします。

併せて読みたい:ウィズ/アフター・コロナにおける人材採用の留意点を解説