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銀行借入だけじゃない! いろいろな資金調達の手法を紹介します

財務改善

 

資金調達の方法にはどのくらいの選択肢があるのでしょうか。

経営者が抱える重要な企業課題が資金調達ですが、資金調達の選択肢がどのくらいあるのかを理解していない経営者もいるのが実情です。

資金調達の方法は、

  • アセット・ファイナンス(会社の「資産」を資金に変える)
  • デット・ファイナンス(誰かから借りる「負債」によって資金調達をする)
  • エクイティ・ファイナンス(会社に投資をしてもらう「資本」によって資金調達をする)

の3種類があります。

 

アセット・ファイナンス

① 会社が保有している不動産などの資産を売却することで資金調達が可能

資産売却による売却代金を受け取ることで資金調達が可能になりますが、不動産、有価証券、ゴルフ会員権、などは売却金額も大きい場合が多いので、有力な資金調達方法になりうるでしょう。

② 会社にとって無駄な在庫を売ることも資金調達方法になる

在庫は多額のコストが発生する負債ですので、過剰に在庫を持っている状態は日々の管理コストを発生させているだけとも言えます。

売却利益の発生の有無にかかわらず、適正な在庫量を確保することは、コスト削減と資金調達の両方を実現できる方法となります。

③ 売掛債権を売る(ファクタリング)ことで資金を調達

売掛債権というのは、顧客へ商品やサービスを提供して、その代金を受け取る権利のことです。

売掛金を受け取るまでは通常1ヶ月から2ヶ月くらいの期間が発生してしまいますが、売掛金が支払われるより前に、売掛債権を売却することをファクタリングと言います。

ファクタリングの利用による手数料は発生しますが、すぐに現金を手にすることができます。

④ セール&リースバックで資金調達をすることも可能

利用している工場設備などの資産を売却してしまうと会社の運営ができなくなってしまいます。

このような場合には、資産を売却した後に、リース契約を結んでその資産を使い続けるという方法が採ることが可能です。

⑤ 営業権を売ることによる資金調達

顧客代理店のネットワーク、特許やライセンス、商標、開発権など、無形資産を売却することでキャッシュを手にすることが可能です。

その他の資金調達方法

債権回収による未回収資金の回収の他、保険積立金の取り崩し、オフィスの敷金(保証金)の回収、経営者への貸付金や仮払金の回収などによる資金調達方法があります。

資金繰りについて悩みを抱えている経営者の方は、「会社の資金繰りが厳しい時!経営者が行うべき3つの改善策とは?」の記事もチェックしてみてください。

 

デット・ファイナンス

① 公的融資(国や地方公共団体などからの借り入れ)

政府系金融機関、地方公共団体、信用保証協会など公的機関から低金利も融資を受けることで資金調達ができます。

② 銀行融資

最もメジャーな資金調達方法の方法は銀行から融資を受けることです。

銀行融資には、信用保証協会の保証付融資と銀行が独自に融資するプロパー融資、があります。

前者は信用力の低い企業 、後者は返済実績のある信用力の高い企業、に対して行われることになります。

銀行融資についてもっと詳しく知りたい方は、「銀行融資の審査期間はどのくらい?種類別に見る傾向と対策」の記事もチェックしておきましょう。

③ ビジネスローン

信用保証協会の保証付融資もプロパー融資も利用できない中小企業や零細企業のために開発されたローン商品がビジネスローンです。

無担保、保証人なしでも利用することができますが、その分金利が高く設定されています。

ビジネスローンの提供は、銀行やノンバンク(消費者金融)が行っています。

④ 手形割引

手形は売掛債権よりも、支払いまでの期間が長期間であることが多く、資金化しにくい面があるのですが、手形を銀行に売却することで早期に資金調達することが可能になります。

売掛債権の売却(ファクタリング)との違いは、手形割引を行った手形が不渡りになった場合には買い戻す義務が生じることです。

買い戻しの義務があるため、手形割引は融資の一種とされています。

⑤ その他のデット・ファイナンスによる資金調達方法

取引先から借りる「前払い」、従業員から借りる「社内預金制度」、流動資産担保融資「ABL」、売掛債権担保融資、不動産担保ローン、借り換え、リスケジュール「リスケ」、コミュニティクレジット、社債「少人数私募債」、といったものがあります。

 

エクイティ・ファイナンス

① 第三者割当増資

第三者割当増資は、新株を発行して増資をする方法です。

第三者に株を売るのですから、売却代金が会社の資金となり、資金調達が可能となります。

第三者割当増資をするためには、会社の成長性や株価が上昇することを投資家に説明する必要がありますが、返済の義務がない資金調達となります。

ただし、第三者割当増資によって、経営者の出資比率が下がってしまいますので、経営者は経営権を失わない割合で増資の金額を考える必要があります。

② ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタルというのは、ベンチャー企業に出資をして、そのベンチャー企業が上場することで出資資金を回収して、利益を上げる投資専門企業のことを言います。

ベンチャーキャピタルは将来性や成長性が高い企業に出資をして、その株価の上昇によって投資金額を回収することを狙っています。

したがって、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには、明確な将来の事業に対するビジョン、差別化できる要素、経営者のスキル、IPOの可能性など、様々な条件が求められることになります。

③ エンジェル

エンジェルというのは投資家のことです。

欧米では富裕層がエンジェル投資家として有望なベンチャー企業などに投資を行っています。

④ 新株予約権(ストックオプション)

新株予約権(ストックオプション)とは、あらかじめ設定した価格で新株を購入できる権利のことを言います。

株価が安いときに予約権を持っていれば、その会社が成長して上場したときに以前の価格で購入してすぐに売却すれば、一般の社員であっても巨額の資金を手にすることができます。

このストックオプションをモチベーションとして人材の採用に活用している会社も増えています。

⑤ エクイティファイナンスとしての資金調達方法

他にも、従業員持ち株会、中小企業ファンド、クラウドファンディング、事業譲渡・M&A、IPO(株式公開・上場)、などがあります。

 

資金調達 まとめ

このように資金調達の方法には、様々な方法があります。

資金を調達する目的はいったい何なのか、目的に応じた資金調達の手法があります。

また資金調達の形態にもいくつかのパターンが存在しています。

自社の資産を利用することでコストを極力抑えることを重視しているのか、銀行などの資金の出し手から事業目的のスクリーニングや事業計画の検討をしてもらうことで、これからの事業推進の方向性を確認してもらうことに主眼を置いているのか、など、一概に資金を調達すると言っても、そこには単純な「お金」を調達することに留まらない様々な狙いがあると考えて良いと思われます。

資金調達の際に最も重要なのは、資金の出し手と受け手の間の信頼関係だと思われます。

例え今回限りの取引であっても、大切な資金を必要としている人に渡すことになるわけですから、お互いにとっての信頼関係の醸成はとても大切です。

今後長い取引関係をお互いに望んでいる場合には、この信頼関係を大切にして、少しずつ大きく強固な結び付きにつながるような日頃の付き合い方が求められていると思われます。

資金調達における経済効果も重要ではありますが、今後自社が困った状態になった時に資金的にサポートしてもらえるかどうかは、普段の資金調達に対する取り組み方に通じているような気がしてなりません。

中小企業の資金調達方法に関しては、「中小企業の経営者・創業者が知りたい資金調達の方法はこれだ!」の記事でもわかりやすく解説しています。